唐辛子の栽培 2012年4月1日~
地植え栽培
このページでは唐辛子の播種から定植、収穫までの様子を取り上げています。
私は普段外食をほとんどしない主義ですが、それはお金がかかることや、味付けが塩辛い等好みではなかったり、値段の割に量が少ない、質が低い等、がっかりすることがあるからです。
しかし、毎日作るとなると味付けが単調になりがちです。そこで何か一つ加えるだけで劇的に変化させる味覚として、辛みがあります。一味唐辛子、七味唐辛子や豆板醤、コチュジャン、ゆず胡椒、タバスコ等いろいろあります。
ところがこれらでも値段が高かったり、味付けが塩辛かったりなかなか自分好みとはいかないのが現状です。そこで、それならば原材料を自分自身で作ってしまおうと言うのが、このページの目的です。
今回育てる品種は、辛みの強さでお馴染みの‘鷹の爪’、辛みが弱い‘韓国唐辛子’、それと過去において一時期世界で最も辛いと騒がれていた‘ハバネロ’の三種類です。
今回は、‘鷹の爪’は種子を購入し、‘韓国唐辛子’は自分自身で保有していた種子を播きました。(上写真)唐辛子類は育苗期間が長いため、本当はもう少し早く播かなければならなかったのですが、今からでも十分間に合います。
播種の手順は省略します。それは特別なことは無いからです。主な管理は電熱線で25℃位に加温しています。これで土が乾いてきたら水を与えます。後は発芽して混み合ってくるまでこのままです。
‘ハバネロ’に関しましては、市販の苗を使用することにしました。これは後に掲載します。
2012年5月1日
2012年5月6日 鉢上げ
2012年5月11日 活着する
2012年6月1日 生育進む
解説:(1)気温の上昇も手伝ってだいぶ育ち、市販されているものと変わらない大きさになりました。写真手前が鷹の爪で奥が韓国唐辛子です。ちなみに近くのホームセンターでは鷹の爪の苗一つ70円位でした。
(2)はハバネロです。こちらは購入したものです。入手後しばらくハウスで育ててきたこともあってすでにつぼみが確認出来る様になりました。ちなみにある園芸店では赤いタイプのハバネロ苗が一つ240円位でした。
予定より定植が遅れていますが、唐辛子は大きな問題ではありません。それは高温を好む植物だからです。特にハバネロは早く植えてもほとんど育たずに現状維持状態が続くだけで、人が蒸し暑いと感じる位になってようやく旺盛に育ち始めるからです。
この様な事情で例えば我が家の様にハウスで管理していれば路地より生育が進むので植える時期は遅くなっても株の状態は進んでいるので、結果が早くなると言えます。
2012年6月15日 定植終わる。
解説:季節が進んだことと、苗の根が回ってきたことで小さなポットで管理するには限度を超えて状態に支障が出始めたため、思い切って定植に踏み切った。下葉が黄色っぽいのはそのせいです。
この定植時期は、当地方での一般的な路地栽培の定植時期より1ヶ月遅れになります。
(1)~(6)苗の生育具合は鷹の爪を除いて花が咲き始めています。店で売っているものも大体同じかと思います。
(7)~(9)畑の準備は完熟堆肥を運び入れ散布して、深さ15cm位に耕起しました。堆肥の種類は稲藁や籾殻を主体としたものです。量はかなり多いです。広げたときに土が見えなくなる位です。
その他元肥として石灰や化成肥料等は撒いていません。それはこの場所は以前花を育てていたことからカルシウムや燐が十分残っているからです。それで堆肥のみにしてそれら養分を吸収させようとしています。その後、様子を見て何か養分が不足しているようでしたら、追肥で補います。
(10)~(17)耕起後、大体表面を均したら、苗を等間隔に置く。株間は45cmです。この場所は無加温ハウス内なのでマルチは使用しません。路地ならポリマルチを施した方が良い。
植え方は移植ごてで穴を掘って、苗は鉢から抜いて土を落とさずにそのまま植え穴に置く。その際、極端に深かったり浅かったりしなければ問題無い。その後根鉢の周りに土を寄せて最後に上から押さえて根鉢と土を密着させる。
(16)は韓国唐辛子を植え終わったところ。(17)は全てを終え終わった様子。中央手前2株はハバネロ。この場所は土壌水分が多いので定植後水は与えていません。もし、土が乾き気味ならば1回水を与える。
植えた苗の数は鷹の爪と韓国唐辛子は各27~28本です。ハバネロはオレンジタイプと赤タイプを各2本ずつ。ちなみに収量の目標は例えば韓国唐辛子ならば乾燥して粉唐辛子にしたときの重量が1.2kg~1.5kgです。もし、問題が起こらなければもっと取れるはず。
今後の管理は活着した段階で支柱を立てます。その他は雑草取りです。液体肥料は一切与えません。
(18)定植後は数日葉が垂れたような状態が続きます。しかし、間もなく根が伸び始めてしゃきっとしてきます。
2012年7月1日 活着する。
2012年7月19日 除草、施肥、整枝&支柱立て。
2012年8月1日 結実増える。
解説:(1)先月除草をしたにもかかわらずまだ生えている様に見えるのは、その場に置いておいた雑草が根付いたからです。この後、もう一度根と土を離して、乾燥させなければなりません。
(2)は鷹の爪で、すでに茎頂部には幾つかの実が成っています。この様に直立して実るのが特徴です。本当は下枝は整理します。
(3)(4)は韓国唐辛子で先月の支柱立て後、実を増やしています。この種類は細長い実がぶら下がる様に成るのが特徴です。
(5)(6)はハバネロでこちらも結実が増えています。小さなピーマンをでこぼこさせた様な形が特徴です。
この場所はハウス内ですが、水やりは施肥後1回与えただけです。その他、害虫被害が見られますが、薬剤散布は行っていません。今後も農薬は使わない予定ですが、これで全滅とか大きな被害にはなりません。
2012年9月1日 結実更に増える。
解説:夏は唐辛子にとって心地良い季節で旺盛に育つものですが、当地方、気温が上がってからにわか雨が数回あって土が湿り気味だったことから一時的に生育不良に陥っていました。その後、晴天が続くようになったため、草勢を回復したと言うのが現状です。
(2)(3)鷹の爪は支柱を立てていなかったので強風時に倒れて斜めになっているものが多い。それでも枝先にはお馴染みの唐辛子が実っています。
(4)(5)韓国唐辛子は最近になって良い状態になりました。定植直後に咲いていた花は現在は赤く熟してきています。まだ枝先には花が咲いていて、枝も伸びているので寒くなるまでに予想くらいに収量は期待できると考えています。
(6)(7)ハバネロが最も旺盛に育っています。下枝の実はオレンジ色に変わってきました。そして、この撮影後収穫しました。
このオレンジ色タイプのものは良くできるのですが、赤色タイプのものは風前の灯火です。
(8)他にも調子の悪いものがあって、これは韓国唐辛子でたぶん土壌水分過多でいくらか根腐れを起こしたと思われます。(9)も韓国唐辛子ですが、毛虫が付いていて、食害を受けています。
これらは無農薬栽培なので食害を受けることは珍しいことではありません。今後も薬剤散布は行いませんが、それでも結構収穫は出来ます。安易に農薬は使いません。これが家庭菜園の基本だと考えています。
2012年10月14日 結実更に増える。
解説:(1)夏場の高温、多日照、乾燥の影響で枝の伸びは旺盛でありあせんが、結実の方は勢いづき品種によっては枝が折れるほどです。
(2)(3)鷹の爪の草体はこぢんまりとしていますが枝先にはびっしりと結実しています。こんなに収穫してどうするのかと言った感じです。
(4)(5)韓国唐辛子は成長しながら徐々に結実を増やしている状態です。実が濃い赤色になって皺が入ったら収穫すれば良いのですが、手つかずの状態です。今年も寒くなってから回収する予定です。
(6)(7)ハバネロは9月以降、少ずつ収穫していて酢漬けにしています。この件については後で取り上げます。赤色タイプは調子が悪かったのですが、夏以降回復して今は緑色の実をぶら下げています。
現在の管理は放任です。施肥も薬剤散布も行っていません。収穫もハバネロ以外は行っていません。
2012年11月1日 生育末期。
解説:(1)~(9)気温が低下してきたため、成長は極ゆっくりになっています。鷹の爪と韓国唐辛子は熟した実は収穫していませんが、ハバネロは熟したものを順次収穫して保存しています。それを下記に紹介します。
今後更に気温が低下すると鷹の爪や韓国唐辛子の実は今緑色のものでも色づくものは色づいてだめなものは腐ってしまいます。ハバネロは草体も実もだめになってしまいます。
(8)(9)夏以降立ち直った赤色系ハバネロについては結実までは至ったものの色づくところまでは行きませんでした。
(10)植えたものは全てうまく育ったわけではなく、この様に枯れてしまうものや(11)の様に実の重みで枝が折れてしまうものもあります。ただ、枝折れについては完全に取れてしまわなければ収穫することが出来ます。
ハバネロの保存
解説:(1)は収穫して軽く水洗いしたハバネロです。(2)他に必要なものは酢と保存瓶です。この時は穀物酢を使いました。理由は最も安かったためです。900ml入りを1本買えば900mlの保存瓶2本位に使うことが出来ます。
(3)ハバネロは縦に半分に切って種は取らずに(4)瓶に入れ、(5)酢をとりあえず少なめに入れます。
注意点は収穫時は素手でも大丈夫ですが、切った後、その切り口や包丁、まな板等ハバネロから出た液に触れないことです。その日しばらくひりひり感が続きます。
(6)ハバネロは口一杯まで入れますが、入れられなくなったらすりこ木等を使って押し込むようにします。この後もう一回酢を瓶の高さの7~8分目まで入れて(7)一旦終了です。この写真では酢が足りなくなってしまったので、少ないです。
(8)この後、ハバネロがしんなりするので再び押し込むようにしてハバネロを口元まで入れて、最後に酢を口元まで足して終了です。写真左がぎっしり押し込んだもの。右が今回浸けたもの。まだ隙間が多い。
ポイントはなるべくハバネロをたくさん入れて、酢が多くならないようにすることです。それはあとで辛み調味料として使用する際、料理の味付けを酸っぱくさせないためです。実際に使用するときはミキサーに掛けて液体にします。
保存に関しては常温で問題ありません。1年位置いておくときれいなオレンジ色は褪せてしまいますが、辛み調味料としては変わりません。
1回当たりの使用量は小さじ1/2以下で様子を見ます。特に熱い料理の場合は辛みを強く感じるので要注意です。尚、これの位置づけはタバスコの代替えです。よって、パスタ料理、ピザ、カレー、西洋料理全般が向くと思います。後は好みですが・・・。
2012年12月1日 生育強制終了。
解説:(1)先月から一変しました。それは11月下旬までに4~5回、氷点下に冷え込みに遭って各種茎葉は枯れた状態です。
通常の露地栽培であれば、例えば鷹の爪なら株元で切り取って、雨の掛からないところに逆さに吊して乾燥させますが、無加温ハウス等の雨よけ栽培下ではこのまま置いておけばこの状態で乾燥します。(3)(5)はすでに皺が入って乾燥しているものもあります。
赤く熟している実が腐ってしまうと思いがちですが、そうはなりません。吊して置くのと同じ様になります。そこが都合が良い。その後暇になったときに収穫すれば良い。
(6)ハバネロは特に寒さに弱いので最初に氷点下になった時点で少しでもオレンジ色になったものは収穫して室内で保管してあります。その後上の方法で酢に漬け込みます。