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極楽鳥花植物園 Strelitzia Botanical Garden

ウコン このページでは園長による趣味のガーデニングを取り上げています。

ウコンの栽培 2004年5月~

地植え栽培

発芽

このページではウコンの地植え栽培の様子を取り上げています。

昨今の健康ブームはかなりのもので、新聞や雑誌等で様々なサプリメントや健康器具が目を引きます。また園芸カタログにも「○○の条件に当てはまる方にお勧め」といった薬草が多く掲載されています。その中でちょっと気になっていたのがウコンです。ウコンのイメージといえば熱帯原産ショウガ系の植物、カレーの黄色、苦い等です。

実際に栽培する上で一番問題と考えていたのは寒さに弱いということでしたが、結果は如何に・・・。

写真はハウスに植えて2年目の、ウコンの芽

ハウス内であっても、芽が伸び始めるのは6月近い。これは球根植物のカラーと同じ。最初は白い芽が出て、日が当たり緑色になる。

    栽培条件等
  • 栽培適地:日当たりが良い場所。
  • 気温:夏場は自然条件。冬場は土壌を凍結させない位。詳しくは、このページ下部記事参照。
  • 越冬:熱帯原産の植物を育てる時はいつも突き当たる問題ですが、どの程度低温に耐えるのかが問題でした。1年目は全て掘り上げて、ビニール袋に入れ、室内の暖かい場所に置いて越冬させました。これで腐ることも、カビが生えることもなく越冬しました。現在は加温ハウス内植えっぱなしです。
  • 湿度:夏場は多湿の方が伸び伸び育つ。路地よりもハウス内の方が良く育つのはそのため。
  • 土壌:土は肥えていた方が良く育つ。
  • 肥料:あまりやらなくてもよく育つ。植えた場所がストレリチアのハウス内と言うこともあり、ウコンのために肥料は一度も与えませんでした。それでも良く育ったのは環境と、土に肥料分が残っていたということですが、実際にはある程度与えた方が良い。
  • 水やり:路地では不要。ハウス内では水分が多い方が良く育つ。
  • 病害虫:害虫は心配無い。周りにあるストレリチアの苗は蛾の幼虫が付きますが、ウコンには付かない。ウコン特有の臭いが影響しているようだ。病気はこのページ最下部参照。
  • 栽培難易度:容易。とにかく植えれば育つ。といった印象。日光と十分な水、温度、湿度等が重要。寒冷地では夏は無加温ハウス内、冬期は掘り上げて室内越冬で栽培出来る。
  •  
      種球根の選び方
    • カビが生えたり、腐っていないもの。
    • 極端に乾燥していないもの。しわが少ないもの。
    • 一欠片が大きいもの。
    • 球根の芽先が傷んでいないもの。

等です。出来れば、スーパーで売られているショウガ位みずみずしいものが欲しい。

春ウコンの開花

(1)花の様子

(2)草姿

春ウコンは春芽の出る前にまず開花するということだったが、当方では芽が出てある程度大きくなってから、しかも春ではなく夏に開花しました。大きさは高さ15cm程。

株はかなり大きく育っている。

秋ウコンの開花

(1)開花の様子

(2)花の様子

こちらは秋ウコンの花です。春ウコンと違い、株がある程度育ってから開花しました。

花は大きく30cm位あります。中心から黄色い花弁がのぞいている様は、デンドロビュームを彷彿とさせる。結構きれい。

生育後期

秋になり、気温が10℃を下回る様になると葉が痛み始めます。この株は0℃近い寒さに遭っていますが、完全に枯れてはいない。

根茎の様子

根茎

11月になり葉を刈り取りました。表土を少し取り除くと根茎が見えます。この先端から翌春芽が出る。

収穫、2005年1月末

(1)根茎

(2)根茎

(3)切り口

とりあえず一株掘り上げてみた。根茎はみずみずしく折れやすい。なめるともちろん苦い。

再度植える時は少しばらして間隔を空けてた方が良い。

越冬、2007年秋~2008年春

越冬後

写真は2007年春、路地に植えたウコンの2008年7月1日の様子です。つまり路地で越冬しました。熱帯系植物と思われていたウコンですが、冬期間-8℃以下の冷え込みが数十日もある当地方でも一工夫することで路地で越冬することが確認されました。

秋に何もしなかった場所のウコンは全て枯れてしまっています。この芽は秋に籾殻を30cm位被せておいた場所のものです。このことから当初の予想より寒さに耐えることがはっきりしました。

恐らく関東以西の地域であれば特別のことはしなくても路地で越冬する可能性が高い。ただし、寒冷地では工夫することで路地でも越冬はするものの、夏場旺盛な生育は期待出来ないことに変わりはない。

病害虫・・・ウイルス病

(1)春ウコン花

(2)葉の症状

(3)葉の症状

草体に臭いがあるので害虫は付きにくいと思っておりましたが、ウイルス病が出ると言うことは、アブラムシかハダニ等が付いているのかもしれません。

昨年も同様な病斑が出たので間違いない。ただ、他の植物と異なり夏場の生育は悪くはありません。ただ、宿主を育てているわけにもいかないので、処分か全て食用に回すことになります。

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