水やりを控えると耐寒性は増すのか
水やりの多少による耐寒性を考える。
よく園芸テキストで観葉植物を越冬させるための管理で、水やりを控えめにすると耐寒性が増すと記載してある。それ、真に受けていますか?このページではそれを検証しています。
写真は大型観葉植物として一般的なモンステラの挿し木苗です。
昨年の初夏頃、茎を切って9cmポットにピートモスを入れ挿しておいたものです。現在はほとんどの株が根を伸ばし、早い株は葉を数枚展開しています。
冬期間の主な管理は次の通りです。
置き場所は最低気温が0℃くらいの加温ハウス内で、鉢土が乾いてきたら水を与えています。その際、まだ湿っている鉢にも水が掛かることがあります。
つまり用土がピートモスなので常に湿っていて、乾かし気味の管理は行なっていません。と言いますか、実際には出来ません。
それで株の状態はどうかと言いますと、健全です。もちろん根腐れもありません。
以上のことから、モンステラは冬季0℃以上の場所に置いておけば、土が湿っていようが、いまいが寒さの害は受けないことが分かります。つまり、耐寒性に変化はありません。
よって、冬期間水やりを控えることは絶対条件ではないと言えます。土の表面が乾いた時点で与えれば良い。ただ、冬期間は土が乾きにくいので、水やり間隔は長くなります。
中途半端に乾いた状態で水を与え続けると、根腐れを起こし易い。しかし、これは水やり過多による根腐れであって、耐寒性とは関係無い。
尚、冬でも与える時は鉢土全体が湿る様に与えて問題無い。
ちなみにモンステラは氷点下になると葉に凍害を受ける様になりますので、そうならない様にしなければなりません。それは耐寒性がどうかではなく、この植物の限界と言うことです。
※過去数十年に渡る園芸経験を元に記載しています。