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極楽鳥花植物園 Strelitzia Botanical Garden

レモンの実生8年目 このページでは園長による趣味のガーデニングを取り上げています。

レモンの実生8年目 2016年4月24日・・・開花

鉢植え栽培

(1)全体の様子

(2)枝上部

(3)花の様子

(4)徒長枝

このページではレモンの播種から8年目の様子を取り上げています。

解説:(1)毎年鉢を緩めながら育ててきて、この春は24cmポットに植え替えたところです。

樹高は240cm位です。

実生から4年以上経過し、挿し木なら十分開花結実する大きさになっても花も咲かない状態を見て、「桃栗三年柿八年、柚子の何とか十八年」のことわざを思い出した。

いくらなんでも十八年はないでしょう・・・。せめて十七年くらいでなんとかならないかとは思っていましたが、最近の放任栽培が功を奏したかこの春何とか花を咲かせました。

驚かされるのは、その年数だけではなく、花を付けた位置が最も上に伸びた枝だったと言うことです。(2)(3)

更に木の下の方は全く花を付けていないことです。

ただ、その花の様子から結実しそうなことと、成るのがレモンであることは間違いなさそうでその点に関しては満足です。

(4)しかし、枝にはカラタチ並みの棘が出ていることと、開花まで挿し木から育てた場合の2倍時間が掛かっていることから、わざわざ実生で育てる意味があるのか考えなければなりません。

    基本条件
  • 置き場:日当たりの良い場所。
  • 温度条件:夏場は自然条件。冬季間は凍結しない場所。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いた時点で鉢土全体は湿る様に与える。
  • 施肥:生育期間中に3回程度有機質肥料を与える。また、それでも葉の色が薄ければ追肥として液体肥料を与える。
  • 仕立て方:放任。当初は挿し木苗の育ち方を見てそれで良いと思っていましたが、実際には頂芽優勢が強いので、上に伸びる枝は適宜剪定して、枝数を増やした方が良さそうです。
  • 病害虫:病気は特に無し。害虫は気温が上がってからはアゲハ、蛾の幼虫等が心配されるが今のところ被害はない。

2016年6月1日・・・結実

(1)全体の様子

(2)結実

(3)別枝結実

(4)別枝つぼみ

  

結実する。

解説:(1)中央の枝数が多いものが今回開花結実した木です。左側のほとんど細い幹だけに見えるものも同じ時期から実生で育てている木ですが、こちらは開花していません。

(2)は最も上部の枝の開花後です。複数咲いた後、3つ残りました。この状態なら収穫まで行きそうで、実際に大きくなっています。現在の大きさは、乾燥大豆大です。

(3)は(2)よりも下の枝で同じく結実しています。

(4)後から他の枝にもつぼみが出てきましたが、こちらは結実は難しそうです。

現在の管理は日当たりの良い場所へ置いていて、数日に1回の水やりのみです。今後、施肥予定です。今のところ病害虫発生はありません。

2016年6月17日

(1)樹姿

(2)枝先

(3)花の様子

解説:6月に取り上げた株とは別株が開花しました。樹齢は同じです。

この株も6月に取り上げた株と同じで、最も高く伸びた枝に花を咲かせました。

ただ、この木の場合、結実しない花でした。よって、現在結実はありません。

2016年7月4日

樹姿

果実の様子

解説:6月に結実した果実は徐々に大きくなっています。花が終わった時点では3つ結実した様に見えていましたが、そのうち1つは落ちて現在は2果です。

暑さが厳しくなってから果実の肥大が止まっています。それがどう出るかが気がかりです。

現在の管理は、枝が伸び始めてから1回施肥済みです。水やりは2日に1回です。

2016年8月7日

(1)樹姿

(2)花の様子

解説:結実した株の続報です。

(1)枝の伸びの方は旺盛さは無いものの、一時期よりは葉数を増やしています。この写真の右上の緑色に見える塊が果実です。

(2)8月になって花が咲き始めました。結実する可能性のある花も咲かせていますが、結実するかは分かりません。

今回の開花はやはり木の上の方ですが、結実している枝よりは下になります。

現在の管理は、2日に1回の水やりのみです。本当はもう少し肥料を効かせたいところ。

2016年9月27日

樹姿

花と実

解説:(1)果実がやや大きくなったので枝が垂れています。

結実してから不足の無い様に水を与えてきたつもりですが、果実の肥大は停滞気味です。先月肥料を与えたことで葉が濃い緑色になっています。

(2)秋になって再び花を咲かせました。(写真中央)この花は結実するタイプなのでうまく行けばもう一つ実ることになります。

その他、大きな変化はありません。枝の伸びも以前ほど旺盛では無くなっています。

無農薬なので新しい葉にはハモグリバエが付いていいます。

現在の管理は、数日に1回の水やりのみです。夏に追肥を1回与えて葉色を上げています。

 

2016年11月4日

(1)樹姿

(2)開花後の様子

(3)小果実

(4)果実の様子

解説:(1)今年は特にハモグリバエの被害が多くて、夏以降出た葉のほとんどがやられている様な状況です。それでも木を枯らすところまではいかないことが救いです。

(2)9月に咲いていた花は結実した様です。指で触ってもしっかりしているので、今後肥大すると予想されます。

(3)は(2)より前に咲いたもので、現在の大きさはピンポン玉より少し小さいくらいです。

(4)は春に咲いた後、結実したものですが、10月下旬頃から黄変してきました。果実の肥大は夏以降止まっていてどうやらこのまま熟す様です。カボスやすだちではないんだからもう少し大きくなってもらいたいところ。

葉の数は大きく肥大させるには十分ありますが、(4)の果実を大きくすることはありませんでした。

現時点で分かっていることは、四季成りの性質であることです。その他はまだわからないことが多い。性質的には何となく育てにくい様な印象があります。

現在の管理は、数日に1回の水やりのみです。

 

2017年1月16日

(1)樹姿

(2)果実の様子

(3)小果実の様子

(4)中果実の様子

解説:(1)株の状態ですが、成長は止まっています。その他、古い葉の黄変、落葉が始まっています。

挿し木株との違いは、成株になっても棘が出続けていることと、冬季は蕾が成長してきていないことです。

結果枝にも小さな棘があって、、屋外では風で揺さぶられて果実に傷が付くことは間違いありません。このことから、やはり結果にコミットするなら挿し木か接ぎ木苗を育てることがお薦めです。

(2)果実の方は、秋以降黄色っぽくなってきて、現在は全体的にレモンイエローです。つまり食べごろです。今後食味を確認します。ちなみに大きさはスーパーで売られているアメリカ産レモンと大体同じくらいです。

(3)9月に咲いた花の今の様子です。現在の大きさは小指の先くらいです。ここまで来れば、間違いなく肥大します。

(4)これは昨年11月の(3)で大きさはピンポン玉を少し小さくしたくらいです。こちらも黄変してきています。この大きさで収穫しても仕方がないので、これは木に付けておきます。

現在の管理は、ハウス内日向に置いてあって、1~2週間に1回の水やりのみです。

 

2017年7月22日

(1)果実の様子

(2)内部の様子

解説:(1)果実が大きくなることを期待して収穫を遅らせていましたが、7月に入って自然落果したので、回収しました。

大きさは市販レモンよりやや小さいくらいです。

(2)内部の様子は薄皮に仕上がりました。これはこの木の特性ではなく薄皮造りの結果です。

肝心の食味の方は酸味も香りもレモンそのものです。

この実生を振り返ってみて、結果目的ならお勧めではありません。

現時点で分かっていることは、樹勢が強く上に伸びやすいこと。それで芯を止めても側枝が伸びにくく、花数も少なく結果も少ない。その他、開花結実する様になっても棘の発生は無くならなかった。

突然変異で今まで無かった特性が出たとかそう言うこともありません。かえってこの種子を採った親木より劣ったことは明らかです。

以上のことから、種を播いたらどうなるかを確かめたい方以外は市販苗の購入をお勧めします。

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