根腐れで植え替えは必要か
水やり過多による根腐れを考える。
よく、植物の調子が悪い時の原因の一つとして、「根腐れ」を疑います。それで対処法としては、鉢から抜いて土を全て落とし、腐った根を切り落として、新しい鉢と土で植え替える事が行われています。果たしてこの行為は必要なのでしょうか。検証します。
園芸テキストでもテレビでもとにかく根腐れを起こしたら、根を切って植え替える対処法が行われています。
それを見て、よくそんな面倒なことをやっておられるなあと思っています。
それはもし、その根腐れの原因が「水やり過多」だったら、植え替えは必要無いからです。
その理由は、人間で例えると、根腐れは「細菌感染」でも無ければ、「悪性腫瘍」でもないからです。
つまり、その条件で根が生きていけないほど滞った水が存在していたから腐ってしまっただけなのに、わざわざ腐った根をきれいに取り除かなくても生死に影響は与えないと言うのが私の見解です。
具体的に水やり過多による根腐れになってしまったらどうすれば良いのかと言いますと、植え替えないでただ水やり間隔を今までよりも長くすれば良いだけのことです。
この方法はストレリチアでは有効です。
もし、植え替えないで枯れてしまったなら、それは腐った根を取り除く植え替えをしなかったからではなく、植え替えてもだめな状態だったと言うことです。つまりこれは手遅れを意味します。
ストレリチアが調子を崩した時、大丈夫な時は特別なことをしなくても大丈夫で、だめな時は何を行なってもだめと言うことです。これははっきりしています。
その他植物での検証はあまり行えていませんが、多くの植物で可ではないかと思います。
だめなケースは、水苔植え洋蘭の様に植え込み材料が一緒に腐っている時はきれいにした方が良いと思います。その他、肥料過多による根腐れは土を取り替えなければなりません。これはなるべく早い方が良い。
植物は元々自然に自生していて、多少の困難があってもその種の生命力で乗り切っていけるはずです。
もし、枯らす原因があるとすれば、人が色々やるからだと考えます。よって、悪い状態になってしまった時、人が何もしないことが実は最も有効な対処法であることに気が付いないことが多い。
それと、植物は色々種類が存在しているのもかかわらず、杓子定規でやってしまうことはどうしたものかと思う今日このごろです。
以上のことから、「水やり過多による根腐れの対処は放任で・・・。」がお薦めです。
※過去数十年に渡る園芸経験を元に記載しています。