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極楽鳥花植物園 Strelitzia Botanical Garden

園長のガーデニング・花蓮 このページでは園長による趣味のガーデニングを取り上げています。

花蓮の栽培 2005、2008、2014年

定植

(1)容器とビニール

(2)容器とビニール

(3)田土

(4)容器に入れる

(5)蓮根の芽先

(6)定植後

(7)定植後

このページは花蓮の定植から開花、越冬等を取り上げています。

毎年夏になるとあちこちからハスの開花が伝えられます。2,000年前の地層から発見された種子から育てられたとされる大賀ハス。上野、不忍池。食用レンコン等。

蓮は宗教色が強いことから敬遠される方も多いかもしれません。しかし、予備知識無しでこの花を見た時しばらく花の前で見入ってしまうのは私だけでは無いと思います。それ位印象的な花であると言えます。詳しくは後述。

※花を愛でるハスで、食用レンコンと区別するために「花蓮」と呼んでいます。

    基本条件
  • 定植時期:桜が咲く前に終わらせたい。よってその地域で異なる。購入苗の場合は、到着次第植えることになるが、現在栽培中で植え直す場合はこれ以上遅くなると地下茎が伸び始めるので、無傷で扱うことが難しくなる。
  • 開花時期:夏場。地域によって異なる。暖地では早く、寒冷地では遅い傾向がある。当地方では7月中旬から8月下旬まで。
  • 定植から開花までの期間:植えたその年に開花する。活着すればまずその年に開花する。
  • 置き場:日当たりの良い場所で出来るだけ長い時間日に当てたい。1日4~5時間程度でも開花しないことはない。
  • 水:減少したら足す。乾かしてはならない。
  • 土:田土又は粘質土。
  • 肥料:生育期間中に3回程度与える。例、6月、7月、8月。有機のものでも、化成肥料でも使える。水生植物は発酵鶏糞が良く育つ。
  • 病害虫:アブラムシ。粒剤の殺虫剤か、何らかの殺虫剤を散布する。
  • 越冬:蓮根が凍らなければ大丈夫。水が凍っても問題無い。
  • 株分け:花蓮は混み合ってくると花を咲かせなくなる性質があります。よって、数年に一回は株分けが必要です。
  • 株分けの様子は動画でもご覧頂けます。「花蓮の株分け」(YouTube)

解説:(1)(2)購入した容器は植木鉢なので底に穴が開いています。今回は水を貯めるので穴をふさがなければなりません。当初は市販のシリコンで塞ぐ予定でしたが、忙しかったため、ビニールを使いました。これはビニールハウス用のものです。現在はPOフィルムを使用しています。ビニールハウスと同様で数年に1回取替えが必要になります。

(3)(4)用土は田土を使いました。量は容器の高さの半分位入れました。尚、この用土には元肥は入れていません。

(5)蓮根をしばらく水に浮かべておいたら、芽が動き始めたため、慌てて植えることにしました。よく見ると根も伸び始めていることが確認出来る。
(6)は植えて2~3日後。蓮根の植え方は芽先を下向きに、そしてぷかぷか浮き上がらないように植えれば良い。蓮根の後ろ側(芽の反対側)は写真のように土中になくても大丈夫。

(7)写真では分かりませんが、最初の葉が水中に伸びて来ています。植える前は芽の動きが早かったのですが、植えてからはなかなか芽が見えて来なかったため、腐ってしまったのではないかと心配していました。同時進行企画で植えて腐って終わりでは、話にならなかったので、ほっとしています。

まだ肥料は与えません。今月中旬以降様子を見て与える予定です。

蓮栽培の正否は最初の芽が出るかどうかで決まると言っても過言ではありません。

ここからは2008年5月1日~、一部2014年

(1)茶碗バス

(2)誠蓮の蓮根

(3)植え付け後

(4)蜀紅蓮

解説:何年も花を見られずにいたため、タイトルを「食用蓮根の容器栽培」に替えようかとも思いましたが、春になって芽が伸び始めたため、掲載を決意しました。

冬期間は、容器を無加温ハウスに置いて、断熱シートを上からすっぽりと掛けていただけでしたが、無事越冬し驚いています。

(1)茶碗バスは昨年のままですが、誠蓮は加温ハウスで越冬させた蓮根を追加で植えました。とりあえず芽先が土で埋まっていれば、問題無い。(2)(3)

(4)2014年3月に植えた蜀紅蓮です。赤い葉を2枚展開しています。今のところ順調です。

    基本条件
  • 株の状態:生育初期。新しい葉が出てくる時期。新しい葉は最初赤味を帯びていて展開してから緑色に変わる。これらの葉は睡蓮と同じように水面に浮き、浮き葉と呼ばれる。
  • 置き場:日当たりの良い場所で出来るだけ長い時間日に当てたい。今年は屋外に置いています。
  • 水:減少したら足す。乾かしてはならない。今は土から1~2cm程度の水深。
  • 土:田土又は粘質土。
  • 肥料:今は与えていない。
  • 病害虫:今のところまだ発生していない。

2008年6月1日

(1)茶碗バス

(2)誠蓮

(3)蜀紅蓮

(4)自家製肥料

(5)見張り

解説:(1)(2)両種共に初期生育は順調です。毎年ここまで良いんですが・・・。

茶碗バスは浮き葉が水面一杯に広がった。間もなく水上葉が出てくるであろう。誠蓮はすでに水上葉が出始めた。今後の生育に期待!

(1)は小型水槽ですが、(2)は果樹用大型プラ鉢で底の排水孔をシリコンで埋めて水漏れを防いでいます。焼き物の睡蓮鉢は値段が高いことと、果樹用プラ鉢は大型で耐久性が良いので好都合。

(3)今年(2014年)初めて植えたにしては生育旺盛で、2~3枚の浮き葉の後水上葉が出始めた。元肥や追肥は与えていません。これから与えます。

(4)は現在使用している肥料で、市販の粉状発酵鶏糞を丸めたもの。作り方は適当な容器に鶏糞を入れて水を少しずつ入れながら混ぜる。鶏糞全体に水が行き渡って整形出来る様になったら、ゴルフボール大に丸めてトレーに入れて乾燥させる。

これを1回当たり(1)なら3個くらい、(2)の容器なら5個くらい与えて様子を見る。その後肥効を見て次の施肥で増減する。与える植物や目的によって成分を調整することもあります。

    基本条件
  • 株の状態:生育期。新しい葉が次々出てくる時期。ある程度浮き葉が出たところで、水上葉が伸び始める。
  • 置き場:日当たりの良い場所で出来るだけ長い時間日に当てたい。今の場所は夏至の頃で7時間位日が当たるかどうかです。
  • 水:減少したら足す。土を乾かしてはならない。5月はまとまった雨が数回降ったため、水位が増している。
  • 肥料:今月から施肥時期。生育期間中に3回(例、6月、7月、8月)与える。有機のものでも、化成肥料でも使える。水生植物は発酵鶏糞が良い。
  • 病害虫:水上葉が伸び始めるとアブラムシが付き易いが、一般的な農薬で駆除できる。その他害虫は上写真(5)が有効です。もし、この様な見張りを手配出来ない場合は、何らかの対策が必要になることもあります。

2008年7月1日

(1)茶碗バス

(2)誠蓮

(3)つぼみ

(4)初期の花芽

(5)蜀紅蓮

(6)葉とつぼみ

(7)つぼみ

(8)蜀紅蓮開花

(9)開花始め

(10)同上から

(11)二日目

(12)同夕方

(13)三日目

(14)四日目

(15)同

(16)五日目

(17)同

(18)2番花

(19)害虫対策

解説:先月から生育が早くなり浮き葉が水槽一杯に広がった。6月下旬からは水上葉が出始めた。しかしまだ花芽は伸び始めていない。

肥料は6月中旬に1回与えた。種類は使わずに保管しておいたマグアンプKと醗酵鶏糞。どちらも燐酸主体のため、出来れば他のもので窒素分を補いたいところ。

特に何かしたわけでもなく、時期が来たと言うのが適当な表現かもしれません。待望の花芽が伸び始めた。ここまで来るのに4年も掛かってしまった。ただ置き場所がハウス内か屋外かの違いだけで・・・。

ストレリチアをやっている影響で、何でも花を咲かせるまでに4年も掛かっていては話になりません。反省!!

来月は花の写真を掲載できるかどうか・・・。

(5)~(7)6月中旬以降、葉柄の長い水上葉が出る様になって、下旬に出た葉には待望のつぼみが付いた。

出始めの時点ではつぼみは小さいものの、花柄が太いのでまず間違いなく開花まで至ります。

この株へは6月中旬に発酵鶏糞を与えています。

(8)~(10)つぼみの大きさから開花は来月かと思っていましたが、7月13日に開花しました。(11)~(12)二日目は見頃のはずでしたが、天候不良による中途半端な咲き方で、夕方までには閉じてしまった。

(13)三日目は好天に恵まれて朝から大きく花弁を開いた。

(14)~(15)四日目、蓮の性質から今日、花弁が一気に落ちてしまうのかと思っていましたが、予想に反して今日もきれいに花弁を開かせた。

(16)~(17)五日目、今日こそ終わっていると思いましたが、何故か今日もきれいに咲いています。この後翌日までに花弁全体が落ちてこの花は終わりました。

(18)は同じ株の2番花です。爪紅に見えるのは、朝木漏れ日が当たっているから。これ位の咲き具合が一番美しい。

    基本条件
  • 株の状態:生育旺盛期。花芽伸長期。地域によっては開花期か?大きな新しい葉が次々出てくる時期。その葉の元から花芽が伸びることが多い。
  • 置き場:日当たりの良い場所で出来るだけ長い時間日に当てたい。今の場所は7時間位日が当たるかどうかです。
  • 水:減少したら足す。土を乾かしてはならない。6月からは梅雨の影響で、水位が増している。まだ1回も補充していない。
  • 肥料:今月も施肥時期。
  • 病害虫:水上葉、及び花芽が伸び始めるとアブラムシが付き易い。一般的な農薬で駆除できる。趣味では手で落とせば良い。(19)今月も害虫対策は万全です。

2008年8月1日

(1)茶碗バス

(2)(1)の花芽

(3)誠蓮

(4)つぼみ

(5)開花初期

(6)開花1日目

(7)開花2日目

(8)開花3日目

解説:(3)今回の花は今年二本目です。一本目は貧弱な花でしたが、二本目は比較的大きな花になりました。誠蓮は写真のように八重咲きの品種です。

  

例えば椿の花だったら花弁は一重多くて二重までと考えていた。それは筒状の雄しべが椿という花の魅力の一部を表現していると考えていたからです。八重咲きの椿は花弁を多くしたことで花の魅力を無くしてしまったと考えていた・・・。蓮でも同様で八重の花は魅力に欠けると考えていた・・・この花を見るまでは・・・。

  

(4)誠蓮はつぼみのときは先が尖り一重の花と変わらないが、(5)(6)咲き始めの花は球状に近い。それは花弁が多いためこの様にふっくらとする。そしてもう少し開いてくると花弁の奥に黄色の蓮台が見える。そのときが最も魅力的な瞬間と考える。

しばらく見ているとその蓮台の上にスポットライトが当たり、お釈迦様が舞い降りてきたかと錯覚させられる様な雰囲気を持つ。写真を撮ってから気が付いたことは、花の色が濃いことです。他に赤系の品種は多いが、開ききったときはほとんど薄いピンク色に変わってしまう。それがこの花は濃い色を呈していて、自分自身でも驚いた。※写真に補正はありません。

  

与えた肥料が良かったか、置き場所が良かったか、又は生まれ持った性質か・・・。尚、花は3日咲いて、その後ばさっと花弁が落ちる。

  

新しい葉の伸びが止まってしまったことから、今年はこれで終了です。

 
    基本条件
  • 株の状態:生育期。花芽伸長期。開花期。中旬以降芽の伸びが遅くなる。
  • 置き場:日当たりの良い場所で出来るだけ長い時間日に当てたい。
  • 水:減少したら足す。土を乾かしてはならない。梅雨明け後、葉が増えたことから、2~3日に1回は補充している。
  • 肥料:7月下旬最後の肥料を与えた。
  • 病害虫:水上葉、及び花芽が伸び始めるとアブラムシが付き易い。一般的な農薬で駆除できる。趣味では手で落とせば良い。

2012年8月13日 茶碗バスの開花

(1)全体の様子

(2)横から

(3)上から

(4)アップで

(5)8月末

解説:今年は良い花を咲かせたので掲載します。

(1)手前が茶碗バスで、奥が誠蓮です。ちなみに同じ様に植え替えた誠蓮は今年は咲きませんでした。

この株は今まで栽培していたもので、春に容器から取り出して1本だけレンコンを植えたものです。土は今まで植わっていたものに、完熟堆肥を適当な量混ぜたと言うより、底にまとめて入れてその上に土を入れて最後にレンコンを植えました。

その後生育期間中に3回発酵鶏糞を与えてきました。

今年は例年より生育旺盛でこれ1株で3本花を付けました。例年であれば1本咲くかどうかだったので驚きです。それでこの花はその中の最後の1本です。

しかも、今年の花は色が濃くて上の誠蓮と変わらない。もしかしたらこれが本来の色なのかもしれません。(5)開花後は蓮台が残り今でも生き生きとしていて種子が実るのかと思わせる。

これを見ると今までは仕方なく花を咲かせていた感じがありありで、きちんと育てれば本来は育てやすく、良い花を多く咲かせる品種なのかもしれません。

ちなみに栽培容器は使わなくなったクーラーボックスです。この利点は冬期間蓋をしておけば断熱効果である程度凍結を防ぐことが出来ることです。

2008年9月1日

(1)8月13日つぼみ

(2)8月13日草姿

(3)8月13日つぼみ

(4)8月19日草姿

(5)8月19日つぼみ

(6)8月23日草姿

(7)8月23日花

(8)8月23日花

(9)8月26日草姿

(10)8月26日花

(11)誠蓮

解説:今月は茶碗バスの開花を中心に取り上げます。7月末から伸び始めた花芽は急速に伸長し開花に至りました。(1)(3)最初の頃は細くロウソクの炎の様な形です。(5)開花が近づくとふっくらとしてきた。

(7)(8)一般的に出回っている茶碗バスはピンク色の八重咲きですが、花弁の幅が狭く誠蓮ほどふっくらとした感じが無い。今後の改良に期待する。茶碗バスと言うと小型蓮の代表種ですが、名前の印象より大きな花が咲き、例えばベランダ園芸の省スペースでも花を楽しむことが出来、お勧めです。

葉に穴が開いているのは8月上旬に雹がふったため。花に影響が無くて良かった。雨ニモマケズ、雹ニモマケズ・・・。

この場所は誠蓮の隣だったので、途中から日照条件が悪くなり、花立ちを心配していましたが、何とか1本咲かせることが出来、ほっとしています。

(11)この置き場所は日当たりが良くないことと、芽が混み合っていたことで、花は1本限りで終わりました。これからは残った葉の光合成で蓮根が形成され、気温の低下で葉が枯れて今年の生育は終わります。来年は芽数を減らさなければならない。

2008年10月1日

(1)茶碗バス

(2)誠蓮

解説:(2)誠蓮は見る影もありません。これで葉が枯れて終わりです。それに比べて(1)茶碗バスは雹で葉に穴が開いたにもかかわらず、生き生きとしています。それでも今月0℃近い冷え込みが来ればあっという間に枯れてしまいます。

    基本条件
  • 株の状態:生育末期
  • 置き場:日当たりの良い場所で出来るだけ長い時間日に当てたい。
  • 水:減少したら足す。土を乾かしてはならない。
  • 肥料:与えない。
  • 病害虫:特に無し。

2008年11月1日

(1)茶碗バス

(2)誠蓮

解説:比較的遅い時期まで青い葉を付けていた茶碗バスも10℃以下の冷え込みに遭って、全ての葉を枯らした。これで完全に今年の生育は終わりました。

これからは来年に向かって土中に形成された蓮根を傷めないように管理します。

    基本条件
  • 株の状態:生育休止期
  • 置き場:生育期が終わったことから、それほど日照は考えなくても良い。冬期間は容器全体が凍結しない様に管理する。
  • 水:減少したら足す。土を乾かしてはならない。
  • 肥料:与えない。
  • 病害虫:特に無し。

2012年2月1日 越冬の様子

(1)覆ったところ

(2)内部の様子

解説:(1)当地方は寒冷地なので冬期間屋外では容器全体が凍結して蓮は枯れてしまいます。そこで我が家では無加温ハウスへ取り込んで、断熱シート(発砲シート)を掛けて保温しています。

無加温ハウスと言うことは明け方には屋外と同じ気温になります。今年は二回-

11℃台まで下がりました。日中もマイナスの真冬日が多い気がしています。

ただ、土は暖かいので容器全体が凍結するところまでは行きません。

無加温でもハウス内の土は凍結することがありません。ある程度の温度は保っています。一方寒気は上空からやってくるので、容器の上側を保護して、土の温度を利用して過度の凍結を防ごうという考えです。

(2)は容器内部の様子ですが、氷が張っていますが、それはそれほど厚くありません。毎年最も凍結したとしても、容器内の水の範囲までで、レンコンがある土の内部までは凍結しません。

それで、春になれば成長を始めます。容器全体が凍結していないと言える根拠は、「春になれば育ち始める。」以外に、メダカを放したコウホネ水槽も同様に越冬させていますが、春になれば水面近くを泳ぎ始めるからです。

尚、冬期間の管理は水の補給も含めて放任です。冬期間は日光を必要としないので、この手の植物は楽です。

    基本条件
  • 株の状態:生育休止期
  • 置き場:生育期が終わったことから、それほど日照は考えなくても良い。冬期間は容器全体が凍結しない様に管理する。
  • 水:減少したら足す。土を乾かしてはならない。
  • 肥料:与えない。
  • 病害虫:特に無し。

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