1,葉先
ここでは主に葉身の有無、形状等について取り上げています。
(1)は非常に細い葉を付けるタイプ。葉の幅は約5mm。長さは5cm位。原種交配実生の中から出てきたもの。この様な中途半端な葉を付ける株はかえって珍しい。現在販売中の極細葉系中間種とは異なる。
(2)~(4)は(1)から葉身を取り除いた様なタイプ。葉の名残が細長く見られる。
(5)は「今月のストレリチア」で掲載中の小葉付き株のもの。これは(1)とは異なり小さなスプーン状に小葉が付いている。この株は葉が小さいが、自生ジャンセア中にはもっと大きな葉を付け、中間種と区別が難しい個体もある。
(6)~(8)は(5)に似るが葉身は無い。名残が人の目の様な形で現れている。(5)~(8)のタイプはたまに見かける。それほど珍しいものではない。
(9)~(11)は葉は完全に無いが、僅かに名残は見られる。
(12)~(13)は葉は完全に無いが名残が極めて細く短く現れる。これらより名残が少ないものもある。
(14)は参考掲載。極細葉系中間種の葉。多くはほとんど葉柄の様な葉を付ける株でその他ある程度の大きさの葉を付ける株もある。そこが(1)とは異なる。余談だが、この花はすばらしい。
※完全に葉の無い個体でも状態で多少葉身が付いたり痕跡の形状が変わったりすることもある。
2,草丈
1,花色
ここでは仏炎苞の色を対象としています。
(1)はレギネーの在来系統と同じ花色。ジャンセアはレギネーから進化したと言われているので同じ様な花の株が当然存在する。花色に関しては魅力に乏しいが、この株は花立ちが良く、花も草丈も大きく立派で見栄えがする。
(2)は(1)の花首と仏炎苞 上部から先端部に薄く赤色を付けた様な色合い。この赤色発色については個体差で濃淡がある。仏炎苞 中央部は緑色。又は緑色の上に薄く紅色~赤色発色が見られる個体もある。
(3)(4)は(2)と同系色で開花前の様子。この発色はジャンセアでは良く見られるもの。花芽が伸びてきて仏炎苞 が顔を出したとき、先端部と花首が紅色~赤色発色が見られるので見分けやすい。よって特別な交配種を除いてジャンセアを購入した場合この様な花を咲かせる可能性が高い。これらは花が小さめ。
(5)は仏炎苞 中央部にやや緑色が残るものの、ほぼ赤色発色。表面には白い粉を薄く吹いている。花首は薄い赤色。ジャンセアは元々レギネーより数が少ないことから仏炎苞の発色の良い個体はあまり見られない。この花はジャンセアとしては良い方。仏炎苞 は太く比較的大きな花。
(6)(7)はほぼ同じ様な花。花首から仏炎苞 上部、及び同先端部にかけて紅色~赤色発色。仏炎苞 中央部はやや緑色がかるが、比較的良い花。花の大きさは中型。
ちなみに(8)は(7)株の発色の悪いときの花。この様に栽培条件で極端に変わることがある。
(9)は仏炎苞 が紫色がかった赤色。表面には白い粉を吹く。ジャンセアとしては非常に良い発色。また、花が大きく見栄えがする。この様な株は多くはない。この程度に花を付けるならジャンセアとしては上物個体と判断して問題無い。ただし、それはあくまでも花色に関してである。
※栽培環境に左右される事もあります。
2,花立ち
年間一条当たりの花芽数
(1)と(2)は番外。1条2本立ち株で株分け、植え替え等により草勢が弱った時には花を休んで、翌年になって昨年分と、今年の分の花を伸ばしたもの。
(3)今のところジャンセアにとって1条2本が最も多花と見ている。それは年間葉の出る数を見れば納得の数字である。葉の無いジャンセアが2本も花を咲かせる事は驚かされる。
(4)生まれ持った性質でそうなのか、1条2本株の草勢が弱まっているのかは判断に時間が掛かる。特別な交配種ではなく、単に「ジャンセア」で購入した場合、この程度花が付けば良しと考える。
(5)ジャンセアは元々花立ちが少ないので、これが悪い株とは言えないものの、外れ株と言えばそうなる。
(6)は育て初めて十数年経つが1回も花を付けた事が無い。理由の一つは調子が悪い。鉢上げにして丁寧に管理を行えば結果が変わるかもしれないが可能性は低い。
※レギネー種同様、優劣の差が大きい。
3,多花性
年間一条当たりの花芽数
レギネー種の中で性質の優れた株は1本の葉に複数の花を付ける株がある。それは葉が大きいので十分理解出来ることではあります。それに対しジャンセアは葉が無いので、1本の花を付ける事でも大変そうなのは、実際に育ててみると良く分かる。しかし、そのジャンセアでも中には花立ちの良い株が存在する。
向かって左側の下葉から数えて3本目(枯れた茎が付いている葉)のが、昨シーズンの花茎。その内側に1本長い花茎が出ていて、その基部左側に先端が赤い色の芽が2本目の花茎。併せて右側の葉からも花芽が出ている。この株分けつしていて全部で5本の花芽が伸びている。
この様なことは今までやってきて初めて目にした。
※参考掲載。毎年ではありません。