サトウキビの栽培 2010年5月1日~
地植え栽培
このページではサトウキビの地植え栽培の様子を取り上げています。
サトウキビと言うと、昭和の流行歌「さとうきび畑」が頭に浮かびます。最近では旅番組やグルメ番組等でタレントが切り取った茎をかじる姿をよく見かけます。産地が南の方なので暖かくないと育たないと思われていますが、実際には非常に丈夫な植物で、みるみる大きく育ちます。
趣味の栽培では「ざわわ、ざわわ・・・」とまでは行かないまでも、「ざわ」くらいには育ちますので、家庭以外に学校教材としてもお勧めです。下記にその様子を紹介する。
2010年5月16日
2010年6月1日
2010年7月1日 生育進む
2010年7月14日 生育進む
2010年8月1日 生育進む
2010年9月1日 生育進む
2010年10月1日 生育進む
2010年11月1日 生育進む
解説:(1)気温は低下してきていますが、成長は続いています。一番大きなものは3m位には達しています。
(3)(4)今年は害虫の被害が目立ちます。以前にも記載しましたが、トウモロコシに付くアワノメイガだと思います。
あまり育っていない茎はその影響と見られます。それでも感心させられることは、トウモロコシであれば被害がひどくなれば木(草体)そのものが枯れてしまう。しかし、サトウキビはそこまで行かずに耐えていることです。
管理面では涼しくなってからは肥料と水は与えなくなりました。今後は更に冷え込むようになった時点でハウスは締め切って、加温を始めます。
2010年12月1日 生育鈍化
2011年1月1日 生育停滞
2011年2月1日 生育停滞
解説:(1)寒さの影響を受けて葉枯れが目立ちますが、ゆっくり生育は続けていて茎も充実し続けている。(2)中には株元で倒れてしまうものもある。
(3)それで茎の長くなったものをロープで固定してあります。(4)この季節に食べても甘さは期待できないと思いつつ、試しに味見することにした。((2)で倒れていたものです。)
(5)茎の基の方はすでに硬化していて竹の様になっている。それで表皮を剥いた。堅いけれど、カッターでも剥くことが出来る。
(6)は茎の皮を剥いたところで内部の色は白い。肝心の味の方は、予想していたより甘かった。何より茎を咥えて折るときに、「バリバリッ」と言った音と振動は、軟弱なスナック菓子では得られない、脳を刺激するような感覚がある。
そして噛む瞬間、堅い繊維がつぶれる様な食感と同時に甘い汁がじゅわっと染み出す。この感覚は他の植物では味わったことのないものである。
咀嚼の際「甘い」以外に独特の香りが広がるのだが、最初は「懐かしい感じ」なのだが、数秒後「!!」という感じになる。それは、そう、まさに黒砂糖の香りそのものだったからである。
まあ、考えてみれば当然と言えば当然なのだが、生のサトウキビの味は黒砂糖を水で溶かした様な感じなのだ。以上の事を総合的に見て、サトウキビは「楽しい味」と言えます。
生育が旺盛で単年度で収穫できることや、子供は甘いものが好きなこと、砂糖がどのようにして出来るのかを勉強する機会を与える事も含めて、もし、学校等で栽培条件が揃っているならば教材に適していると考えます。
今回は早く収穫したので、それほど甘みは強くありませんが、もう少し置いておけば糖度が増す。
2012年5月1日 春になって
解説:昨年2月以降、現在に至るまで色々実験を行って来たことを報告します。
(1)~(4)まず、冬の間背の高くなった茎をどうするかですが、昨年秋先端部を折ってみました。それでかろうじてハウスの加温範囲に収めたわけですが、何とか越冬しました。
(2)(3)季節が進んだので、その折った茎頂部や各節からは芽が伸び始めています。本当はこの前に収穫したかったのですが、忙しかった訳です。この様な茎は適当に切って今年の苗にすれば間違いなく育ちます。
肝心の食味の方は、茎頂部を折らないでおいた方が甘みが乗ります。それは茎を折った方は葉が徐々に枯れ上がってしまったためと思われます。しかし、春まで置いておいたことで、それなりには甘くなっています。
以上のことから、長く伸びた茎は折らないで斜めに傾けて越冬させれば良いと考えます。ただし、あまり力を加えすぎると株元で折れるので要注意です。
(5)それと寒冷地では良く育たないのではと思われがちですが、その様なことは無く、収穫した茎はずっしりと重く堅く充実している事を伺わせる。ちなみに株元の直径は4cmに及び、かろうじて生きているとは思えない。これは特別な品種ではありません。
2012年6月1日 サトウキビの楽しみ方
2012年6月15日 生育進む
解説:(1)梅雨に入って暑いと感じるほど気温が上昇してきました。これからがサトウキビが最も良く生育する季節です。
水に浸けた茎の節からは笹の様な芽が伸びています。それと同時に根も伸ばしている。
(2)サトウキビは沖縄県やブラジル等、年中暑い地域のものと言った印象が強いので、寒冷地産サトウキビは糖度が低いと思われるかもしれません。しかし、悪くはないと言うことを何とか証明したくて、出来れば糖度計で計れたら良いなと思っていたら、蟻が手っ取り早い演出をしてくれました。
茎を水に浸けておくと端面はカビが生えて黒く変色してしまいますが、ご覧の通り右側の茎は白いままです。
これは蟻がかじり取って巣に運んでいるからです。しかも大きいものと小さいものの2種類も来ています。しかし、良く水に浸けてあるものを見つけたものだと思わせます。虫が知らせたか・・・。
夏場よく砂糖を蟻が運んでいく姿を見かけますが、このことから蟻を引きつけるほどの糖度だということが言えます。ありのーままの ・ ・ ・すがた・・みせるのよ・・・ ?!。
2012年8月1日 生育進む
解説:(1)初夏に水に浸けておいた苗の様子です。葉はススキの様に伸びています。(2)地上部はそれほど大きくはありませんが、根は良く伸びていてこのままいったら発砲スチロールの箱に穴を空けそうな勢いです。
(3)水に漬いていない節からも芽と根は伸びています。
(4)はメダカ飼育の発砲スチロール箱です。こちらの方が大きく育っています。ここへ置いた目的は水中の余分な養分を吸収させることです。
(5)この箱は元々水質が安定しているので、どれほどの養分を吸収したかは分かりませんが、良く育ってることは確かです。それで根の発達も著しく、たまにメダカの卵がくっついていることもあります。