プランター栽培
(1)用土
(2)土を入れる
(3)種子
(4)播く
(5)鎮圧
このページでは青首大根のプランター栽培を取り上げています。
大根は日本の食卓で最も馴染みのある野菜と言えるでしょう。それは年中スーパーで買うことが出来るからです。年中出回っていると言うことは、年中育てることが出来ると言うことです。春蒔き大根は夏蒔きほど食味は優れませんが、育てることに苦労はしませんから、時期をずらして蒔いておけば、買わずに済む。下記に紹介する。
播種時期、及び準備
- 大根は発芽してから本葉数枚までの小さな時期に寒さに遭うと薹立ちして菜の花を観賞することになる。よって、ある程度暖かくなってから蒔くようにする。最近は気温の変動が大きいので、寒さが予想される場合は、何らかの資材で保温に努める。
- 容器:標準プランター、大型鉢等。
- 品種:春播き用大根(夏秋栽培向け品種を使えないこともありませんが、専用のものを使った方が失敗が少ない。
- 用土:写真は庭土に完熟堆肥を2割程度混ぜたもの。他には赤玉土小粒、又は各種培養土に同じように完熟堆肥を2割程度混ぜたもの等。
手順
- (1)用土を混合し(2)プランターへ入れる。このときウォータースペースは取っていない。また、元肥は入れていない。縁まで土を入れ、後で水を与えて沈んだ分をウォータースペースとした。
- (3)種子は一箇所一粒、合計二粒播くことにした。(4)間隔は30cm程度取り、(4)1~2cmの深さまで押し込むように蒔き、(5)土をかけて上から押さえて土と種子とを密着させた。
- その後、水を与えて終了。
基本管理
- 置き場:日当たりの良い場所。自然の雨に当たっても問題ない。
- 水やり:発芽してくるまでは、土を極端に乾かしてはならない。土の表面が乾いてきたら底から少し流れ出る位与える。
- 肥料:元肥入れていない。今後与えるかどうかは生育状況を見て決める。
- 病害虫:特に無し。
2010年5月11日 発芽始まる。
(1)全体の様子
(2)発芽始まる
解説:(1)(2)播種から5日位で発芽してきました。2箇所に一粒ずつ蒔いて、両方共に同じように発芽してきました。これは栽培技術ではなく、種子の品質の問題です。
今後、害虫に狙われなければ順調に行くはず!!
2010年5月16日 双葉展開する。
全体の様子
解説:発芽自体は問題なく播種後1週間程度で出揃った。しかし、ここへ来て3℃台の冷え込みに2~3回遭ってしまった。このことで今後順調に生育したとしても、薹立ちの可能性が高まったかもしれない・・・。
一応このプランターはこのまま栽培を続けます。今後予備にもう一つプランターを用意するつもりです。結果は如何に・・・。
2010年5月23日 本葉出始める。
全体の様子
解説:一時期の冷え込みは無くなり、夏の様な陽気が続いたこともあり生育は順調です。やや害虫にやられている様な感じはするが、農薬散布は行わない。
害虫は発芽してから本葉4~5枚くらいに育つまでが最も狙われやすい。もう少し大きくなれば害虫の心配は少なくなる。
今は週に2回くらいの水やり。また肥料は与えていない。
2010年6月1日 本葉増える。
全体の様子
解説:本葉の数が増えて切れ込みのある葉が出てきた。順調に育っている様に見えるが、何か小さな害虫が影響を及ぼしていると思われる。ただ、枯らす程ではないため、薬剤散布は行わずに様子を見ている。
今も週に2回くらいの水やり。また肥料は与えていない。
2010年6月11日 本葉更に増える。
全体の様子
解説:切れ込みの多い葉が増えてきた。ここまで来れば病害虫の被害は考えなくても良い。後は水を切らさないように気をつければ育つはず・・・。
葉が繁ってきたこともあり土が良く乾くようになってきた。水やりは2日に1回。肥料は与えていない。薬剤散布も行っていない。
2010年7月1日 薹立ち始まる。
(1)薹立ち
(2)他の株
解説:(1)やはり春先の低温の影響で、薹立ちしてしまった。こうなると大根としての収穫は出来なくなる・・・残念!
(2)そんなこともあろうかと別のプランターに種を播いておいた株が大きく育ってきた。しかし、今年は蛾の幼虫による食害が激しくて、収穫まで至るか余談を許さない。
管理面では追肥は与えていない。水やりは土の表面が乾いたとき、下から少し抜ける位与えている。
2010年7月14日 生育進む。
全体の様子
解説:害虫被害の峠を越えたことで、きれいな葉が広がってきた。それでも葉数の割には大きく育っていない。
今後の成長がどうなることか・・・。
2010年7月28日 薹立ち始まる。
全体の様子
解説:最初のプランターは生育初期に0℃近い低温に遭ったため、間違いなく薹立ちすると予想され、実際にそうなりましたが、二つめのプランターまで寒さの影響を受けていた様で、手前の株は薹が立ち始めた。
播種時期は平年並みの気温で推移した場合、間違ってはいなかったのですが、今年は異常気象だったと言うことです。
今後奥の株がどうなるか気になるところです。
2010年8月7日 開花する。
(1)全体の様子
(2)花の様子
(3)根の様子
解説:(1)(2)5月から掲載して参りました大根ですが、後で播いたものまで薹立ちし、白い花を咲かせた。
(3)肝心の根の方はある程度育っていただけに、急激な気温変動がなければ、収穫出来ていたと言うことです。
・・・と言うことでこれで終了とします。
2012年8月1日 成功例。
育った大根
解説:以前は不本意な結果だったプランターによる大根栽培ですが、今年再び挑戦していました。
今年は春以降、大根を薹立ちさせるほどの低温にはならなかったため、順調に生育しています。それがかえって土の乾きを促進させ葉先枯れを発生させました。
現在の大きさはスーパーで売られているものほど大きくありませんが、家庭で利用する分には問題の無い大きさまで育っています。
2012年9月1日 成功例。
(1)全体の様子
(2)根先
解説:今月は大根をプランターで育てたら、根先はどうなるか・・・です。
幾つか育てて見ると、根が伸びていって底に当たって伸びが止まってしまうものと、横に伸びるものとに分かれます。全体の印象としては、伸びが止まってしまうものはあまり大きくならないです。
横に伸びるものの方が大きくなります。
ここでプランターで育てた目的を紹介します。畑でも容器でも大根を育てようとすると、その根が真っ直ぐ収まる土の深さが必要だと思われますが、そうとは限らないと言うことです。
それは元々丈夫な野菜であるので、十分な深さが無かったとしても与えられた条件の中で、それなりに育ちます。根が曲がってしまってはだめだとは言えません。それは根先が辛いので、食味としては劣る。その部分が犠牲になるのなら、問題は少ない。
プランターなら手軽に育てられるのでベランダ園芸にも向いている。一つ大変だったことは大きく育ってきてからは土が乾きやすくなって、気が付くのが遅れると葉焼けを起こすことです。