トキワレンゲの栽培 2012年1月1日~
鉢植え栽培
このページではトキワレンゲの鉢植え栽培を取り上げています。
この世に良い香りを放つ植物は結構あり、日常生活でも見つけることが出来ます。一般的なものとしてジンチョウゲ、バラ、キンモクセイ等。それらはそれぞれまあ良い香りなのですが、植物の中には特に良い香りを放つものが存在する。その一つとしてトキワレンゲが挙げられます
夏場の気温の高い時期、どこからともなく甘い香りが漂ってきますが、花は目立たないためそれが何の香りか分からないことが多い。運よく見つけられたとしてもそれが何なのか分かる人は少ない。
それはそれほど出回っていない。また、園芸テキストにも載っていない。実態の良く分からない植物です。そこで今回、あまり知られていない、魅力的なトキワレンゲを紹介します。
解説:(1)(2)通信販売で購入した苗から数年育てたものです。以前はもう少し丈が高かったのですが、2~3年前夏に葉焼けを起こしてしまって、ただ単に葉が枯れるだけかと思っていたら、枝まで枯れ込んでしまって一時はどうなることかと心配させたが、その後回復して枝数が増えてきたところです。
(3)この時期は枝先に花芽を確認することが出来ます。このちょっとした突起の様なものが花芽です。モクレン科の植物は一般的に花芽が大きいのですが、この種はこの程度なんです。
2012年3月1日 無事越冬して・・・
2012年5月1日 外に出して・・・
解説:(1)4月になって気温が上昇してきたことから外に出しました。寒さより葉焼けが心配されることから用心深く、最初は明るい日陰に置き、現在はビニールハウスの北側に置いてあります。(ハウス外)
(2)花芽は結局2つだけでしたが、すでに大きくなり始めています。現在の高温傾向が続けば例年より早く咲くかもしれません。
(3)昨冬室内に取り込んだときは気が付かなかったのですが、害虫にやられました。葉が重なっていた所に小さなイモムシがいて、葉を食べていました。無農薬栽培なので仕方がないと言えば仕方がない。
管理面では、置き場所はやや遮光下で直射日光に葉当てていません。まだ肥料は与えていません。芽が伸び始めたら与えます。水やりは表土が乾いたら与えています。雨が降れば掛かっています。
2012年6月1日 生育始まる
解説:最低気温が10℃前後で落ち着いてきたことから、今までより株に動きが感じられるようになってきました。
(2)は最も大きな花芽の様子です。大きさはふやかした大豆大です。
(3)こちらは2番目に大きな花芽です。大きさは乾燥大豆大です。花芽は全部で3つ付いています。
(4)新芽の方も動き出して葉が確認できる様になりました。このタイミングで肥料を与えました。最近は不安定な天気が続いて、午後は自然の雨が掛かって肥効が高まっています。
置き場所は相変わらずビニールハウスの北側ですが、この意味は直射日光が複数のビニールを通過することで、いくらか遮光されるのです。それで日陰より明るく、直射日光より柔らかい丁度良い明るさになっている・・・と見ている。
それで今年は葉焼けを起こしていません。この植物は葉焼けを起こさないことが重要です。
2012年7月1日 つぼみ膨らむ
2012年7月19日 開花始まる。
2012年7月25日
解説:(1)(3)(4)一番花が散ってから約1週間後、二番花が咲き始めました。何故、咲き始めたと分かったのかと言いますと、香りが漂ってきたからです。屋内にいても風に乗って甘い良い香りが感じられたので、もしかして・・・と思って確認して見たらつぼみが割れていました。
一番花は無臭で二番花が良く香った理由は良く分かりません。気温、湿度と私の鼻の問題です。
この香りを言葉で表現するのはなかなか難しくて、色々考えてみました。私のイメージとしては、飲み物で例えるならば、「クリームソーダ」です。炭酸のさわやかさと、乳製品の濃厚さを併せ持った様な香りが合っていると思います。
又は、他の農産物で例えるならば、良く熟したネットメロンが近いかもしれません。
(2)一番問題なことは、香りを考えているうちに花が散ってしまうことです。約2日咲いて、その次の日には散っているから金木犀ほど長く考えている暇が無いと言うのが現実です。
(5)はなんと今年伸びた枝先に花芽が出来ました。この様なことは栽培を始めてから初です。当地方は寒冷地で夏が短いため珍しいということです。尚、花芽はこれ以外にもう一つあるので、熱帯であれば意外な事ではないのかもしれません。
2012年9月1日 秋になって
2012年10月14日
解説:今年は秋の気温が高かったため株の生育が旺盛です。それでこれは来年咲くかな~と思っていた花芽が秋になって咲き始めました。上段の写真5枚は10月6日のもの。
2何れも開花1日目のつぼみが少し割れたくらいの時(2)が最も良く香り、2日目以降、花としての見頃(7)(13)になると香らなくなっています。
(7)以降の5枚は10月11日。(13)は10月14日。
10月中旬以降、最低気温が一桁になっても新芽は伸びていて、我が家の環境に良く慣れてきています。他に気が付いた点としては熱帯系の植物にしては高湿度は必要なさそうです。
現在の管理は土の表面が乾いた時点で水を与えているだけです。肥料は与えていません。自然の雨には当たっています。置き場所は春から変えていません。今後氷点下の冷え込みが予想されるときは室内へ取り込みます。
2012年11月1日 秋は深まって
解説:(1)10月に入って急激に気温が低下しましたが、それほど影響は見られません。(2)は今年8つめの花で10月下旬に咲いて現在は散っています。開花が雨の日であったり気温が下がっていても良い香りは漂っていました。この花は珍しく開花二日目でも香りを漂わせていた。
(3)は今年最後の大きなつぼみです。まだ未開花ですが、鼻を近づけると良い香りがします。このつぼみの開花は時間次第と言ったところです。
(4)(5)新梢は現在も伸びていて、ある程度伸びた枝先には小さな花芽が形成されつつあります。(6)以前に伸びて茎や葉が硬化した枝先にはすでに花芽が確認できます。
現在の管理は土の表面がよく乾いた時点で水を与えています。肥料は与えていません。自然の雨には当たっています。置き場所は春から変えていません。日が傾いたため、日照時間は少なくなっています。今後氷点下の冷え込みが予想されるときは室内へ取り込みます。
2012年12月1日 冬になって
解説:(1)11月中旬頃から氷点下に冷え込む様になったため室内に取り込みました。(5)その後、最後に一つ残っていたつぼみは香りを漂わすことなく開花し、今年の開花は終えました。
(3)今年は秋になっても気温が高い傾向が続いていたことから株の成長は旺盛で新芽の伸びが見られた。しかし、後から出てきた芽に関しては、その後急速に気温が低下した影響で中途半端な状態で動きを止めてしまった。
(4)それより前に伸びた枝先にはすでに来年咲く花芽が形成されている。
(6)枝先から伸びる枝以外に、株元からも芽が伸びてきている。枝数が増えれば開花数も増えることから、これは切らずに様子を見ることにした。
現在の管理は、室内の窓越しの日光が当たる場所において、土の表面が乾いた時点で水を与えています。