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極楽鳥花植物園 Strelitzia Botanical Garden

何か変だぞ!園芸の常識 このページでは園芸の常識を検証しています。。

ごろ土は必要か、水はけの悪い土は悪い土か・・・。

1,ごろ土は必要か

多くの園芸テキストで植物を鉢植えにする際、「鉢底にごろ土を入れて下さい。」と紹介されている。以前は粒の大きなもの、例えば大玉赤玉土や軽石を入れたりしていた。最近ではご丁寧に専用のごろ土まで販売されている。そのごろ土を入れる理由は「水はけを良くするため。」だと言う。

ここでまず考えたいことは「鉢植えは水はけが悪いのか?・・・」と言うことです。そこで分かりやすいように鉢と土を別々に考えてみます。

最初に鉢についてですが、これは考えてみなくても水はけが良いんです。それはそこに穴があるから・・・?!。

現在市販されている植木鉢やプランター等は材質や形はいろいろあっても必ず底に一箇所から複数、穴が空いています。よって、何も入れていない鉢に水を注げばどんどん底から抜け出てしまう。つまり、水はけが良い構造になっていることは明らかです。特に最近のプラ鉢では上げ底になっていて、余分な水が残らないようになっている。このことから、鉢には問題が無いことが分かります。

次に土についてですが、多くの植物を植える際、よく聞かれる説明は「水はけと水持ちの良いもので植えましょう。」です。具体的には以前は「赤玉土:8に腐葉土:2」の混合、最近では各種専用の用土が売られています。

もう、説明の必要が無いことですが、これらの土は水はけが良いです。特に赤玉土や鹿沼土等の粒状土は水を与えればすぐに鉢底から水が出て、滞ることはありません。

以上のことから鉢にも土にも水はけが悪い要素は見当たりません。もちろん鉢にその用土を入れても水はけが良いことは変わりません。それでも何故ごろ土を入れなければならないのか・・・。

ここでは良心的に受け取って考えます。例えば素焼き鉢のように鉢底の中央にのみ穴が空いている鉢を水平ではなく、やや斜めに置かれていたと仮定して、水やり後、鉢底の角に水が貯まってしまったとします。果たしてそれが植物にとって悪いことになるのだろうか・・・?。

答えは「No,」です。

それは今まで数十年に渡る園芸経験において、水やりが適切に行えてさえすれば問題になったことが無いからです。例え水やり直後、一時的に水が貯まってしまったとしてもその後、植物による吸水と、鉢土表面からの蒸発で過湿状態は解消されます。

その後に鉢土表面が乾いてきます。

つまり水やりの基本「鉢土の表面が乾いてから与える。」を守っていれば土壌水分過多で根腐れにはならないのです。もし、根腐れを起こしてしまう場合、それは鉢底角に水が貯まってしまったからではなく、水やりのタイミングが早すぎたから・・・に過ぎません。もちろんごろ土を入れてあっても根腐れが起こることは変わりません。

もし、鉢底角に水が貯まっていることで植物が育たないとするならば、底面吸水や水耕栽培は行われていないことになるので、理解しやすい。

以上のことから、鉢植えにはごろ土は必要無いと判断致しました。

※このホームページに掲載している鉢植え栽培の植物は、全てごろ土は使っておりません。

2,水はけの悪い土は悪い土か?

(1)全体の様子

(2)水はけの様子

ここではもう一歩踏み込んで、水はけの悪い土は悪い土なのかを考えてみます。

(1)写真はストレリチア・ジャンセア開花株の鉢植えです。この鉢に植えてから数年(3年以上、5年未満位)経過しています。ちなみに鉢は市販のプラスティック製の長鉢です。

ジャンセアと言えばレギネーより降水量の少ない地域に自生していて、葉身を無くしたことから乾燥には強いと言うことは、どこかのホームページに書かれている通りです・・・。それで乾燥に耐えられる形態になったことから、逆に過湿には弱いため粒状土で植えると言うのが定説かもしれません。

水はけがどの様な影響を与えるのかが気になるところです。

そこでこの株を植える際、非常に水はけの悪い用土を用いてみました。それは田土に近い様なものです。尚、鉢底にはごろ土は入れていません。

(2)は水やり直後の様子です。ウォータースペース一杯に水が貯まっていてなかなかはけていきません。スイレン鉢にでも植えた様で、赤玉土ではあり得ない状態です。ウォータースペースに貯まった水が浸透するまでには数分間、余分な水分が鉢底から抜けるまでには十数分間かそれ以上かかります。

その後しばらく用土は多くの水分を保持しています。水やりの時はいつもこんな感じです。

この様な状態では簡単に根腐れを起こしてしまうのかと言うと、その様な状態にはなっていません。

状態に問題が無いことは株を見てみればすぐに分かります。葉数は1条当たり10本近く付いていて葉先枯れが少なく、花芽は同・2本出ています。もし、これが水の貯まっていない画像だったなら、誰も水はけの悪い土に植わっていると思う人はいないでしょう。

ジャンセアは特に生育が遅いため、多くの葉を付けるには何年も良い状態を保たなければなりません。また、根腐れを起こしてしまった場合は、花を付けないことが多いので、このことからも良い状態が保たれていることが伺えます。

ジャンセアでこの結果なら、もちろんレギネーでも中間種でも大丈夫です。

以上のことは、水はけの悪い土は、必ずしも悪い土ではないことを示しています。水はけの悪い土だけで植えても良く育っているのです。

それでもまだあなたは植物を鉢に植えるとき、ごろ土を入れますか?・・・

植物を植えるとき、用土をふるいに掛けて微塵を取り除かなければならないのか?・・・

これも良く聞かれることです。今は各種植物用に混合された用土が市販される様になったので実際に行う方は多くはないかもしれませんが、以前は色々な用土を購入して植物に合わせて混合していたので行われていたことです。

これは今までの内容でお分かりの通り、不要な行為です。

自然界では植物の生えているところの土を誰もふるいには掛けていないのに良く育っていることからも理解しやすい。

※田土で植えることをお勧めしているのではありません。

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