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極楽鳥花植物園 Strelitzia Botanical Garden

園長のガーデニング・ピタンガ このページでは園長による趣味のガーデニングを取り上げています。

ピタンガの栽培 2009年3月1日~

鉢植え栽培

(1)樹姿

(2)枝先の様子

ピタンガの栽培 Eugenia uniflora  このページでは鉢植えピタンガの栽培を取り上げています。

そもそもピタンガの栽培を始めた理由は、似た様な熱帯果樹でアセロラがありますが、これは非常に寒さに弱く私に言わせると「意気地が無く」ちょっと寒さに遭わせるとすぐに枯れてしまう。熱帯植物が寒さに弱いことを悪く言うこと自体間違っているかもしれませんが、ここではその議論はしないとして、もう少し楽に栽培できて、収穫できたらなあ・・・と言うのがきっかけです。

ビタミンCの含有率はアセロラほどではないかもしれませんが、寒冷地でも栽培出来るかどうか、以下に紹介する。

解説:数年前から開花、結実する様になりました。今ちょうど紅葉、落葉期に入りました。

毎年前年付けた葉を落としてから開花、成長を始めます。この木は春に開花し、夏までに果実を実らせます。よって、今は果実は見られない。

    基本条件
  • 基礎データ、樹高:170cm、30.5cmポット植え、実生9年生。
  • 性質他:ブラジル原産、フトモモ科、半落葉小高木。スリナムチェリーとも呼ばれる。ビタミンCを含む赤い独特の風味のある小果実を夏から秋にかけて多数付ける。春に落葉、開花した後、生育期間中に椿に似た形の小葉を対生する。
  • 栽培条件:日当たりの良い場所。
  • 置き場所:暖地では年中屋外。その他地域では夏場は屋外、冬期間は室内、又は加温ハウス内で管理。上の株は年中加温ハウス内。
  • 気温:最高気温は自然条件。最低気温は0℃以上が安全。
  • 土:水はけと水持ちの良いもの。上の株は鹿沼土主体で完熟堆肥を1割程度混ぜたもの。
  • 肥料:生育期間中に1~3回有機質肥料を与える。上の株は発酵鶏糞を与えている。
  • 水やり:年間を通して鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与えている。
  • 購入先:通販。価格:中苗から大苗は数千円程度。
  • 花を付けるポイント:花は多くは前年伸びた枝の節から咲かせる。夏場徒長、伸長していた枝には付けにくい。よって、あまり大きすぎない鉢で根の伸びを抑える様にし、枝の伸びが数節で止まって充実させる様にすると良く花を付ける。
  • 開花・結実:2期成り。当ハウスは寒冷地で加温はしますが、凍らせない程度の低温ハウスです。それでも花は3~4月と8月に咲いて、7月と10月の2回収穫になります。それ以外でも少数開花、結実する場合もあります。

2009年4月1日

(1)樹姿

(2)枝先

(3)つぼみ

(4)花

解説:(1)(2)先月から一気に落葉が進んだ。そのタイミングで混み合った枝、株元のひこばえ等を剪定した。つぼみが膨らみ、開花も見られるようになった。(3)(4)尚、人工交配は行っていない。この後芽が伸び始める。

    今月の管理
  • 状態:生育期、開花期。
  • 置き場:暖地では屋外、それ以外の地域では室内、又は加温ハウス内。
  • 気温:最高気温は自然条件。最低気温は0℃以上。
  • 肥料:今月から芽の動きを見て有機質肥料を与える。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。上の株は週に1回位与えている。
  • 病害虫:特に無し。

2009年5月1日

(1)樹姿

(2)花後

解説:(1)日本の落葉樹とは逆で春に落葉し枝だけになったのもつかの間。新しい芽が伸び始めていくらか葉が展開してきた。花は一気には咲かず、ぽつりぽつりと咲いている。

ピタンガはこの開花期が重要で、土を乾かしてしまうと着果しない。いろいろと忙しい時期に水切れさせないと言うことは結構大変だったりする。

(2)の矢印は花の跡。うまくいけば果実の肥大が始まる。

    今月の管理
  • 状態:生育期、開花期。
  • 置き場:屋外、ハウス内日向。
  • 気温:最高気温は自然条件。最低気温は0℃以上。
  • 肥料:今月から(生育を始めたら)有機質肥料を与える。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。開花期に水切れにさせると、着果しないことがある。上の株は週に2回位与えている。
  • 病害虫:特に無し。

2009年6月1日

(1)樹姿

(2)芽先

(3)花後

解説:(1)(2)花は終わりました。本来は新芽が勢いよく伸びるものですが、ちょっと根詰まり気味と肥料切れで樹勢が弱い。(3)それでも受精したものは果実が少しずつ大きくなっている。

    今月の管理
  • 状態:生育期、開花期、果実肥大期。
  • 置き場:屋外、ハウス内日向。
  • 気温:夏場は自然条件。
  • 肥料:5月に醗酵鶏糞を与えた。量は30.5cmポットに一握り位。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。開花期に水切れにさせると、着果しないことがある。上の株は2日に1回位与えている。
  • 病害虫:アブラムシ。

2009年7月1日

(1)樹姿

(2)枝先

(3)果実

(4)果実と種子

(5)種子と小苗

解説:(1)(2)幼果は薄い緑色で徐々に肥大している。

(3)は別の木で果実は赤く熟した。大きさはサクランボ位。食味は甘い。また独特の風味がある。尚、十分熟していない果実は酸味が強い。目安は果皮が濃い赤色になること。他には完熟すると木から落ちることから、つまんだとき簡単に取れるまで収穫しない様にすると良い。

完熟果は果皮が非常に柔らかくとても輸送には耐えられないことから、趣味栽培に適している。

ビタミンC源としてはアセロラが注目されているが、ピタンガは耐寒性があるので、どちらかと言えばこちらの方が育てやすい。

(4)果実の中には乾燥大豆粒大の種子が1~2ヶ入っている。(5)この種子を播いて1年育てれば写真のような小苗が得られる。その後3~4年育てれば結実するようになる。

    今月の管理
  • 状態:生育期、果実肥大期、収穫期。
  • 置き場:屋外、ハウス内日向。
  • 気温:夏場は自然条件。
  • 肥料:今月醗酵鶏糞を与える予定。量は30.5cmポットに一握り位。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。上の株は2日に1回位与えている。
  • 病害虫:アブラムシ。大発生にはならない。よって薬剤散布は行っていない。

2012年7月1日 参考

(1)結実

(2)結実

(3)完熟果

解説:(1)(2)今年は当たり年というか、管理が適切だったのかたくさん結実しました。今のところ空梅雨気味の影響もあって、6月末になって一気に色づきました。

(3)完熟果は単に赤色より濃い赤色になる。こうなると指でつまんだだけで果汁が飛び出すこともある。食味は酸味が無くなって甘みを強く感じるようになる。

木によってなのか、その年によってなのか、色が濃くても酸味が残っていたり、逆に色が濃くなくても甘みが強いものもあり、今後の検証が必要です。

2009年8月1日

(1)樹姿

(2)枝先

(3)株元

解説:(1)(2)先月中に果実は全て熟し、収穫しました。夏場に収穫するので食味は良い。

(3)気温が高いと生育も旺盛になるが、ピタンガは株元からひこばえがよく出てくるので、これは切り落とす。

その他、根が回っているので、これから植え替えの予定。

    今月の管理  
  • 状態:生育期。
  • 置き場:屋外、ハウス内日向。
  • 気温:夏場は自然条件。
  • 肥料:与えない。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。上の株は2日に1回位与えている。
  • 病害虫:アブラムシ。大発生にはならない。よって薬剤散布は行っていない。

2009年9月1日

(1)樹姿

(2)枝先

(3)株元

(4)実生苗

解説:(1)実は先月植え替えました。30.5cmポットから36cmポットへ。

(2)芽は伸びている。新しい葉は茶褐色。(3)ひこばえは切り落としています。

(4)7月に収穫した実の種子を播いた物。発芽が多く見られるようになった。

    今月の管理
  • 状態:生育期。
  • 置き場:屋外、ハウス内日向。
  • 気温:夏場は自然条件。
  • 肥料:今月醗酵鶏糞を与える予定。量は36cmポットに一握り位。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。上の株は2日に1回位与えている。
  • 病害虫:アブラムシ。大発生にはならない。よって薬剤散布は行っていない。

2009年10月1日

(1)樹姿

(2)枝先

(3)実生苗

(4)秋の結実

(5)結果の様子

(6)同別枝

解説:(1)(2)先月から全体的に大きな変化はありません。芽を伸ばしている枝と、生育が止まっている枝がある。9月に開花してその後熟す場合もあるが、今年は着果しなかった。

(3)実生苗には先月1回醗酵鶏糞を少量与えた。それで、生育が良くなった。

(4)~(6)は2014年10月14日撮影。夏に花が咲いてその後結実した様子です。この木はこれで二期成りと言うことになります。この時期の果実は初夏収穫のものより大きく、甘みも強く感じられます。正確には「酸味がよく抜けている。」です。

現在まだ青い果実もあるので、しばらく楽しめそうです。真面目に管理を行っていれば、写真より多く結実することは間違いありません。

    今月の管理
  • 状態:生育期。
  • 置き場:屋外、ハウス内日向。
  • 気温:夏場は自然条件。
  • 肥料:与えない。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。上の株は2~3日に1回位与えている。
  • 病害虫:先月から引き続きアブラムシ。大発生にはならない。よって薬剤散布は行っていない。

2009年11月1日

(1)樹姿

(2)枝先

(3)果実の様子

(4)根元

(5)実生苗

(6)小苗

解説:(1)(2)気温が低下してきたことから芽の伸びはほぼ止まっている。(3)それでも中には後で咲いた花が着果して大きくなってきている。この果実の収穫はもう少し先。

  

(4)根元にはひこばえが多く発生している。これらは全て切り落とす。

  

(5)実生苗は順調に育っている。(6)は2年苗で枝数が多くなっている。

    今月の管理
  • 状態:緩い生育期。
  • 置き場:屋外、ハウス内日向。寒冷地では屋内。
  • 気温:氷点下の気温には遭わせない。
  • 肥料:与えない。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。上の株は週に1~2回位与えている。
  • 病害虫:アブラムシ、カイガラムシ等。

2009年12月1日

(1)樹姿

(2)枝先

(3)果実の様子

(4)根元

(5)実生苗

解説:(1)(2)枝の伸びはほとんど止まっています。(3)果実はだいぶ大きくなった。寒さが本格化する前に熟すかどうか・・・。

(4)株元のひこばえは伸びています。本当はすぐに切り落とします。

(5)やや水切れで葉が傷んだ苗もありますが、生育には問題ない程度。気温が下がった割には良く育っている。

    今月の管理
  • 状態:緩い生育期。
  • 置き場:屋外、ハウス内日向。寒冷地では屋内。
  • 気温:氷点下の気温には遭わせない。
  • 肥料:与えない。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。上の株は週に1回位与えている。
  • 病害虫:特になし。

2010年1月1日

(1)樹姿

(2)枝先

(3)果実の様子

(4)実生苗

解説:(1)枝の伸びは止まっています。(2)それでも新たにつぼみが顔を覗かせた。(写真中央の白い粒)

(3)果実は大きくなり後は色付けば収穫できる。

(4)実生苗は寒さをものともせずに育っている。

    今月の管理
  • 状態:緩い生育休止期.。果実肥大期、開花期。
  • 置き場:暖地では屋外、その他地域では屋内窓辺、又はハウス内。
  • 気温:氷点下の気温には遭わせない。あまりぎりぎりを狙いすぎると、葉を落とすだけでなく、枝まで枯れてしまうことがある。
  • 肥料:与えない。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。上の株は2週間に1回位与えている。
  • 病害虫:特になし。
  •   

2010年2月1日

(1)樹姿

(2)枝先

(3)果実の様子

(4)実生苗

解説:(1)(2)低温で芽の動きは無くなりました。

(3)それでも果実は色付いてきました。冬なので、味は期待できません。

(4)やや葉が落ちているが、それは土の乾燥のため。枯れてはいない。

    今月の管理
  • 状態:生育休止期.。果実肥大期、開花期。
  • 置き場:暖地では屋外、その他地域では屋内窓辺、又はハウス内。
  • 気温:氷点下の気温には遭わせない。
  • 肥料:与えない。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。上の株は2週間に1回位与えている。
  • 病害虫:特になし。

2010年3月1日

(1)樹姿

(2)つぼみ

(3)同左

(4)実生苗

解説:(1)葉は紅葉し少しずつ落葉している。(2)(3)それと同時につぼみが膨らみ始めている。開花は近い。

(4)実生苗も葉が落ちている。今後、一株ずつ鉢上げして育てる。

先月色付いた果実はすでに私のおなかに収納済み。食味はまあまあでした。

    今月の管理
  • 状態:生育休止期.。果実肥大期、開花期。
  • 置き場:暖地では屋外、その他地域では屋内窓辺、又はハウス内。
  • 気温:氷点下の気温には遭わせない。
  • 肥料:与えない。
  • 水やり:鉢土の表面が乾いたら鉢土全体が湿る様に与える。上の株は1~2週間に1回位与えている。
  • 病害虫:特になし。

2011年2月26日

実生苗の様子

解説:上の実生苗を1年育ててだいぶ大きくなりました。写真左が上の苗で、右側はそれらより1年大きな苗です。何れも紅葉して一部落葉も始まっています。

それぞれ今後植え替えて枝の充実を図ります。

今は土が乾いたときに水を与えているだけですが、今後旺盛に育つようになったときには施肥となります。

2011年8月1日 枝数が増えて・・・

苗の様子

解説:この苗は実生3年目です。春に一回り大きな鉢へ植え替えてあります。

樹高は低いものの枝数が増えて盆栽の様な樹姿になりました。しばらくは木を大きく育てるため、剪定は特に行っていません。

施肥は芽が伸び始めてから1~2回行っています。今後育ち具合を見ながらもう1~2回与える予定です。

水やりは鉢土表面が乾いた時点で与えています。

2012年4月1日 春になって・・・

苗の様子

解説:これで4年目になります。

3月から紅葉、落葉が始まり現在はご覧の通りです。枝数は多くなっていますが、花を付けるかどうか・・・。

今後は植え替えて生育を促します。

2012年8月1日 夏になって・・・

苗の様子

解説:生育期間に入ってから土の乾きが管理の限界を超えたため、一回り大きな鉢へ植え替えました。それでも晴天と高温が続いているため土の乾きは早くなっています。

発芽から一度も剪定は行っていません。枝の伸びが上ではなく横方向へ広がっていることが気がかりです。

枝が良く伸びているため1ヶ月おきに肥料を与えています。水やりは2~3日に1回です。

2012年11月1日 生育期を終えて・・・

苗の様子

解説:現在18cmポット植えで、樹高は40~50cmまで育っています。何故か上より横へ枝を広げています。尚、剪定は行っていません。

ピタンガはカリッサの様に四季成りではなく、基本的に一季勝負なのでこの大きさで開花に至るかどうかが気がかりです。気温が下がった現在でも伸びている枝があります。

来春には二回り大きな鉢へ植え替えてより大きく育ってもらいます。

現在の管理は、土の表面が完全に乾いた時点で水を与えています。

2014年3月16日 6年目

(1)苗の様子

(2)つぼみ

(3)同別枝

(4)同別角度

解説:(1)冬の間にすっかり葉を落として寂しい感じになっていましたが、気温の上昇で動き始めました。

(2)~(4)注意深く見てみると小さなつぼみを付けた枝が見られます。このつぼみの大きさはマッチの頭より少し小さいくらいです。

親株の中にはすでに開花しているものもあります。この時期開花したものは初花以降、収穫になります。

樹高は60cm、枝の横方向への広がりは80cmくらいです。仕立て方は放任で剪定した記憶がありません。

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