モウセンゴケの鉢植え栽培
2014年4月6日~
このページではモウセンゴケの苗から、成株になるまでの栽培を取り上げる予定です。モウセンゴケと言えば我が国にも自生する鳥もち式の食虫植物です。一部種類では虫が留まった際、葉を丸める等、動きを観察出来る興味深い植物です。ただあまり出回らないことから馴染みの薄い植物とも言えます。そこで今後主な種類の形態や生態をご紹介します。
解説:写真は通販で購入した各種モウセンゴケです。今後もう少し種類を増やす予定です。
今の捕虫葉の大きさはまだ小さく、ショウジョウバエを何とか捕らえられるかどうか位です。(4)(6)は除く。
現在、気温が低いため室内窓辺に置いていて、今後気温が上がってきたら置き場所を移動するつもりです。今の管理は、数日に1回水を与えています。
2014年4月27日 捕虫始まる。
2014年5月3日
解説:購入直後は貧弱でどうなるか心配させましたが、徐々に状態は良くなっています。
(1)は葉数が増えてつぼみが上がってきています。(2)(3)も葉数が増えてきています。
(4)(5)最も顕著なのがアフリカナガバでだいぶ小バエや小昆虫を捕らえています。(6)最近花茎を伸ばし始めました。
(7)アオイトバにはアブラムシが付いて悩ませるところです。何とか足を滑らせてくれれば養分になるものの、今の位置では逆に養分を吸われていて、この数では農薬を使う程でも無く・・・。
(8)ヨツマタは葉焼けを起こし、現在回復途中です。薄日に慣らしたつもりでしたが、この種類だけやられました。
現在の管理は、無加温ハウス内日向に置いていて、数日に1回水を与えています。
2014年6月1日
解説:先月から種類を増やしました。それは(4)トウカイモウセンゴケ、(10)ハミルトニイ、(11)ナガエノモウセンゴケ、(12)マダガスカリエンシスです。
先月、急に気温が上がった際、ハウスの換気が不十分だった影響で(3)モウセンゴケと(9)ヨツマタモウセンゴケは葉焼けを起こし瀕死の重傷です。その後、半日陰の涼しい環境に移して様子を見ています。
以外だったのは、同じ場所に置いていた(1)コモウセンゴケ、(5)ナガバノモウセンゴケ、(6)アフリカナガバモウセンゴケ、(8)アオイトバモウセンゴケはものともしなかったことです。
(6)その中でアフリカナガバは花を咲かせています。(1)コモウセンゴケも間もなく開花します。(2)は後に咲いた様子です。(8)アオイトバは葉数が増えて粘液が白っぽく確認出来る様になってきました。(5)ナガバノも大きくはありませんが、調子は良さそうです。
このところ、日中は夏日になることから、後から購入したものは、半日陰で様子を見ています。
現在の管理は、無加温ハウス内日向に置いていて、数日に1回水を与えています。葉に付いている虫は自然に付着したものです。
2014年7月1日
解説:調子の良いものと悪いものとに分かれています。(3)(9)は最初につまずいて、後に回復しそうになったときに再び葉焼けを起こしたため、草勢を著しく悪くしています。まだ、完全に枯死ではありません。
その他は順調です。(1)コモウセンゴケはだいぶ開花が進んでいます。(2)は別産地のコモウセンゴケでピンク色の花が咲き始めました。
(4)(5)トウカイモウセンゴケはピンク色の花が開花中(6)ナガバノモウセンゴケは水やりで土が減ったため、増し土を行って芽が埋もれた様になっています。(7)アフリカナガバモウセンゴケは先月から引き続き開花中。
(8)アオイトバモウセンゴケはゼンマイの様に葉を伸ばし上から下まで粘液がよく出ています。主に蚊や小バエ等小昆虫が付着している。
(10)ハミルトニイは粘液はそれほど確認出来ませんが、調子は良さそうです。
(11)ナガエノモウセンゴケ、及び(12)マダガスカリエンシスは常に小昆虫が付着しているので、きれいに展開した葉が無い。
現在の管理は無加温ハウス内日向に、受け皿を置いてそこに置いてあります。水やりは数日に1回、与えています。意図的に腰水にはしていません。
また、当地方は年間通して湿度が低い方ですが、ミスト装置等湿度を高めることは行っていません。
気温が上がって生物の活動期になったことから、捕虫葉には常に何らかの虫が付いています。
2014年8月3日
解説:(1)(2)両株共に開花はだいぶ進み最初に咲いた花の種子が実ってきたところです。草体は小さいものの春からずっと調子が良いです。
(3)先月まで掲載していた株はやはり枯れてしまったので、別株を掲載します。この株は調子が良く、各葉には粘液も良く分泌している。
(4)この株も調子が良い。粘液も良く分泌している割に捕虫は意外に少ない。
(5)こちらは途中まで調子が良かったものの、気温が上がってから葉焼けの影響で調子を崩し、今も回復していない。
(6)花を咲かせた後も良い状態を保っています。先に咲いた花は種子を実らせています。
(7)(8)この株も調子が良い。次から次へと葉が出てきている。葉についている黒い点が捕らえた虫です。
(9)この株もモウセンゴケと同じ様に枯れてしまうかと思っていましたが、最近葉が出てきました。
(10)この株も調子が良い方。粘液が出ている時もありますが、捕虫は少ない。
(11)この株も(6)と同じ位調子が良い。
(12)この株も調子が良い方。
総合的には調子の良い株は何もしなくても良くて、調子を崩してしまった株は、何をやってもだめと言った感じです。
現在の管理は無加温ハウス内日向に、受け皿を置いてそこに置いてあります。梅雨が明けてからは腰水にしました。水やりはその腰水が無くなったら与えています。
2014年8月24日 四方山話
食虫植物だから、害虫の被害は心配無いということは無く、以前大事にしていたサラセニア・プルプレアをそれで枯らした経験があります。調子が良いときほど害虫にとっても魅力的で狙われやすいと言うことはあるかもしれません。
我が家のモウセンゴケも夏になってから良い状態になったので、害虫被害が無いか、注意深く観察する毎日で、何とか冬までうまく行ってくれたらなあと思っていました。
その様な中、心強い番人が現れてくれました。だいぶ大きくなったカマキリの幼虫です。後ろ足は、マダガスカリエンシスの捕虫葉に乗っています。
さすがにこの大きさになると、粘液などものともせずに見張っています。それどころか後ろ足のグリップが良くなったかの如き。これで狩の成功率は高まったはずです。
一つ問題なことは、モウセンゴケに付着するであろう虫まで捕らえてしまうことです。カマキリは居る方が良いのか、居ない方が良いのか・・・。
2014年9月1日
解説:(1)~(4)春に栽培を始めた頃はこれで大丈夫かとか、開花まで何年も掛かると思わせましたが、今は食虫植物のテキストに載っている様な草姿になり一安心です。
(5)ナガバノモウセンゴケはなかなか回復していませんが、周囲には実生苗が出てきて、この株がだめになってしまっても、絶えることはなさそうで、ほっとしています。
(6)アフリカナガバは全ての花は終わっていて、種子を断続的に収穫しています。
(7)アオイトバは相変わらず良い状態を維持しています。捕らえられる虫は大きくてもショウジョウバエ未満と言ったところ。調子が良いだけにもう少し働いてもらいらい。
(8)は先月残った根から新芽が伸び始めましたが、それも今一、今年限りと言ったところ。
(9)ハミルトニイは成長の盛りは過ぎた感があります。
(10)(11)ナガエノは8月末から開花が始まりました。寒くなるまでに種子が採れるかどうか・・・。
(12)マダガスは花芽が伸長中で、こちらも種子が採れるかどうか・・・。
現在の管理は無加温ハウス内日向に、受け皿を置いてそこに置いてあります。梅雨が明けてからは腰水にしました。水やりはその腰水が無くなったら与えています。
2014年10月14日
解説:当地方気温が下がり、日も傾いてとても植物が良く育つ条件とは思えない割りに元気なものが多い。
(1)(2)コモウセンゴケは相変わらず。(3)モウセンゴケは今月に入って一回6℃台の冷え込みに遭ってから葉が急速に変色して現在はご覧の通り。
(4)トウカイモウセンゴケは写真に撮ってから葉が変色していることに気が付いた。株そのものが枯れてはいないと思います。
(5)ナガバノモウセンゴケは冬至芽を作ったかどうかはっきりしませんが、周囲に実生苗が育ってきて、こちらはいたって元気そのものです。後は、これはナガバノ・・・であることを祈っています。
(6)アフリカナガバ・・・は再び花を付けています。それは夏に咲いたときより色が濃く見栄えがします。(7)中央の枯葉の様に見えるのは小型の蛾です。今期一番の獲物を捕らえています。これで必要な養分を吸収できるかどうか・・・。
(8)(9)アオイトバ・・・は葉の伸びはほぼ止まっています。株元には冬至芽が形成されていていつ寒さが来ても大丈夫そうです。
(10)ハミルトニイはここへ来て再び葉が伸び始めました。寒くなる前に展開できるかどうか。
(11)ナガエノ・・・は捕虫葉がほぼ枯れていますが、株そのものは大丈夫そうです。
(12)マダガスカル・・・は現在開花中です。花茎が長いので写真に納まりません。気温が下がっても元気そうです。
現在の管理は無加温ハウス内日向に、受け皿を置いてそこに置いてあります。水やりは腰水が無くなったら与えています。
2016年5月9日
解説:栽培を始めてからこれまでに、モウセンゴケ、ナガバノモウセンゴケ、アオイトバモウセンゴケ、ハミルトニー、マダガスカリエンシス、ヨツマタモウセンゴケは枯死したため、モウセンゴケ、アオイトバモウセンゴケ、ヨツマタモウセンゴケとピグミーモウセンゴケ(8)を購入しました。
枯死の主な理由は夏場の直射日光で葉焼けを起こしたことです。夏場は乗り切ったものの、冬季カビが生えて腐ったものは、アオイトバモウセンゴケ、ナガエノモウセンゴケ等です。
(4)(5)最も丈夫さを感じるのは、アフリカナガバモウセンゴケです。これもわずか腐らせたものもありましたが、多くは無事越冬しています。春になって、最初に良い状態になったのもこの種類です。
日本のもので丈夫そうなのが(3)トウカイモウセンゴケと(1)コモウセンゴケです。(1)は元株ではなく、根から出たか、実生のものです。
それにしても元々日本に自生していて、水も十分あるにもかかわらず直射日光でやられてしまうとは、運良く日陰に生えた株しか生き残れないのではないかと思わせます。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、毎日気が付いたときに水を与えています。
2016年6月2日
解説:(1)名は体を現すと言う通り、小さいです。今年は花を咲かせそうにありません。それでも枯れなければ良しとします。
(2)モウセンゴケは昨年、梅雨の晴れ間の強光で葉焼けを起しその後枯死させた反省から今年は寒令紗で遮光をするつもりでしたが、アフリカナガバが茂ってきてちょうどその役割を果たしていますl。
だいぶ葉が展開してきましたが、まだ本調子ではない感じがします。今後に期待!。
(3)トウカイは花芽が上がってピンク色の花弁が見えています。株の調子も良く、これなら植え替えるときにもう少し離して植えれば良かったと思わせます。
(4)アフリカナガバは手持ちの中で最も調子が良く特別なことをしなくてもご覧の通りです。花芽も上がっていますが、開花はもう少し先になりそうです。
(5)今年は初夏に発生した小昆虫が多く付着しています。必死で逃れようとしている姿を見ていると哀れな感じがします。
(6)アオイトバは今年購入したものですが、徐々に葉が増えて花芽も上がっています。もちろん虫も付着していますが、以前の時より成長がゆっくりな感じがしています。
(7)ヨツマタは葉が展開すると倒れて、また葉が出ると倒れての繰り返しです。花芽が上がっていて間もなく開花しそうです。
(8)ピグミーは最初どうなるかと思いましたが、結構良く育っています。これなら苦労して普通のモウセンゴケにこだわらなくても・・・と言った感じがします。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、毎日1~2回上から水を与えています。腰水ではありません。
2016年7月16日
解説:全体的に我が家の気候にも慣れて良い状態を保っています。
(1)コモウセンゴケは先月植え替えたので伸び伸び育っています。こんなに良く育つなら、もう少し間隔を空けて植えれば良かったです。現在は花を咲かせています。
(2)モウセンゴケは葉焼け対策でアフリカナガバの葉で覆っています。昨年は葉焼けで枯らしましたが、今年は良い状態を保っています。写真中央とその下の2鉢がそれです。
(3)トウカイモウセンゴケも植え替えたんですが、もう少し間隔を広く取って植えればよかったです。それでも現在開花中です。
(4)アフリカナガバは6月頃から花を咲かせています。一つの花は大したことありませんが、まとまって咲いていると結構きれいかもしれません。
(5)ナガエは実生からここまで復活しました。少し前に針の先くらいの実生苗を今の鉢へ植え替えました。とりあえず良く育っています。
(6)ハミルトニーは一時期絶滅の危機に陥りましたが、春に植え替えてから徐々に回復してきました。まだ成株には程遠い感じですが、状態は良い。
その他、ヨツマタとアオイトバ、ピグミーは特別なことは無かったので省略しました。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、毎日1回上から水を与えています。腰水ではありません。