レモン栽培 2005年4月~
鉢植え栽培
このページでは鉢植えレモンの開花から結実までの様子、苗から結実までの様子、病害虫、その他主な管理等を取り上げています。
※このホームページで「レモン」とは、特に記載の無い場合は「リスボン種」の事を指します。
<概要>以前輸入レモンは、防腐剤や乾燥防止のワックスが付いているからレモンティーや総菜に付いていても「皮は食べない。」と敬遠されていたのが懐かしい。いや、今でもそうかもしれない。また国産は輸入より安全ではありますが高値で取引されているようです。それに多く栽培されてはいない。
しかし、独特の香りや酸味で料理や飲料、成分としてはビタミンCやクエン酸による疲労回復等活躍の場は多い。
そんなレモンを自分自身で手軽に栽培し利用出来るならそれに超したことはありません。ただし、レモンは分類上熱帯果樹であるため寒冷地で上手に栽培が出来るのでしょうか。また品質はどうなのでしょうか。結果は如何に・・・
・最初にレモンの苗木を購入したのは10年以上前だったと思います。それは接ぎ木1年苗で当時、1,700円位でした。栽培を始めて3年位経った頃花が咲き始めたように覚えています。その後、木も大きくなり混み合った枝を剪定した時に、捨ててしまうのはもったいないと、挿し木をしたのが始まりです。
春に挿し木をすれば秋までには根が出て鉢上げし、その後4年位で花を付けたように思います。挿し木で問題無く増やせることや枝が年3回伸びること他いろいろ分かってきた頃、あろう事か最初の親木を枯らしてしまいました。今振り返ればあのとき増やしておいて良かったとしみじみ思います。
一つ分かったことは、枯らした接ぎ木苗より、挿し木苗の方がよく育ったと言うことです。理由は分かりません。
2005年4月、開花~結実
解説:新芽を伸ばし始めたり、つぼみが大きくなっています。
つぼみは前年伸びた枝の先端や先端近い葉の付け根から出て開花する。
開花が始まりました。とても良い香りが漂っています。小さな虫が来ているようです。開花中は結実を確実にするため、土を極端に乾かさない方が良い。
レモンの花は二種類あり、ずい柱が長く伸びている花しか結実しません。(矢印が長いずい柱)
(2)写真の散った花は結実しますが、開花中の(1)花は結実しません。
栽培場所はビニールハウス内ですが、特に人工交配は行っておりません。開花しても結実しない場合は、まだ株がその状態ではないと考えます。
(4)この実は昨年夏から秋に開花結実したもので、現在の様子。肥大を始めてすぐにおなじみのレモン形になる。
多くの熱帯果樹は、開花期が秋以降の場合、果実が小さくなったり、不完全になりがちだが、レモンの場合、越冬した幼果実が春以降大きくなり、まともな果実が収穫出来るところがすばらしい。
2005年5月末
2005年7月
株によって枝の伸びが異なるため、実の大きさも差がある。
(1)昨年開花結実した実のその後
(2)肥大をを始めた実
枝の状態は、春枝は硬化している。早い株は夏枝が伸び始めている。それと同時にまたつぼみが膨らんでいる株もある。結実した果実は少しずつ大きくなっている。
今年は、早く開花した花はうまく受精しなかったが、後のものは結実してほっとしています。
2005年8月
元は同じ木から育てたものですが、育ち具合はばらばらでご覧のようにある程度果実が大きいもの、まだ小さいもの等いろいろあります。
株の状態は夏枝の伸びているもの、つぼみを付けているもの、動きのないもの等いろいろです。この春結実した実は日ごと肥大しています。(1)(2)
遅くに開花したものはまだ大豆大です。(3)
2005年9月
今年は私がまじめに管理しているため木の状態は良い。
(1)は昨年開花結実した実の今の様子。収穫しても良い。
(2)は先月大きさを比較した果実の今の様子。少し肥大したため、枝が垂れてきた。枝の状態は、春枝は硬化している。早い株は夏枝が伸び始めている。それと同時にまたつぼみが膨らんでいる株もある。結実した果実は少しずつ大きくなっている。
今年は、早く開花した花はうまく受精しなかったが、後のものは結実してほっとしています。今、木は芽の動きはありません。開花もありません。この秋にもう一度芽が伸び(秋枝)今年の成育を終えます。(3)
先月は摘果を行いました。一枝に二果以上付いているものは一つにしました。(4)は初期の幼虫
2005年10月
(1)だいぶ果実が肥大したため、これ位離れていても実の様子が分かる様になりました。(2)はその果実。
(3)だいぶ気温が下がってきましたが、今開花している株もあります。先月の色づいた果実も昨年の今頃開花したものです。レモンは四季咲きなので特別なことではありません。
(4)今多くの株で秋芽が伸びているところです。当地方では、寒さが本格的になる頃までに葉が展開します。
※アゲハを育てるのではなく、駆除します。
2005年11月
(1)先月よりも更に果実が肥大したため、枝が垂れています。(2)はその果実。葉で隠れていたところは黄色い。
(3)先月と同じ枝の現在の様子です。数個結実が見られますが、最も大きいものを残して他は摘み取ります。
(4)今まで度々取り上げて参りました果実の現在の様子です。今まではうっすらと色づいた程度でしたが、今はレモンイエロー・・・と言うよりは黄色になりました。
(5)現在伸張中の枝もあります。また、つぼみを付けている株もあります。
2005年12月
冬の管理
(1)は今年の春開花結実した木の様子。(3)は左手前が市販のレモン他は収穫した果実。(4)左側は市販のレモン。右側が自家採取のレモン。大きい!!
寒さが厳しさを増してきたため、加温ハウス内へ移動しました。このハウスは日照条件が悪いため、冬期間はただ「生きてるだけ」になってしまいます。日照条件が悪いのに果実を付けていても枯れたり、樹勢が衰えないところがすばらしい。(1)この木はちょっと実を成らせすぎです。(2)まだ芽が伸張中の木もあります。
(3)色づいた果実は収穫しました。写真左手前だけが市販のレモンで他の4つは我が家で収穫したものです。ちなみに市販のレモンは重さが、200gで、写真右手前の大きなものは、270gです。
(4)形は良いとして中身が気になるところですが、ご覧の通り、充実しています。問題の食味はと言うと、よく熱帯果樹を涼しいところで育てると、見かけは良いが、甘さが足りないとか、酸味が多い等聞かれますが、酸味が売りのレモンの場合全然問題ありません。と言うより、極端に酸味が強いと言うことはありません。
市販のレモンとの違いは、非常にみずみずしく、香り高く、それに安全安心です。
今後は果皮を薄くするのが目標です。
2006年1月
12月に入って厳しい冷え込みになり、暖房機の稼働時間が長くなりました。設定温度は0℃です。暖房機の設定が0℃と言うことは、ハウス内温度は氷点下になることもあります。それは、暖房機は設定温度より2~3℃下がってから動き出すためです。
それでもこの品種は低温に耐えるため、全然問題ありません。
春に開花結実した実が色づき始めました。夏場の水やり不足かあまり大きくなりませんでした。(1)(2)(3)
秋に開花したものは小さな果実を確認することが出来ます。(5)また、芽を伸ばしている株もあります。(4)
※管理は2月も同様です。
2006年3月
2013年2月 皮を薄くする栽培の結果報告。
レモン栽培を始めて最初の頃は物珍しさもあって、大きな果実を収穫出来ることに喜びを感じていましたが、それにしても皮が厚すぎると言う問題を抱えていました。
ある日馴染みの園芸店員からもそのことを指摘されて、同時にヒントももらいました。
半信半疑でしたが、今までの管理を見直して、ある作戦を実行しました。それは肥料の変更です。
2012年春から実行してその後、皮が薄くなるのは新たに実った果実からと考え、しばらく様子を見ていましたが、この冬に収穫したものは以前のものより半分以下の厚さにまで薄くすることに成功した。上写真(2)の通りです。2006年3月の写真と比べると良く分かります。
皮の厚さはこれで3~4mmです。
実はこれでもまだ厚い方で、もっと白い部分の少ない果実も収穫出来ています。それは大体温州みかんと同じくらいです。このことから、果皮の厚さは品種の特性によるものよりも、栽培方法による影響の方が大きいです。
※今後、薄い果実が収穫できたらまた掲載します。