セレージャの栽培 2012年4月1日~
鉢植え栽培
このページではセレージャの鉢植え栽培を取り上げています。比較的低温に耐える熱帯果樹シリーズ第七弾!!夏に濃い赤色の甘い小果実を付ける丈夫な果樹です。あまり手が掛からない無精園芸家にはお勧めの一品。実際にはどうなのか結果は以下に?!
2012年5月1日
解説:(1)~(3)4月中旬以降気温が急上昇した影響で、生育を始めました。セレージャは芽が伸び始めるとすぐに花芽を確認することが出来ます。
(4)~(6)花芽は昨年伸びた充実した枝先から、今年新たに出た芽に形成されています。花を持たない芽は葉と茎のみが伸びていく、に対し花芽は茎から長い果柄を伸ばしその先に緑色の花のようなものを付けます。
その後その中央につぼみが現れて後に開花します。
花芽は徒長枝には着きません。夏の間長く伸びないで秋まで現状維持状態の枝に付きやすい。よって、若い苗には花を付けにくい。ある程度木が大きくなって根が回ってきて樹勢が落ち着いてくると良く花を付けるようになります。
現在の管理は、水やりは2日に1回、肥料はこれから与えます。病害虫の発生はありません。
2012年5月11日 開花始まる。
2012年6月1日 開花続く。
解説:(4)先月から始まった開花は現在も続いています。しかし、大半は終わっています。(5)の様に開花後果柄や萼が緑色のままで残っていれば結実の期待が高まる。
(6)写真中央の様に茶色に変色してしまった場合は結実は無い。
(1)(2)木の状態は、早くに芽を伸ばし始めた枝は伸びは止まって葉が硬化しつつあります。今年出た葉は新緑が鮮やかです。枝によっては今頃伸び始めたものもあります。
(3)(4)遅れて伸び始めた枝はつぼみを付けていたり、花を咲かせたりしています。今月も古い葉は黄葉後落葉しています。
管理面では土の乾きが早くなったため、少なくても2日に1回は与えないと障害が出る状況です。開花期に極端に乾かしてしまうと、結実が悪くなります。これは他のフトモモ科果樹でも同じです。ちなみに、人工交配は行っていません。
2012年6月15日 開花続く。
2012年7月1日 収穫する。
解説:空梅雨で土が乾きやすくなっています。特に風のある晴天の日は毎日水やりを行わなければならないほどです。
(2)(3)ここへ来て樹皮の剥離が始まりました。太い幹から細い枝まで表皮が自然に剥がれ落ちるのです。
その結果幹はつるつるになり触ると気持ちが良い程です。それで年数が経っても幹が古木の様にはなりません。
(4)以降、5月に咲き始めた花は全てではありませんが、幾つか結実して収穫期を迎えました。
(7)果実の大きさはナツメくらいです。果皮が濃い赤紫色になれば取りごろです。この色はどこかで見た様な色だなあ~と考えていましたが、分かりました。それはアメリカ産サクランボとほぼ同じ色です。サクランボであの色は違和感がありますが、この果樹なら受け入れられます。
(8)完熟果の皮と実は非常に柔らかくて、ほとんど食感がありません。それで噛むと途中で種子が歯に当たります。食味は甘くて少し酸味があります。この味をお伝えするのに何か良い表現は無いかと探していましたが、やはりセレージャの味としか言えないかな~と行き詰まったとき、ふと子供の頃を思い出した。
それは学校帰りにどこかの畑の隅に植えられていた桑の実を食べた時のことを・・・。桑の実を食べると口の周りが紫色になってすぐにばれてしまう等・・・。懐かしい思い出ではありますが・・・
もちろん形状が違うので食感は異なりますが、食味は近いと思います。
それくらい柔らかくて甘酸っぱい果実です。ちなみに未熟果は酸味が強くて目が覚めます。
中の種子は播いておけば秋までに小苗になります。その後数年育てれば結実するようになります。
2012年8月1日 収穫終わる。
解説:(1)梅雨が明けてから土が乾きやすくなっています。遅くても一日おきには与えないと生存に関わるほどです。樹姿は整っていて、このハウスのシンボルツリーの様ですが、鉢植えです。
(5)(6)枝の伸びは頂部も含めて止まっていて、葉の色も全体的に濃くなってきています。それは先月肥料を与えたことも影響しています。この時期良く日に当てることが、来年の花芽形成に繋がると考えています。
(2)~(4)幹や枝は相変わらず樹皮が剥がれ落ちています。今まで一度も人の手で剥がしてやったことはありませんが、結構きれいに剥がれるものです。
古い樹皮が剥がれ落ちると、一時的に幹肌が斑模様になります。この後日に当たって茶色の幹に変わります。
2012年9月1日 生育止まる。
解説:(1)(3)果実の収穫後しばらく芽が伸びていましたが、現在は全ての枝の伸びは止まっています。
この期間に細い枝に来年の花芽が形成されていると考えます。
よって、なるべく日に当てて枝を充実されることが重要です。今年は特に晴天が続いて気温が高いので水やりに神経を使っています。少なくても2日に1回は与えないと木の存続に関わる状況になりかねません。
幸いなことに葉を落とさないように管理を行えています。
(2)(4)6月頃から始まった樹皮の剥離は太い幹に関しては終わっていて、残すは細い枝のみとなりました。これも気が付いたときにでも剥がしてやることもできますが、そこまでやらなくてもね~・・・。
(5)7月に収穫した果実から採った種子を播いてみました。写真左側の青いポットに植わっているのがセレージャです。ちなみに右側はピタンガです。同じ科の植物なので似たような樹姿ですが、ピタンガの方が葉が丸みを帯びています。セレージャは細長い葉で芽先が茶色っぽくならないので区別が付きます。
2012年10月14日 生育止まる。
2012年11月1日 枝、充実する。
解説:(1)先月から見た目の変化はほとんどありません。多少古い葉が黄変、落葉した程度です。(3)その他、樹皮が剥がれた幹は一時は斑模様になっていましたが、現在は茶色に変わっています。(2)尚、株元の幹は相変わらず斑模様です。
樹皮の剥離は細い枝では完全に剥がれずに残っています。
(4)夏まで伸びていた枝は完全に硬化して充実しています。葉も厚くなっている。
(5)(6)実生苗の生育はゆっくりで(5)は丈が10cm未満、(6)は17~19cm程度です。それでも育て方は難しくなく、肥料は少なめにして、適当に水やりを行っていればのんびりと育ってくれます。
現在の管理は土の表面が完全に乾いた時点で水を与えています。今後氷点下に冷え込みが予想されるときは室内か、加温ハウスへ移動させます。
2012年12月1日 収容。
解説:(1)11月に入ってから氷点下に冷え込む様になったためカーテン(内張)を張って加温を始めています。一般家庭ではこのタイミングで室内に取り込むことになります。
(2)この木は何年も育てているので根が回っていて土が乾きやすい影響で葉が黄ばみやすい。
それでも今年出た葉が健全であれば翌年の結実や生育には問題ありません。
(3)樹高が高いのでカーテンを張ると頂部が当たって湾曲してしまいます。寒冷地ハウスで一般的な果樹がこの様な状態になると、寒さの害を受けてその枝が枯れることがありますが、セレージャは結構丈夫で目立った被害にならないことが多い。
それで高く育っている。
現在の管理は凍らせない程度の加温と、数日に1回の水やりのみです。
2013年1月1日 冷え込み強まる。
2013年2月1日 大寒を過ぎて。
2013年3月1日 啓蟄近づく。
解説:(1)~(3)立春を過ぎて日差しが強まってから、黄変した葉は引力には逆らえず落葉が多くなってきています。
これから春だというのに感傷的な季節になりました。まだ黄色っぽい葉が多く付いているので、今後しばらく続きそうです。
思い返せば、秋にも落葉を目にして、年に2回も感傷的になっていては、気持ちのバランスを取ることが難しい今日この頃です。
現実的には他の熱帯系果樹、例えばレモンやピタンガでもこの時期落葉するので、生育サイクルの一環と言えそうです。
管理上の問題ではない根拠は、(4)の実生苗が健全であることです。ちなみに左が1年苗、右が2年苗。一般的に親木より小苗の方が性質が弱い。もし、低温等不適切な管理条件であれば先に小苗の方が枯れることから、栽培条件による落葉では無いと判断しています。
現在の管理は、数日に1回の水やりのみです。最低気温は0℃以上です。