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極楽鳥花植物園 Strelitzia Botanical Garden

園長のガーデニング・トキワレンゲ このページでは園長による趣味のガーデニングを取り上げています。

トキワレンゲの栽培 2012年1月1日~

鉢植え栽培

(1)樹姿

(2)枝振りの様子

(3)花芽の様子

(4)害虫被害

このページではトキワレンゲの鉢植え栽培を取り上げています。

この世に良い香りを放つ植物は結構あり、日常生活でも見つけることが出来ます。一般的なものとしてジンチョウゲ、バラ、キンモクセイ等。それらはそれぞれまあ良い香りなのですが、植物の中には特に良い香りを放つものが存在する。その一つとしてトキワレンゲが挙げられます

夏場の気温の高い時期、どこからともなく甘い香りが漂ってきますが、花は目立たないためそれが何の香りか分からないことが多い。運よく見つけられたとしてもそれが何なのか分かる人は少ない。

それはそれほど出回っていない。また、園芸テキストにも載っていない。実態の良く分からない植物です。そこで今回、あまり知られていない、魅力的なトキワレンゲを紹介します。

解説:(1)(2)通信販売で購入した苗から数年育てたものです。以前はもう少し丈が高かったのですが、2~3年前夏に葉焼けを起こしてしまって、ただ単に葉が枯れるだけかと思っていたら、枝まで枯れ込んでしまって一時はどうなることかと心配させたが、その後回復して枝数が増えてきたところです。

(3)この時期は枝先に花芽を確認することが出来ます。このちょっとした突起の様なものが花芽です。モクレン科の植物は一般的に花芽が大きいのですが、この種はこの程度なんです。

    基礎データ
  • 樹齢:5年以上10年未満
  • 樹高:45cm
  • 鉢:8号長鉢
  • 購入先:種苗会社通販
  • 価格:ポット苗が数百円から少し大きいもので千数百円程度。決して高い物ではない。
    主な管理
  • 株の状態:夏場気温が高くなると生育して開花する。その後、芽を伸ばしその先端に花芽形成する。気温が高ければ再び開花し、また芽を伸ばしを繰り返す。冬場は生育しない。
  • 置き場所:夏場はやや遮光下。その他季節は直射日光下。夏場は直射日光で葉焼けを起こしやすい。そうなると生育が悪くなる。
  • 気温:夏場は自然条件。冬は氷点下にならないようにする。氷点下になってもすぐに枯れてしまうことはないが、草勢が衰えて夏場の生育が悪くなることがある。
  • 鉢:大体何でも可。
  • 用土:水持ちと水はけの良いものが管理しやすい。上の株は用土:鹿沼土や赤玉土の小粒主体に完熟堆肥1割位混合したもの。
  • 水やり:鉢土表面が乾いたら、鉢土全体が湿る様に与える。尚、自然の雨に当てて良い。
  • 肥料:新芽の伸びている間は与える。有機質肥料でも液体肥料でも可。上の株は生育期間中数回発酵鶏糞を与えている。量は一般的な植物と同じ位。
  • 病害虫:蛾の幼虫、カイガラムシ、テッポウムシ(上記4参照)。解説:一番太い幹の地際を中心に発生したテッポウムシ。幹の内部と、樹皮を環状に食い荒らす。食害跡にはおがくずを付着させるので気づきにくく、異変に気がついたときは重症のことが多い。写真の箇所は幹右側のおがくずは取ってある。幹に開けた穴の中に幼虫がいることと、殺虫剤に感受性があるので、駆除は簡単。発生は夏から秋にかけて。

2012年3月1日 無事越冬して・・・

(1)樹姿

(2)花芽の様子

解説:(1)冬の間、南側の無加温の部屋に取り込んだので、晴れれば窓越しの日に当たっていました。気温は最も下がったときは0℃前後になりましたが悪影響は今のところ見られません。変化は古い下葉が数枚枯れ落ちた程度です。

(2)1月とは別の枝先に花芽を見つけた。これで全部で3つになりました。他の枝先でも変化が見られるので、今後もう少し数が増えるかもしれません。

今は、厳しい冷え込みが無くなってほっとしているところです。

2012年5月1日 外に出して・・・

(1)樹姿

(2)花芽の様子

(3)害虫被害

解説:(1)4月になって気温が上昇してきたことから外に出しました。寒さより葉焼けが心配されることから用心深く、最初は明るい日陰に置き、現在はビニールハウスの北側に置いてあります。(ハウス外)

(2)花芽は結局2つだけでしたが、すでに大きくなり始めています。現在の高温傾向が続けば例年より早く咲くかもしれません。

(3)昨冬室内に取り込んだときは気が付かなかったのですが、害虫にやられました。葉が重なっていた所に小さなイモムシがいて、葉を食べていました。無農薬栽培なので仕方がないと言えば仕方がない。

管理面では、置き場所はやや遮光下で直射日光に葉当てていません。まだ肥料は与えていません。芽が伸び始めたら与えます。水やりは表土が乾いたら与えています。雨が降れば掛かっています。

2012年6月1日 生育始まる

(1)樹姿

(2)花芽の様子

(3)他の花芽

(4)新芽

解説:最低気温が10℃前後で落ち着いてきたことから、今までより株に動きが感じられるようになってきました。

(2)は最も大きな花芽の様子です。大きさはふやかした大豆大です。

(3)こちらは2番目に大きな花芽です。大きさは乾燥大豆大です。花芽は全部で3つ付いています。

(4)新芽の方も動き出して葉が確認できる様になりました。このタイミングで肥料を与えました。最近は不安定な天気が続いて、午後は自然の雨が掛かって肥効が高まっています。

置き場所は相変わらずビニールハウスの北側ですが、この意味は直射日光が複数のビニールを通過することで、いくらか遮光されるのです。それで日陰より明るく、直射日光より柔らかい丁度良い明るさになっている・・・と見ている。

それで今年は葉焼けを起こしていません。この植物は葉焼けを起こさないことが重要です。

2012年7月1日 つぼみ膨らむ

(1)樹姿

(2)つぼみ

(3)新梢

(4カイガラムシ

解説:(1)(3)梅雨の割に天気が良い日が続いています。心配された葉焼けもなく、順調に育っています。

(2)つぼみは膨らんで、長さは2.5cmくらいになっています。このままいけば今月中に開花するでしょう。

(4)気温が上がってから虫の活動も活発になって、ついにカイガラムシが付き始めました。茶色の殻を持つタイプです。蟻が付きっきりで面倒を見ています。このまま放置すれば木全体に広がってしまうので、この後駆除しました。

2012年7月19日 開花始まる。

(1)樹姿

(2)横から

(3)下から

(4)上から

解説:(1)~(4)梅雨明け後、気温の上昇で見る度につぼみが大きくなっている様な状態になって、7月19日についに開花しました。

今年最初の花で、大きく立派でしたが、完全に開いた後は残念ながら香りはあまり漂いません。咲き始めが肝心なんですよね~ ・  ・  ・。

2012年7月25日

(1)樹姿

(2)開花後

(3)二番花

(4)咲き始め

(5)花芽

解説:(1)(3)(4)一番花が散ってから約1週間後、二番花が咲き始めました。何故、咲き始めたと分かったのかと言いますと、香りが漂ってきたからです。屋内にいても風に乗って甘い良い香りが感じられたので、もしかして・・・と思って確認して見たらつぼみが割れていました。

一番花は無臭で二番花が良く香った理由は良く分かりません。気温、湿度と私の鼻の問題です。

この香りを言葉で表現するのはなかなか難しくて、色々考えてみました。私のイメージとしては、飲み物で例えるならば、「クリームソーダ」です。炭酸のさわやかさと、乳製品の濃厚さを併せ持った様な香りが合っていると思います。

又は、他の農産物で例えるならば、良く熟したネットメロンが近いかもしれません。

(2)一番問題なことは、香りを考えているうちに花が散ってしまうことです。約2日咲いて、その次の日には散っているから金木犀ほど長く考えている暇が無いと言うのが現実です。

(5)はなんと今年伸びた枝先に花芽が出来ました。この様なことは栽培を始めてから初です。当地方は寒冷地で夏が短いため珍しいということです。尚、花芽はこれ以外にもう一つあるので、熱帯であれば意外な事ではないのかもしれません。

2012年9月1日 秋になって

(1)樹姿

(2)四番花

(3)新芽

(4)花芽

解説:(1)先月の開花以降、しばらく動きが無かったのですが、つぼみは徐々に大きくなって8月末になって花が連続して2つ咲きました。

(2)はその2つめの花で、今年4つめの花になります。先月と同様で咲き始めのつぼみが割れた時の方が香りが良く漂いました。

(3)今年は比較的高温傾向なこともあって、再び新芽が伸び始めました。

(4)もしかしたらと全体を見てみたら、多くの芽先には花芽が形成されていた。今この大きさなら、これから咲いてくるかもしれません。

2012年10月6日

(1)樹姿

(2)咲き始め

(3)新梢

(4)新梢

(5)枝先

(6)全体の様子

2012年10月11日

(7)2日目の花

(8)新梢

(9)花芽

(10)開花後

(11)全体の様子

(12)開花の様子

2012年10月14日

(13)2日目の花

解説:今年は秋の気温が高かったため株の生育が旺盛です。それでこれは来年咲くかな~と思っていた花芽が秋になって咲き始めました。上段の写真5枚は10月6日のもの。

2何れも開花1日目のつぼみが少し割れたくらいの時(2)が最も良く香り、2日目以降、花としての見頃(7)(13)になると香らなくなっています。

(7)以降の5枚は10月11日。(13)は10月14日。

10月中旬以降、最低気温が一桁になっても新芽は伸びていて、我が家の環境に良く慣れてきています。他に気が付いた点としては熱帯系の植物にしては高湿度は必要なさそうです。

現在の管理は土の表面が乾いた時点で水を与えているだけです。肥料は与えていません。自然の雨には当たっています。置き場所は春から変えていません。今後氷点下の冷え込みが予想されるときは室内へ取り込みます。

2012年11月1日 秋は深まって

(1)樹姿

(2)開花後

(3)つぼみ

(4)新梢

(5)新梢

(6)花芽

解説:(1)10月に入って急激に気温が低下しましたが、それほど影響は見られません。(2)は今年8つめの花で10月下旬に咲いて現在は散っています。開花が雨の日であったり気温が下がっていても良い香りは漂っていました。この花は珍しく開花二日目でも香りを漂わせていた。

(3)は今年最後の大きなつぼみです。まだ未開花ですが、鼻を近づけると良い香りがします。このつぼみの開花は時間次第と言ったところです。

(4)(5)新梢は現在も伸びていて、ある程度伸びた枝先には小さな花芽が形成されつつあります。(6)以前に伸びて茎や葉が硬化した枝先にはすでに花芽が確認できます。

現在の管理は土の表面がよく乾いた時点で水を与えています。肥料は与えていません。自然の雨には当たっています。置き場所は春から変えていません。日が傾いたため、日照時間は少なくなっています。今後氷点下の冷え込みが予想されるときは室内へ取り込みます。

2012年12月1日 冬になって

(1)樹姿

(2)上から

(3)新梢

(4)花芽

(5)開花後

(6)株元

解説:(1)11月中旬頃から氷点下に冷え込む様になったため室内に取り込みました。(5)その後、最後に一つ残っていたつぼみは香りを漂わすことなく開花し、今年の開花は終えました。

(3)今年は秋になっても気温が高い傾向が続いていたことから株の成長は旺盛で新芽の伸びが見られた。しかし、後から出てきた芽に関しては、その後急速に気温が低下した影響で中途半端な状態で動きを止めてしまった。

(4)それより前に伸びた枝先にはすでに来年咲く花芽が形成されている。

(6)枝先から伸びる枝以外に、株元からも芽が伸びてきている。枝数が増えれば開花数も増えることから、これは切らずに様子を見ることにした。

現在の管理は、室内の窓越しの日光が当たる場所において、土の表面が乾いた時点で水を与えています。

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