1,種子の入手
(1)熟した果実
(2)同
(3)取り出した種子
(4)同左
(5)別果実
このページではモンステラの播種から子苗までの様子を取り上げています。
解説:以前からモンステラの実生法を載せたいと思っておりましたが、なかなか種子が取れなかったため、掲載出来ないでおりました。この度運良く種子入り果実を収穫することが出来たため、下記に紹介します。
(1)はおよそ13ヶ月掛けてようやく成熟した自家採取の果実、表皮を取り除いた様子。この段階ではまだどこに種子があるのか分からない。(私には分かるが・・・)
(2)少し果肉を取り除く。緑色の種子が確認出来る。
(3)更に果肉を取り除く。種子は果肉に包まれている。
(4)取り出した種子。大きさは小さめの枝豆位。色は薄緑色。この果実一つから、計22粒の種子を取ることが出来ました。全く種子のない果実もあるので、これは非常に多く取れた方です。
(5)は別の果実で、熟したため果柄から落ちたもの。表皮は所々剥がれ落ちて種子が飛び出している。(矢印)
2,用意するもの
(1)自家採取種子
(2)用土とポット
(3)オートヒーター
現在冬期間にて、加温して播種します。
モンステラは取り蒔きが最も良い。よって、現在冬期間ではありますが、すぐに撒くことにします。用意するものは種子以外に、ポリポット、用土はピートモス(pH調整していないもの)又は水苔、その他、温度を保つために、熱帯魚用の水槽とオートヒーターを使用します。
オートヒーターは出力が30Wのものです。
3,播種
(1)用土を入れる
(2)蒔いたところ
(3)覆土
手順:最初にピートモスを水で十分湿らせておきます。そして、ポリポットに8分目位入れる。(1)
種子は少し間隔を空けて蒔く。12cmポットで10粒位。(2)
最後に1~2cmピートモスで覆う。これで完了。ストレリチアの播種と要領は同じです。
4,その後の管理
水槽にセット
どの様にセットしているかと言いますと、水は底から7cm位入れ、オートヒーターを沈めコンセントに差し込み、鉢が水没しないように上げ底にしています。
水槽の大きさは、359×220×262(mm)で2,000円以下で購入したものです。この方法は少量種子を蒔く時に都合がよい。
今後はピートモスが乾かないように水を与える。常に湿っていて問題ない。種子に問題なければ発芽は早い。また、水槽の水も減ったら補充する。
種子の発芽には20~25℃位欲しい。よって、熱帯魚用水槽とオートヒーターで加温しています。オートヒーターは自動で25℃位に水温を保ってくれますので、好都合。写真は撮影のため、上を空けていますが、実際には蓋をして気温が下がらないようにします。
5,発芽 2006年3月1日
(1)播種半月後
(2)播種1ヶ月後
(3)発芽の様子
モンステラはストレリチアと異なり反応が早い。(1)適当な条件下で比較的早く発芽し、その後の生育も良い。モンステラの種子は胚が二つあるため、一つの種子から2本芽が出る事もあるが、それはよほど大きく充実した種子の場合で、多くは、1本出るだけである。
モンステラは単子葉植物なので、双葉は出ない。(2)最初からハート型の葉を付ける。それはポトスや、オキシカルジュームを思わせる。肥料は与えていないが、葉は緑色をしている。
(3)は発芽初期の様子だが、果実から取り出した時にすでに根が伸びる箇所が膨らんでいる。よって、適当な条件下で間もなく発根を始め、やがて葉を伸ばす。
6,生育初期 2006年4月1日
出揃った苗
写真は播種後約2ヶ月の様子です。多くの芽は一枚目の葉が展開した。肥料は全く与えていないが、葉は緑色を呈している。そして茎が地表に伸び始めている。太さはまだ竹串位です。
今後、次の葉が出て、茎が伸びて、また葉が出て・・・を繰り返し大きくなっていきます。葉は新しく出るものが以前のものより徐々に大きくなる。
7,生育初期、その後 2006年5月1日
(1)全体の様子
(2)草姿
(1)多くの株で二枚目の葉が伸びて水槽の上に顔を出した。(2)は一つ取り出したところ。
これ以上加温していると間延びするため、水槽から出し徐々に外の環境に慣れさせる。
まだ屋外は寒いため、しばらくは室内で様子を見ます。本当は一つ一つ鉢上げをした方が良い。モンステラは自分自身では立っていられないので、出来るだけ間延びさせたくない。
先月、6,生育初期の写真で白い葉の株は斑入りです。そのまま茶色になって枯れてしまうことを心配しましたが、二枚目の葉が出てきてほっとしました。
まだ水のみを与えています。肥料は鉢上げしてからになります。
8,生育初期、その後 2006年6月1日
(1)全体の様子
(2)株元の様子
(1)草姿は先月からあまり変化はない。軟弱だった印象からやや引き締まった感じになった。
(2)は気根を伸ばし始めている株もある。
5月になり急速に気温が上昇したため、水槽から出しハウスへ移動しました。急激に環境が変わったため、葉が萎れたり葉焼けを心配しましたが、無事外の環境に慣れたようです。
今後は一株ごとに鉢上げし養成する予定です。
まだ水しか与えていませんが生育は問題無い。