鉢植え栽培
(1)株の様子
(2)上から
(3)害虫
このページでは鉢植えびわの苗から結実までの様子を取り上げる予定です。
びわと言うと果実を食べていて中から出てきた種子を播いてみることの多い果物の一つです。物珍しさや、発芽後良く育つことから庭先に植えてある家庭も多いのが現状です。ここではそちらではなく、苗木から育てて結実を目指します。結果は如何に・・・?
解説:写真は市販接ぎ木1年生びわの苗木で、21cmポットに植えてあります。
品種は‘田中’です。
この品種の由来は長崎で栽培されていたびわの種子を関東に持ち帰って品種改良したと言われているものです。
(1)(2)この苗木は裸苗ではなく、元々ポット植えだったもので、土が少なかったため、増し土を行っています。用土は赤玉土、鹿沼土の等量混合に完熟堆肥をおおざっぱに2割位混合したものです。
購入は6月上旬でしたが、しばらく現状維持状態が続いていました。6月下旬になってようやく新芽が動き始めました。よって、まだ無施肥です。
(3)これで生育期が始まったと思った矢先、早速害虫のお世話になりました。マイマイガと言うらしい。おかげで葉がモンステラ状態になったものの、新芽の被害が無かったことが幸いです。
現在の管理は屋外日向に置いていて、数日に1回の水やりのみです。今後生育期間中数回の施肥で生育促進を図ります。
基本条件
- 置き場所:日当たりの良い場所。
- 気温:夏場は自然条件。冬場は極端に下がらないことが望ましい。木そのものは-20℃以下になっても耐えるが、結実させるとなるとそれでは問題になる。
- 用土:大体何でも可。
- 水やり:年間を通して用土の表面が乾いたら、鉢土全体が湿る様に与える。
- 肥料:生育寒中に数回、有機質肥料を与える予定。
- 市販苗の形態:接木苗。一般的なもので千数百円~。
- 病害虫:病気の心配は無い。害虫は色々あり。追って掲載します。
2014年8月3日
株の様子
解説:先月小さかった新芽はだいぶ伸びてきたが、葉はまだ展開しきっていない。幸いなことに新たに害虫被害には遭わずに済みました。
まだ木が小さいことと、初期成育が遅れていることから、この冬開花は望み薄か・・・。
現在の管理は屋外日向に置いていて、数日に1回水やりを行っています。今年は不安定な天候なので、夕立が水遣りの手間から開放させてくれています。
先月新芽が伸び始めてから有機質肥料を1回与えて、最近2回目を与えたところです。
2014年9月1日
株の様子
解説:今年は雨が多いので水やりの手間から開放されています。その影響で新芽の伸びは徒長気味です。天気が悪いと言うことは、日照不足で株が充実しないと言うことなので、この冬開花、結実は無いでしょう。
しばらくは大きく育ってもらいます。
現在の管理は屋外日向に置いているだけです。
2014年10月14日
(1)株の様子
(2)株元の様子
解説:(1)今年は適当なにわか雨で、何もしなくても養分の吸収が活発で枝葉の伸長も順調で「しめしめ」と思っていた矢先、重大な事態を発見した。
(2)株元にテッポウムシが発生したのでした。幸いなことに発見が早かったことから、穴に細い針金を挿入して刺殺することが出来ました。
それでも樹皮を環状に食われてしまったので、何か考えなければなりません。
それにしてもテッポウムシは何でもありな感じがして始末が悪い。今年やられたのは、分かっているだけでトキワレンゲ、マカダミア、フサスグリ等です。今後は粒状殺虫剤の使用を検討しています。
現在の管理は屋外日向に置いていて、数日に一回水を与えています。
2016年5月5日
(1)全体の様子
(2)田中の芽先
(3)クイーン長崎の芽先
解説:(1)昨年もう一品種‘クイーン長崎’を購入しました。接木1年苗で最近大手種苗会社でも扱っていて入手しやすくなっています。田中の方は2年経過して見た目は苗から植木になりました。
木は大きくなってきましたが、まだ花を付けるほどでは無いようです。
(2)(3)冬の間は室内へ取り込んでいて、4月から外に出して管理しています。暖冬だった影響もあり新芽が伸び始めています。
我が家は日照条件が悪いため、花を付けるほど枝を充実させられるかどうかが気になるところです。
現在の管理は、21cmポット植えで芽が伸び始めてから発酵鶏糞を与えて、数日に1回の水やりです。今のところ害虫発生はありません。
2016年6月2日
(1)田中樹姿
(2)田中上から
(3)クイーン樹姿
(4)クイーン上から
解説:(1)(2)田中の方は真面目に手入れをして、低い位置から枝分かれさせて良い感じの樹形に近づいています。
(3)(4)クイーン長崎の方は手を抜き過ぎて、徒長気味です。
今年は害虫発生に気を付けていたので、今のところ目立った被害はありません。
両種共に枝数が増えたので、水やりに気を使う様になってきました。油断していると、枝先が垂れ下がっていることが良くあります。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、2~3に1回の水やりです。たまに毛虫が付くようになったので注意は怠れません。
2016年9月25日
(1)田中樹姿
(2)田中花芽
(3)田中花芽
(4)クイーン樹姿
(5)クイーン花芽
解説:(1)(4)この夏は例年に比べて雨が多く水やりの手間が掛からないことが多かったですが、肥料の分解吸収が良く葉の色が濃い緑色になっています。
(2)(3)(5)秋になって今年の成長もこれまでかと思って芽先を良く見てみたら、花芽が発生していました。
我が家は日照条件が良くないので、木は育っても花は付かないとか、花芽は付いても結実はしない等色々悪いことが予想されましたが、花芽を付けることには成功しました。
ただ、全ての芽先が花芽ではなく、全体の中の幾つかと言う範囲です。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、晴れが続けば2日に1回くらいの水やりです。今年は病害虫発生はありません。
2016年11月5日
(1)田中樹姿
(2)田中花芽
(3)クイーン樹姿
(4)クイーン花芽
解説:(1)(3)各種、芽の伸びは止まっていて、後まで伸びていた枝先の葉が展開、充実しているところです。
(2)(4)花芽は成長して一つ一つの蕾が分かるほどになっています。日照条件の良い場所ならばすでに開花しています。趣味の栽培ならこの頃からわくわくどきどきする毎日かもしれません。
今後、確実な開花結実のために、今より日照条件の良い場所へ移動させるか検討中です。
それか、悪いなりにどうなるかやってみるかのどちらかです。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、雨の影響でほとんど水やりを行っていません。肥料は与えていません。
2017年5月1日
(1)田中樹姿
(2)田中開花後
(3)クイーン樹姿
(4)クイーン開花後
(5)クイーン摘果後
解説:(1)(2)冬の間は加温ハウス内で越冬させていましたが、暖房機のトラブルで予想外の低温に遭わせてしまって心配しましたが、凍害については問題ありません。それより開花中の花は結実せずに終わってしまいました。
一般的に開花中の花は低温に弱い傾向があるので、凍害に遭わせてしまったかと思いましたが、下のクイーンは結実したのでそうではなさそうです。
考えられる原因は、水切れになったかもしれません。冬の間は注意が行きにくいので気が付いた時にはかなり乾いていたことは事実です。
(3)~(5)こちらは結実したので摘果を行いました。この木全体で3果残しました。開花結実の進み具合が遅れているので、どの程度肥大して、収穫時期がいつになるのかは分かりません。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、自然の雨に当っています。最近は晴れの日が続いているので、ほぼ毎日水を与えています。肥料は与えていませんが新芽が伸び始めているのですぐに与える予定です。
2017年7月4日・・・収穫
(1)クイーン樹姿
(2)クイーン結実の様子
(3)クイーン果実の様子
解説:(1)(2)日本の産地の収穫期は6月ですが、それと比較して明らかに果実の肥大が遅れていました。それで少しでも追いつこうとなるべく日当たりの良い場所へ置いて様子を見ていました。そうしたら果実がまだ小さいのに色づき始めてしまいました。
それでも収穫せずに様子を見ていましたが、それ以上果実が大きくなることはありませんでした。
(3)果実全体がオレンジ色になってきた頃、蟻の食害が発生しました。蟻の一口は小さくても時間の経過と共に徐々に穴が大きくなり、そこから腐敗が進行しました。
それを見てもうこれ以上置いておけないと判断し、収穫しました。
食味の方は、非常に美味しかったです。スーパーで売られているものより甘みが強く、みずみずしい。
収穫を遅らせたと言うことは、木に付けた状態で完熟させたことになるので、趣味の栽培では結果的に良かったと思います。
蟻が果肉を運んでいくと言うことは、それが甘いことを客観的に裏付けていると言えます。
ビワの様に完熟させると果肉が柔らかくなって、輸送中に傷つきやすくなるタイプの果樹は家庭果樹に向いています。
また、苗を植えてから結実まで、他の果樹ほど時間が掛からないこともお勧めする理由の一つです。
後は、もう少し収穫量を増やせれば良いのですが、鉢植えで何処まで行くかがポイントです。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、自然の雨に当っています。梅雨入り後も晴れの日が多いので、ほぼ毎日水を与えています。肥料は有機質肥料を一回与えてあります。