花蓮の栽培 2005、2008、2014年
定植
このページは花蓮の定植から開花、越冬等を取り上げています。
毎年夏になるとあちこちからハスの開花が伝えられます。2,000年前の地層から発見された種子から育てられたとされる大賀ハス。上野、不忍池。食用レンコン等。
蓮は宗教色が強いことから敬遠される方も多いかもしれません。しかし、予備知識無しでこの花を見た時しばらく花の前で見入ってしまうのは私だけでは無いと思います。それ位印象的な花であると言えます。詳しくは後述。
※花を愛でるハスで、食用レンコンと区別するために「花蓮」と呼んでいます。
解説:(1)(2)購入した容器は植木鉢なので底に穴が開いています。今回は水を貯めるので穴をふさがなければなりません。当初は市販のシリコンで塞ぐ予定でしたが、忙しかったため、ビニールを使いました。これはビニールハウス用のものです。現在はPOフィルムを使用しています。ビニールハウスと同様で数年に1回取替えが必要になります。
(3)(4)用土は田土を使いました。量は容器の高さの半分位入れました。尚、この用土には元肥は入れていません。
(5)蓮根をしばらく水に浮かべておいたら、芽が動き始めたため、慌てて植えることにしました。よく見ると根も伸び始めていることが確認出来る。
(6)は植えて2~3日後。蓮根の植え方は芽先を下向きに、そしてぷかぷか浮き上がらないように植えれば良い。蓮根の後ろ側(芽の反対側)は写真のように土中になくても大丈夫。
(7)写真では分かりませんが、最初の葉が水中に伸びて来ています。植える前は芽の動きが早かったのですが、植えてからはなかなか芽が見えて来なかったため、腐ってしまったのではないかと心配していました。同時進行企画で植えて腐って終わりでは、話にならなかったので、ほっとしています。
まだ肥料は与えません。今月中旬以降様子を見て与える予定です。
蓮栽培の正否は最初の芽が出るかどうかで決まると言っても過言ではありません。
ここからは2008年5月1日~、一部2014年
解説:何年も花を見られずにいたため、タイトルを「食用蓮根の容器栽培」に替えようかとも思いましたが、春になって芽が伸び始めたため、掲載を決意しました。
冬期間は、容器を無加温ハウスに置いて、断熱シートを上からすっぽりと掛けていただけでしたが、無事越冬し驚いています。
(1)茶碗バスは昨年のままですが、誠蓮は加温ハウスで越冬させた蓮根を追加で植えました。とりあえず芽先が土で埋まっていれば、問題無い。(2)(3)
(4)2014年3月に植えた蜀紅蓮です。赤い葉を2枚展開しています。今のところ順調です。
2008年6月1日
解説:(1)(2)両種共に初期生育は順調です。毎年ここまで良いんですが・・・。
茶碗バスは浮き葉が水面一杯に広がった。間もなく水上葉が出てくるであろう。誠蓮はすでに水上葉が出始めた。今後の生育に期待!
(1)は小型水槽ですが、(2)は果樹用大型プラ鉢で底の排水孔をシリコンで埋めて水漏れを防いでいます。焼き物の睡蓮鉢は値段が高いことと、果樹用プラ鉢は大型で耐久性が良いので好都合。
(3)今年(2014年)初めて植えたにしては生育旺盛で、2~3枚の浮き葉の後水上葉が出始めた。元肥や追肥は与えていません。これから与えます。
(4)は現在使用している肥料で、市販の粉状発酵鶏糞を丸めたもの。作り方は適当な容器に鶏糞を入れて水を少しずつ入れながら混ぜる。鶏糞全体に水が行き渡って整形出来る様になったら、ゴルフボール大に丸めてトレーに入れて乾燥させる。
これを1回当たり(1)なら3個くらい、(2)の容器なら5個くらい与えて様子を見る。その後肥効を見て次の施肥で増減する。与える植物や目的によって成分を調整することもあります。
2008年7月1日
解説:先月から生育が早くなり浮き葉が水槽一杯に広がった。6月下旬からは水上葉が出始めた。しかしまだ花芽は伸び始めていない。
肥料は6月中旬に1回与えた。種類は使わずに保管しておいたマグアンプKと醗酵鶏糞。どちらも燐酸主体のため、出来れば他のもので窒素分を補いたいところ。
特に何かしたわけでもなく、時期が来たと言うのが適当な表現かもしれません。待望の花芽が伸び始めた。ここまで来るのに4年も掛かってしまった。ただ置き場所がハウス内か屋外かの違いだけで・・・。
ストレリチアをやっている影響で、何でも花を咲かせるまでに4年も掛かっていては話になりません。反省!!
来月は花の写真を掲載できるかどうか・・・。
(5)~(7)6月中旬以降、葉柄の長い水上葉が出る様になって、下旬に出た葉には待望のつぼみが付いた。
出始めの時点ではつぼみは小さいものの、花柄が太いのでまず間違いなく開花まで至ります。
この株へは6月中旬に発酵鶏糞を与えています。
(8)~(10)つぼみの大きさから開花は来月かと思っていましたが、7月13日に開花しました。(11)~(12)二日目は見頃のはずでしたが、天候不良による中途半端な咲き方で、夕方までには閉じてしまった。
(13)三日目は好天に恵まれて朝から大きく花弁を開いた。
(14)~(15)四日目、蓮の性質から今日、花弁が一気に落ちてしまうのかと思っていましたが、予想に反して今日もきれいに花弁を開かせた。
(16)~(17)五日目、今日こそ終わっていると思いましたが、何故か今日もきれいに咲いています。この後翌日までに花弁全体が落ちてこの花は終わりました。
(18)は同じ株の2番花です。爪紅に見えるのは、朝木漏れ日が当たっているから。これ位の咲き具合が一番美しい。
2008年8月1日
解説:(3)今回の花は今年二本目です。一本目は貧弱な花でしたが、二本目は比較的大きな花になりました。誠蓮は写真のように八重咲きの品種です。
例えば椿の花だったら花弁は一重多くて二重までと考えていた。それは筒状の雄しべが椿という花の魅力の一部を表現していると考えていたからです。八重咲きの椿は花弁を多くしたことで花の魅力を無くしてしまったと考えていた・・・。蓮でも同様で八重の花は魅力に欠けると考えていた・・・この花を見るまでは・・・。
(4)誠蓮はつぼみのときは先が尖り一重の花と変わらないが、(5)(6)咲き始めの花は球状に近い。それは花弁が多いためこの様にふっくらとする。そしてもう少し開いてくると花弁の奥に黄色の蓮台が見える。そのときが最も魅力的な瞬間と考える。
しばらく見ているとその蓮台の上にスポットライトが当たり、お釈迦様が舞い降りてきたかと錯覚させられる様な雰囲気を持つ。写真を撮ってから気が付いたことは、花の色が濃いことです。他に赤系の品種は多いが、開ききったときはほとんど薄いピンク色に変わってしまう。それがこの花は濃い色を呈していて、自分自身でも驚いた。※写真に補正はありません。
与えた肥料が良かったか、置き場所が良かったか、又は生まれ持った性質か・・・。尚、花は3日咲いて、その後ばさっと花弁が落ちる。
新しい葉の伸びが止まってしまったことから、今年はこれで終了です。
2012年8月13日 茶碗バスの開花
解説:今年は良い花を咲かせたので掲載します。
(1)手前が茶碗バスで、奥が誠蓮です。ちなみに同じ様に植え替えた誠蓮は今年は咲きませんでした。
この株は今まで栽培していたもので、春に容器から取り出して1本だけレンコンを植えたものです。土は今まで植わっていたものに、完熟堆肥を適当な量混ぜたと言うより、底にまとめて入れてその上に土を入れて最後にレンコンを植えました。
その後生育期間中に3回発酵鶏糞を与えてきました。
今年は例年より生育旺盛でこれ1株で3本花を付けました。例年であれば1本咲くかどうかだったので驚きです。それでこの花はその中の最後の1本です。
しかも、今年の花は色が濃くて上の誠蓮と変わらない。もしかしたらこれが本来の色なのかもしれません。(5)開花後は蓮台が残り今でも生き生きとしていて種子が実るのかと思わせる。
これを見ると今までは仕方なく花を咲かせていた感じがありありで、きちんと育てれば本来は育てやすく、良い花を多く咲かせる品種なのかもしれません。
ちなみに栽培容器は使わなくなったクーラーボックスです。この利点は冬期間蓋をしておけば断熱効果である程度凍結を防ぐことが出来ることです。
2008年9月1日
解説:今月は茶碗バスの開花を中心に取り上げます。7月末から伸び始めた花芽は急速に伸長し開花に至りました。(1)(3)最初の頃は細くロウソクの炎の様な形です。(5)開花が近づくとふっくらとしてきた。
(7)(8)一般的に出回っている茶碗バスはピンク色の八重咲きですが、花弁の幅が狭く誠蓮ほどふっくらとした感じが無い。今後の改良に期待する。茶碗バスと言うと小型蓮の代表種ですが、名前の印象より大きな花が咲き、例えばベランダ園芸の省スペースでも花を楽しむことが出来、お勧めです。
葉に穴が開いているのは8月上旬に雹がふったため。花に影響が無くて良かった。雨ニモマケズ、雹ニモマケズ・・・。
この場所は誠蓮の隣だったので、途中から日照条件が悪くなり、花立ちを心配していましたが、何とか1本咲かせることが出来、ほっとしています。
(11)この置き場所は日当たりが良くないことと、芽が混み合っていたことで、花は1本限りで終わりました。これからは残った葉の光合成で蓮根が形成され、気温の低下で葉が枯れて今年の生育は終わります。来年は芽数を減らさなければならない。
2008年10月1日
2008年11月1日
2012年2月1日 越冬の様子
解説:(1)当地方は寒冷地なので冬期間屋外では容器全体が凍結して蓮は枯れてしまいます。そこで我が家では無加温ハウスへ取り込んで、断熱シート(発砲シート)を掛けて保温しています。
無加温ハウスと言うことは明け方には屋外と同じ気温になります。今年は二回-
11℃台まで下がりました。日中もマイナスの真冬日が多い気がしています。
ただ、土は暖かいので容器全体が凍結するところまでは行きません。
無加温でもハウス内の土は凍結することがありません。ある程度の温度は保っています。一方寒気は上空からやってくるので、容器の上側を保護して、土の温度を利用して過度の凍結を防ごうという考えです。
(2)は容器内部の様子ですが、氷が張っていますが、それはそれほど厚くありません。毎年最も凍結したとしても、容器内の水の範囲までで、レンコンがある土の内部までは凍結しません。
それで、春になれば成長を始めます。容器全体が凍結していないと言える根拠は、「春になれば育ち始める。」以外に、メダカを放したコウホネ水槽も同様に越冬させていますが、春になれば水面近くを泳ぎ始めるからです。
尚、冬期間の管理は水の補給も含めて放任です。冬期間は日光を必要としないので、この手の植物は楽です。