びわの栽培 2014年7月1日~
鉢植え栽培
このページでは鉢植えびわの苗から結実までの様子を取り上げる予定です。
びわと言うと果実を食べていて中から出てきた種子を播いてみることの多い果物の一つです。物珍しさや、発芽後良く育つことから庭先に植えてある家庭も多いのが現状です。ここではそちらではなく、苗木から育てて結実を目指します。結果は如何に・・・?
解説:写真は市販接ぎ木1年生びわの苗木で、21cmポットに植えてあります。
品種は‘田中’です。
この品種の由来は長崎で栽培されていたびわの種子を関東に持ち帰って品種改良したと言われているものです。
(1)(2)この苗木は裸苗ではなく、元々ポット植えだったもので、土が少なかったため、増し土を行っています。用土は赤玉土、鹿沼土の等量混合に完熟堆肥をおおざっぱに2割位混合したものです。
購入は6月上旬でしたが、しばらく現状維持状態が続いていました。6月下旬になってようやく新芽が動き始めました。よって、まだ無施肥です。
(3)これで生育期が始まったと思った矢先、早速害虫のお世話になりました。マイマイガと言うらしい。おかげで葉がモンステラ状態になったものの、新芽の被害が無かったことが幸いです。
現在の管理は屋外日向に置いていて、数日に1回の水やりのみです。今後生育期間中数回の施肥で生育促進を図ります。
2014年8月3日
2014年9月1日
2014年10月14日
解説:(1)今年は適当なにわか雨で、何もしなくても養分の吸収が活発で枝葉の伸長も順調で「しめしめ」と思っていた矢先、重大な事態を発見した。
(2)株元にテッポウムシが発生したのでした。幸いなことに発見が早かったことから、穴に細い針金を挿入して刺殺することが出来ました。
それでも樹皮を環状に食われてしまったので、何か考えなければなりません。
それにしてもテッポウムシは何でもありな感じがして始末が悪い。今年やられたのは、分かっているだけでトキワレンゲ、マカダミア、フサスグリ等です。今後は粒状殺虫剤の使用を検討しています。
現在の管理は屋外日向に置いていて、数日に一回水を与えています。
2016年5月5日
解説:(1)昨年もう一品種‘クイーン長崎’を購入しました。接木1年苗で最近大手種苗会社でも扱っていて入手しやすくなっています。田中の方は2年経過して見た目は苗から植木になりました。
木は大きくなってきましたが、まだ花を付けるほどでは無いようです。
(2)(3)冬の間は室内へ取り込んでいて、4月から外に出して管理しています。暖冬だった影響もあり新芽が伸び始めています。
我が家は日照条件が悪いため、花を付けるほど枝を充実させられるかどうかが気になるところです。
現在の管理は、21cmポット植えで芽が伸び始めてから発酵鶏糞を与えて、数日に1回の水やりです。今のところ害虫発生はありません。
2016年6月2日
2016年9月25日
解説:(1)(4)この夏は例年に比べて雨が多く水やりの手間が掛からないことが多かったですが、肥料の分解吸収が良く葉の色が濃い緑色になっています。
(2)(3)(5)秋になって今年の成長もこれまでかと思って芽先を良く見てみたら、花芽が発生していました。
我が家は日照条件が良くないので、木は育っても花は付かないとか、花芽は付いても結実はしない等色々悪いことが予想されましたが、花芽を付けることには成功しました。
ただ、全ての芽先が花芽ではなく、全体の中の幾つかと言う範囲です。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、晴れが続けば2日に1回くらいの水やりです。今年は病害虫発生はありません。
2016年11月5日
2017年5月1日
解説:(1)(2)冬の間は加温ハウス内で越冬させていましたが、暖房機のトラブルで予想外の低温に遭わせてしまって心配しましたが、凍害については問題ありません。それより開花中の花は結実せずに終わってしまいました。
一般的に開花中の花は低温に弱い傾向があるので、凍害に遭わせてしまったかと思いましたが、下のクイーンは結実したのでそうではなさそうです。
考えられる原因は、水切れになったかもしれません。冬の間は注意が行きにくいので気が付いた時にはかなり乾いていたことは事実です。
(3)~(5)こちらは結実したので摘果を行いました。この木全体で3果残しました。開花結実の進み具合が遅れているので、どの程度肥大して、収穫時期がいつになるのかは分かりません。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、自然の雨に当っています。最近は晴れの日が続いているので、ほぼ毎日水を与えています。肥料は与えていませんが新芽が伸び始めているのですぐに与える予定です。
2017年7月4日・・・収穫
解説:(1)(2)日本の産地の収穫期は6月ですが、それと比較して明らかに果実の肥大が遅れていました。それで少しでも追いつこうとなるべく日当たりの良い場所へ置いて様子を見ていました。そうしたら果実がまだ小さいのに色づき始めてしまいました。
それでも収穫せずに様子を見ていましたが、それ以上果実が大きくなることはありませんでした。
(3)果実全体がオレンジ色になってきた頃、蟻の食害が発生しました。蟻の一口は小さくても時間の経過と共に徐々に穴が大きくなり、そこから腐敗が進行しました。
それを見てもうこれ以上置いておけないと判断し、収穫しました。
食味の方は、非常に美味しかったです。スーパーで売られているものより甘みが強く、みずみずしい。
収穫を遅らせたと言うことは、木に付けた状態で完熟させたことになるので、趣味の栽培では結果的に良かったと思います。
蟻が果肉を運んでいくと言うことは、それが甘いことを客観的に裏付けていると言えます。
ビワの様に完熟させると果肉が柔らかくなって、輸送中に傷つきやすくなるタイプの果樹は家庭果樹に向いています。
また、苗を植えてから結実まで、他の果樹ほど時間が掛からないこともお勧めする理由の一つです。
後は、もう少し収穫量を増やせれば良いのですが、鉢植えで何処まで行くかがポイントです。
現在の管理は、屋外日向に置いていて、自然の雨に当っています。梅雨入り後も晴れの日が多いので、ほぼ毎日水を与えています。肥料は有機質肥料を一回与えてあります。