サラアセニアの栽培 2007年5月1日~
鉢植え栽培
このページでは鉢植えサラセニア栽培、実生等を取り上げています。
最近では夏場大きな園芸店やホームセンター等でも売られることが多くなった食虫植物の代表種。手が掛からず、寒さにも強く、虫から養分を吸収し育つ興味深いサラセニアが、種子から育て始めてだいぶ大きくなったため掲載することにしました。
解説:(1)は葉が直立する種類に仮に分類したものです。これらにはレウコフィラ、ミノール、フラバ、アラータ、ルブラ等です。オレオフィラは所有しておりません。多くの株でつぼみが上がりつつあります。
(4)これらも仮に分類したものです。ほとんどがプルプレアで他にプシタシナです。こちらもつぼみを上げているものが多い。(7)これは葉脈がはっきりとしている個体。
葉が傷んでいるのは極低温で越冬させたからです。枯れた葉は切り落としています。また、多くの株はこの春植え替えました。これから葉が伸びればそれぞれの種類らしくなる。
2007年6月1日
解説:5月になり急速につぼみと葉を伸ばしてきた。まだ生育初期のため、種類の特徴を表していない株もある。花を多く付けたため、交配を行おうかとも思ったが、今年は自然に任せることにした。
当地方は年間を通して湿度が低いため、それほど葉が長く伸びない傾向が見られる。
2007年7月1日
全ての種類で新しい葉が伸長、展開したので、それぞれ取り上げてみました。
解説:(1)(2)レウコフィラ。高さ:47cm。葉脈が赤色に浮き出てそれらしくなった。自生地では90センチほどになるようだが、我が家では小さい。他の株に長く伸びているものがあるので、それに期待したい。
(3)(4)フラバ。高さ:53cm。捕虫葉の上に蓋のように張り出した葉が印象的。こちらも1メートル位になるようですが、我が家では小さい。しかし、捕虫葉の口は大きくしっかりとしているので、見栄えは悪くない。
(5)(6)アラータ。高さ:50cm。捕虫葉は細く長い。この種も高さについては同じです。まだ株が充実していないのかもしれない。
(7)(8)ルブラ(品種名「ルブラ」で購入した種子から出た1パターン)本当のルブラでは無いようです。プルプレアとレウコフィラの交雑の様な気がします。高さ:30cm。赤い葉脈はレウコフィラに似るが、捕虫葉は短くずんぐりしている。草勢が良く多くの葉を伸ばしている。
(9)プシタシナ。高さ:8cm。以下のロゼット型種は草丈は低い。栽培年数の割に株が小さいが、それが生まれ持った性質なのか、環境なのか、個体差なのかはっきりとしない。他の株も小さい。
(10)(11)プルプレア。高さ:12cm。この種類は草勢が強く感じる。比較的短期間で多くの葉を展開し他の株と押しくらまんじゅうをしているようだ。捕虫葉の中には多くの蟻が入っていた。(11)他にわらじ虫も良く入る。
2007年8月1日
解説:(1)レウコフィラ。写真以外にも幾つか同種がありますが、草丈はそこそこ伸びるものの、口径はあまり大きくはない。どれも同じようなので、そういう系統なのかもしれない。
(2)フラバ。最初に出た葉の縁がやや枯れている。特に水切れを起こした訳ではありません。この種は口が大きいためいろいろな虫が入り、その葉が腐りやすいがやすいが、今年は今のところ比較的きれいな状態を保っている。
(3)アラータ。この種もレウコフィラと同様に口径が小さいので、すらっと見える。
(4)ルブラ(仮名称)多くの赤色葉が展開したことからまるで花が咲いている様に見える。この株は春大きめの鉢へ植え替えた。(5)以前はクモが入り口に巣を張ったことがありましたが、今度はカマキリです。なかなか着眼点は良い。この大きさならば中に落ちることもない。
(6)ミノール。先月全ての種類を載せたつもりでしたが、これを忘れていました。草丈はあまり高くはありません。また、葉数も多くありません。
(7)プシタシナ。きれいな葉が展開したことからこの種類らしい草姿になった。小型なので、袋の中に虫が入っているかは確認していない。株元に緑色に見えるのは、自然に生えた水苔。
(8)(9)プルプレア。(8)はサニーレタスではありません。手持ちの株の中から生育の良い個体を撮影しました。この株は春に大きめの鉢に植え替えたものです。見事に期待に応えて多くの葉を展開しました。(9)は上から撮ったところ。
2007年9月1日
解説:(1)(2)レウコフィラ。猛暑の影響か生育があまり良くない。かといって下のフラバほど悪くもない。葉の縁が多少変色した程度。
(3)(4)フラバ。この種が最も猛暑の影響を受けた様な気がします。葉の縁が茶色く変色し痛々しい。葉の色も春には黄色っぽい緑色だったのが、褪めた緑色になってしまった。毎年秋になると葉に入った虫が腐ったりして、葉の所々が茶色に変色するのですが、今年も中に獲物が入っていたのでその様になりそうです。
(5)(6)アラータ。この種は直立性種の中では暑さに強かった様な印象です。生育も旺盛で葉の変色も少ない。
(7)(8)プシタシナ。この種は株の直径が12~13cm位です。この種も暑さの影響は受けなかったようだ。(8)捕虫葉の中心に穴が見られるが、中に虫等は確認できなかった。
(9)(10)ルブラ(仮名称)先月から更に赤味が増した。しかしよく見ると葉の縁に茶色の斑点が出ていることから、暑さの影響を受けたように思われます。ただし、他の直立性種よりは株の調子は良い。
(11)(12)プルプレア。この種は猛暑もものともしない様な旺盛な生育を見せている。葉が多く出て押しくらまんじゅう状態です。それに葉の色も変色が見られない。新しい葉も伸び続けている。袋の中にはそれほど虫等は入っていない。
(13)(14)ミノール。ちょっと葉が垂れてしまったが、株の調子は比較的良い。新しい葉も伸びている。この種も葉に入った虫の影響で、葉の途中が枯れたように変色している。
2007年10月1日
解説:(1)(2)レウコフィラ。この種類は秋になって調子を上げてきた。新しい葉を伸ばしている。春に伸ばした葉より口が大きい。
(3)フラバ。この種類は見る影もありません。猛暑の影響か葉の先端部は完全に枯れている。
(4)(5)アラータ。この種類はレウコフィラと同様に秋になって調子を上げています。新しい葉は大きい。
(6)プシタシナ。結局この種類は春からマイペースで、徐々に葉の数を増やしてきました。猛暑も残暑もものともしない強さを感じさせる。
(7)(8)ルブラ(仮名称)この種類は夏が最高潮でした。葉の先端部が枯れているが、それでもフラバほどではない。
(9)(10)プルプレア。この種類は常に上向きで成長していった感じです。春に出た葉はすでに枯れているものもあるが、全体の葉数は非常に多い。もちろん寄せ植えではない。葉の中にはかなり蟻が入っているので、ハウスの周りにおいておけば、蟻退治に有効かもしれない。直接地面に置いておいたら、根が下りてきていたが、それでも直立性種の様に剣葉は出ないため、肥培管理を行えるかもしれない。
(11)ミノール。この種類は秋に調子を戻しました。一時は完全に生育が止まってしまいましたが、気温の低下に合わせるように新しい葉を伸ばした。
2007年11月1日
解説:レウコフィラ。(1)(2)(3)この種類は相変わらず捕虫葉がきれいです。緑色の葉の先端に白色と葉脈の赤色で花が咲いているかのように見えます。秋になって出た葉の方が丈、口径共に大きい。
(4)この種類はなぜか捕虫葉に入るのは蛾が多いです。撮影した朝も小型の蛾がばたばた暴れていました。一度入ってしまうと出られないようです。それで捕虫葉の口元がから内部が灰色に見えます。これで内部に水が入ると腐って、葉の途中から枯れてしまう。
(5)たまには蜂も入りますが、強力な顎で食い破って出て行ってしまいます。
フラバ。(6)(7)この種類は結局回復はしませんでした。夏の暑さでやられたまま冬を迎えそうです。
(8)それでも後になって剣葉(袋状ではない葉)が出てきました。もし、用土に肥料分が多くなってしまった場合は、来年植え替えを考えなければなりません。
アラータ(9)(10)(11)この種類は秋になって調子を取り戻しました。今でも新しい葉が展開中です。それも春より大きな葉が出てきています。
プシタシナ。(12)この種類はずーっとマイペースで特に変わりはありません。秋になっても捕虫葉の中に獲物は確認できませんでした。
ルブラ(仮名称)(13)(14)この種類は徐々に葉が枯れてきています。捕虫葉はレウコフィラに似ていますが、獲物はコガネムシ、蟻等で蛾は1匹も入っていません。レウコフィラには蛾を引き寄せるものがあるのかもしれない。
プルプレア。(15)~(17)葉の伸びはほぼ止まっていて、秋になって葉先の枯れ込みが目立ってきた。(16)春に開花した後放っておいた果実が熟しています。(矢印)ただそれが発芽能力を持っているかは分からない。
(17)捕虫葉の中にはムカデも見られた。これだけ足があれば、出てこられそうですが・・・。ちなみに捕虫葉内部の水は、この植物が分泌したものではなく、水やりで貯まったものです。
ミノール。(18)~(20)この種類はシーズンを通してあまり旺盛な生育を見せなかった。芽数が少ないこともあるが、葉の枚数が少ない。それより株元の水苔が緑を増し、きれいなので載せます。この水苔は、ピートモスから自然に発生したものですからカナダ出身か?!。
2007年12月1日
2008年1月1日
2008年2月1日