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極楽鳥花植物園 Strelitzia Botanical Garden

園長のガーデニング・綿 このページでは園長による趣味のガーデニングを取り上げています。

綿の栽培 2011年5月1日~

地植え栽培

(1)種子の様子

(2)双葉の様子

(3)発芽の様子

このページでは綿の播種から定植、収穫までを取り上げています。

綿と言えば身の回りで最も多く使われている繊維と言っても過言ではないでしょう。衣類から寝具までいろいろあって、お世話にならない日はありません。

ところがこの綿がどの様な植物で、どの様に成るのかご存じではない方が意外に多いことも事実です。そこで今回は播種から収穫まで取り上げます。

    基本管理他
  • 種子の入手:通信販売等。写真は自家採取のもの。市販の種子はもう少し種子の周りの繊維が取り除いてあります。
  • 用土:清潔で水持ちと水はけの良いもの。例:花や野菜等の育苗培土。上の写真では粘質土小粒に完熟堆肥を0.5~1割混ぜたもの。
  • 鉢:一般的には9cm位の小型ポリポットを用いる。ここでは育苗箱に播いています。
  • 播種方法:一鉢当たり一粒、種子が隠れる程度の深さに播き、その後水を十分を与えて種子に吸水させる。
  • 置き場所:日当たりの良い場所。
  • 地温:25℃に保つ。自然条件より底面加温で温度を保ちたい。特にまだ気温の低い地域では、生育期間を長く取りたいので、早くある程度の大きさの苗に育て上げたい。
  • 水やり:土の表面が乾いてきたら鉢土全体が湿る様に与える。以降、同様。土の表面が中途半端に乾いた状態で水を与えてしまうと立ち枯れ等の悪い結果を招く。
 

以上の条件が整っていれば数日で発芽し、大体1週間経過すれば出揃う。5日以上経過しても出てこない場合は、種子が悪かったか、地温が低かったことが考えられる。種子が腐っていなければ、地温の上昇で出てくる可能性がある。また、発芽してからすぐに枯れてしまった場合は、用土や鉢が清潔ではないことが多い。

2011年5月14日 本葉出始める。

全体の様子

解説:播種から1ヶ月位経過しました。ようやく本葉が出始めました。間隔が近いことと、加温していることも影響して茎が徒長気味です。それでも以前よりは茎がしっかりしてきました。

しかし、まだ鉢上げは行いません。本葉が2~3枚になってから考えます。それはあまり早く行うと、立ち枯れを起こす危険性が高まるからです。それはオクラの育苗と同じです。それでこの手の植物は最初からポットに一粒ずつ播いて苗を作りますが、我が家では育苗スペースの節約のため、育苗箱に播いています。

この育苗箱には他にゴーヤ、メロン、唐辛子等も播いていてそれらは先に鉢上げを行ったところです。

現在の管理:日当たりの良い場所で、夜間は底面加温。日中は蒸れないように換気している。

水やりは土の表面が乾いた時点で与えている。

2011年5月23日 鉢上げ。

(1)苗の様子

(2)抜いたところ

(3)位置決め

(4)用土を入れる

(5)鉢上げ後

(6)完了

解説:(1)苗が育って土が乾きやすくなったり、混み合っていること、生育が停滞気味になってきたことから、鉢上げを行いました。大きさは20cm以上には育っています。発芽時との違いは茎が堅くなってきたこと。ここまで来れば鉢上げ後、悪い菌による立ち枯れを防ぐことが出来る。

(2)~(6)手順は全て抜いて、今までの地面が変わらないように6cmポットに植えました。全て植えたら鉢底から少し流れ出る位水を与えている。

用土は播種時と同じものです。ポットが小さいのはこれで長くは育てないと言うことです。今後落ち着いたらすぐに定植する予定です。

今のところ病害虫の発生は見られない。

今後の管理:活着するまでは半日陰から日陰で風の当たらない場所、その後は日当たりの良い場所へ移す。

水やりは土の表面が乾いた時点で与える。

肥料は与えない。

2011年6月1日 活着する。

全体の様子

解説:鉢上げから1週間経ちました。その間ほとんど雨か曇りだったので、順調に活着しました。葉の一部に葉焼け跡がありますが、大きな問題ではありません。

これからは日当たりの良い場所へ移してもう少し育ってもらいます。

今のところ病害虫の発生は見られません。

2011年6月16日 定植。

(1)ポット苗

(2)定植後

解説:6cmポットに鉢上げ後活着し、土が乾きやすくなってきたことから定植することにしました。

定植場所は日当たりと水はけが良いこと。出来ればポリマルチを施した方が生育が良い。又はハウス内。土作りは行っていません。それはこの場所が肥えた土だからです。今後活着して育ち具合を見ながら追肥を考えます。

2011年7月1日 活着。

(1)全体の様子

(2)芽先の様子

解説:(1)どうやら活着したようです。植えてから1度も水を与えていないにもかかわらず、よく活着したものです。最高気温が30℃を超えてもしおれたりしていないので大丈夫そうです。

(2)早速害虫が目を付けたようです。小さな黒っぽいものは蟻で、アブラムシの世話をしています。これから大発生する予感がします。今後どうなる事やら・・・。

2011年8月1日 開花始まる。

(1)全体の様子

(2)株の様子

(3)花の様子

(4)つぼみの様子

(5)つぼみの様子

(6)アブラムシ

解説:(1)(2)先月まではようやく活着したひょろっとした苗だったんですが、例年より早く梅雨明けした影響もあり、旺盛に育ち始めました。そして花も咲かせるようになったのです。

(3)(4)(5)花は直径7cm位で花弁は5枚、色はいろいろあります。きれいな花ですが、1日花です。各枝に1~2個の花を次々に咲かせる。

(6)先月からアブラムシが発生し、今も続いています。これは放置しておいても、後に悪影響を与えることはありません。一時的に生育が緩慢になった様に感じられますが、後に旺盛に育つ様になります。よって、薬剤散布は行いません。

今のところこれ以外の害虫は見られませんが、秋になるといろいろと発生する様になります。

2011年9月1日 開花結実続く。

(1)全体の様子

(2)

(3)害虫被害葉

(4)花の様子

解説:(1)だいぶ育って草丈は100cmを超えています。(4)夏場の高温期は生育旺盛で毎日花を咲かせています。

(2)花が終わった後には鞘が膨らんできています。茶色の枯れ葉のようなものは枯れた花です。

2011年10月1日 熟す。

(1)全体の様子

(2)綿の様子

(3)繊維の様子

(4)害虫被害葉

解説:(1)新芽が伸びなくなったり花が咲かなくなった株が多くなったので、肥料不足かと振り返って見ましたが、涼しくなってきたことが原因のようです。

(2)(3)少し前から最初に咲いた花の果実が熟してきました。鞘の先端が割れて綿が顔を覗かせた。この様になったら摘み取ります。

この株は一般的な白い繊維ではなく緑色の系統です。薄茶色に見えますが、中にある種子の周りは緑色が濃い。(3)は分かりやすいようにほぐしてあります。これからしばらく収穫期が続きます。

(4)秋は蛾の幼虫による食害を受ける事が多い。この様に葉を丸めて内部に潜んでいるため、薬剤散布を行っても効果を実感出来ないことがある。数が少なければ、指でつぶせば良い。

これからはなるべく雨には当てない方が良い。せっかく熟した繊維を傷めないためにも。

2011年11月1日 収穫する。

(1)全体の様子

(2)株の様子

(3)収穫した綿

(4)個々の様子

解説:(1)(2)10月以降、朝の冷え込みが0℃近くなって株の生育は完全に止まっています。今は残った葉で果実を熟そうとしている状態です。

株の下側に付いた果実から熟してきて口を開いたものが多くなった。それで今回は思い切って収穫しました。

(3)これが10月末に全体で十数株から収穫した綿です。もっと早く種を播いていれば草体も大きくなって収量も多くなったのですが、今年は遅かったので仕方ありません。今後寒さが来る前に同じくらい収穫出来るかどうかです。

(4)これは青カビが生えているのではありません。こういう種類なんです。綿なんか買えば良いと言う方もおられるでしょうが、自家栽培の綿の特徴は、非常に柔らかでふかふかしているんです。触っていると気持ち良いんです。それでいて引っ張ると結構強いと言った相反する性質を持っていると言えるでしょう。

これ以外にも一般的な白い綿と茶色が強いもの等色がいろいろあるので趣味栽培では結構楽しめます。

2011年12月1日 収穫続く。

(1)全体の様子

(2)個々の様子

解説:(1)11月中旬以降、数回氷点下の冷え込みによって、葉の多くは枯れてしまっています。かろうじて茎の先端部にある数枚の葉が緑色を保っていますが、光合成を行っているか、疑わしい状態です。

(2)葉が枯れてしまうともう終わりだと思いがちですが、この頃になって口を開く鞘もあります。これは単に綿が取れたと言うことだけでなく、内部にある種子も発芽能力を持っています。

綿は気温の高い条件で良く育つ熱帯系の植物ですが、種子は意外に丈夫で氷点下の冷え込みに複数回遭った位では発芽能力を失わない。また、数年間播かずに保管しておいても同様である。

もうだめかと思って、播いてみると数日で柔らかい双葉を展開してきて生命力の強さに感心させられます。よくあの薄い種皮だけで守られていたものだと思わせます。

以前路地で育てていて収穫せずに放置しておいた種子が一冬超して初夏頃発芽してきた経験があります。当地方は寒冷地なので、真冬は-10℃以下に下がることも珍しくなく、それでも枯れないことに驚かされます。さすが綿100%の布団にくるまっているだけのことはあります。

草体の耐寒性の無さと、種子の耐寒性の強さとのギャップがこれほど大きな植物はなかなかお目にかかれません。

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