鉢植え栽培
このページではハエトリグサの苗から、成株になるまでの栽培を取り上げる予定です。
ハエトリグサはハエトリソウやハエジゴクとも呼ばれ、食虫植物に縁の無い人でも一度は見たことがある植物ではないでしょうか。
葉の形や動きが食虫植物の中で最も食虫のイメージに近い。最近では夏場ホームセンター、デパートの屋上、園芸店で売られることも多い。
しかし、良い状態で育てるとなると難しい面もある。どのような植物なのか下記に紹介する。
2007年5月1日~
解説:(1)は通販で購入した‘ビッグマウス’と言う品種。捕虫葉が大きくなるとのこと。
私は今までビッグマウスな人は幾人も見てきて、中身、又は結果が伴わなった印象が強いので、どの様な結果になるかに注目している。 鉢は6cmポットに、水苔植えになっていて、今年はこのまま育てても良さそうである。
今の捕虫葉の大きさはまだ小さく、小蠅を何とか捕らえられるかどうか位です。
(2)~(5)は一般種。購入した時点ですでに花芽が伸びていた。捕虫葉も(1)より大きく、文字通り銀蠅でも捕らえられそうである。
現在、気温が低いため室内窓辺に置いていて、今後気温が上がってきたら置き場所を移動するつもりです。
今の管理は、数日に1回水を与えています。
2014年5月3日
解説:まだ環境に慣れていないのか、気温が低いからなのか、先月から大きな変化はありません。それでも悪い方向へは向かっていない印象です。
(1)ビッグマウスは相変わらずスモールマウス状態です。ただ、ゆっくりではありますが、育ってはいます。
(2)それに対し一般種は赤く大きな捕虫葉が印象的です。これだけ大きければ、はえ、とりそう・・・?!な感じがします。
(3)捕虫葉の内部には片側に3本の毛が生えていて、2回接触刺激で閉じると言われています。
(4)捕虫後は葉は閉じて、後にぴたっとくっつく様になり、獲物を消化します。
(5)つぼみは大きな変化は見られません。
現在の管理は、無加温ハウス内日向に置いていて、数日に1回水を与えています。
2014年6月1日
2014年7月1日
解説:(1)写真右の捕虫葉内側が赤っぽいものがビッグマウスで、その他2株は一般種です。
ビッグマウスを購入した直後は、「口ほどでも無い。」と思っていましたが、ここへ来て一般種を上回る捕虫葉を展開しました。今後、どの程度まで大きくなるか、注目しています。
(2)現在一般種の開花は終わっています。先月開花してその都度交配していてうまく種子が実っているか気がかりです。
現在の管理は、無加温ハウス内日向に受け皿を置いて、そこにモウセンゴケと一緒に置いています。(写真の通り)
モウセンゴケは粘液の付いた葉に留まった時点で捕虫になりますが、ハエトリグサは捕虫葉内に行かなければ捕虫になりません。
よって、多くの虫はハエトリグサにたどり着く前にモウセンゴケの餌食になってしまうため、ハエトリグサの捕虫葉はほとんど開いたままです。
その他水やりは、腰水では無く、数日に1回用土に与えています。
2014年7月12日
2014年8月3日
2014年9月1日
解説:(1)写真奥二つが一般種で、手前がビッグマウスです。一般種右が葉数を減らしたのは、実験を行ったからです。調子自体は悪くなく、その後新しい葉が幾つも出てきています。
ビッグマウスの方は天候不順が続いていたとき、一日だけ晴れて急に気温が上がった日があって、それで葉を枯らした可能性があります。このままだめになってしまうかもしれません。
(2)7月に播いた種子は8月に入って(一ヶ月くらい経って)から発芽が始まりました。自家受粉だったので、採れた種子がしいなではないかと心配しましたが、発芽率は高いです。よって、実った種子は充実していたようです。尚、播種前に低温処理や薬品処理等は行っていません。
(3)細長い双葉が出て、その後1枚本葉が出たところです。まだ、双葉に先に種皮を付けているものもあります。その本葉の先には小さな捕虫葉が付いていて、ミジンコなら捕らえられそうなくらいの大きさです。
現在の管理は、無加温ハウス内日向に置いていて、数日に1回水を与えています。捕虫の方はたまに蚊を捕らえるくらいです。当地方の虫はハエトリグサとは初対面のはずですが、さすがに危険を冒さないと言うか、興味が無いのか、面白いことは起こりません。それでも調子が良いことは、感心させられます。
2014年10月14日
2016年5月9日
解説:(1)今年も無事越冬し、4月に植え替えたところです。用土は無調整ピートモス100%です。何故ピートモスかと言いますと、「そこにあったから」です。そこにとはサラセニアの植え替え用に買って余っていたということです。
よく、越冬に関しては耐寒性が強いので屋外越冬可と紹介されていますが、暖地の屋外と寒冷地の屋外では厳しさが全く異なるので、我が家では室内で越冬させました。
(2)~(4)一般種は鉢から抜いた時に自然に分かれたので、二鉢に植えて全部で三株になりました。
冬季、葉先枯れがあったので、現在はまだきれいな捕虫葉は付いていません。
(5)実生苗も植え替え済みです。まだ、一株、一鉢に植えるほど育っていないため、一鉢に数株植えにしています。実生からだと気の遠くなる様な話です。
ビッグマウスも枯死は免れて越冬し、同様に植え替え済みですが、現状プチマウスです。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、毎日気が付いたときに水を与えています。
2016年6月2日
解説:今年は桜が咲いた時期に一回霜が降りたくらいで、比較的温暖傾向だったので、生育も早いです。
(1)一般種は大きな捕虫葉と花芽が出てきています。大きいと言ってもこの種にとって想定の範囲内ですが、写真に撮ると余計に大きく見えます。
(2)こちらは(1)を株分けしたつもりでしたが、葉の櫛の目が細かい様に見えます。元々複数の株が寄せ植えだったか・・・。
(3)は昔からある葉が長く伸びて立ち上がるタイプです。草勢が強く、手持ちの中では最も旺盛に育っています。
以上、全体的に調子は良く、植え替えの効果と思わせます。今回の「植え替え→その後の生育」でこの植物にコツをつかんだ気がしています。
(4)実生苗の方も順調ですが、大きくなるのに時間が掛かっています。捕虫葉は出ていますが、まだギンバエを捕らえるほどではありません。ちなみに白い粒はパーライトで、水やりで減った用土を増し土したものです。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、毎日1~2回上から水を与えています。腰水にはしていません。
2016年6月9日 購入株の立て直し
解説:ここでは市販株の立て直しについて取り上げます。
(1)は赤色系市販株で通信販売で購入したものです。見た瞬間悪い予感がしたものの、通販では基本的に選べないのでこれを何とかする方向に舵を切ることにした。
(2)鉢から抜いて見ると予想通り植え込み材料は腐敗が進んでいて、どぶの臭いが鼻を突いた。
(3)それでも何とかなるかもしれないと思わせたのは、根先は生き生きとしていたからです。(矢印)
(4)株元の植え込み材料を取り除いて見ると、かなり深植えになっていて、やはり腐敗が進行していた。
(5)ひどいものは、すでに枯死していた。(矢印)
(6)そこで植え込み材料は全て取り除き一芽ずつ分けて、簡単に取れる範囲で腐敗した葉を取り除いた。
(7)(8)この後、水洗いし、新しいピートモスでそれぞれ浅く植え直して最後に水を与えて用土を落ち着かせた。
この後、やや薄日のところへ置いて葉焼けを防いだ。
腐敗が問題の無い葉へ波及することを防ぐために水やりは頻繁にならない様にした。
1~2週間程度様子を見て、新芽が動き始めたことを確認し、日当たりの良い場所へ移動させた。
2016年7月16日
解説:通販購入株の立て直しの続きです。
(1)植え替え直後の不安は、徐々に解消していきました。枯れる葉は枯れて、残る葉は残ったと言った感じです。
(2)(3)回復の早い株はロゼットを形成し始めています。遅い株でも新しい葉を出し始めています。ただし、小さい葉ですけれど・・・。
(4)やはりだめな株もありまして、芽を吹かなかった。それでも、あの悪い状態から多くの枯死を予想したものの、現状1つだけでしたので、良しと考えます。
(5)今年今回の株とは別のところで購入してやはり植え替えた株です。
(6)は品種名、系統名無しの一般に出回っているものです。
(7)はジャイアントフォームと呼ばれているものです。
両種共に到着した状態は悪くなかったので、植え替え後も作落ちはありません。ただ、開花もありませんでした。
(8)は以前から取り上げている実生苗の様子です。春と比べるとかなり大きな葉を出す様になりました。それでもまだギンバエを捕らえるほどではありません。
(9)以前から育てている一般種は現在開花中です。状態が良く以前より大きな花を咲かせています。
現在の管理は、日に1回の水やりのみです。尚、腰水にはしていません。