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極楽鳥花植物園 Strelitzia Botanical Garden

モンステラの実生 このページでは園長による趣味のガーデニングを取り上げています。

モンステラの実生 2006年2月~

1,種子の入手

(1)熟した果実

(2)同

(3)取り出した種子

(4)同左

(5)別果実

このページではモンステラの播種から子苗までの様子を取り上げています。

解説:以前からモンステラの実生法を載せたいと思っておりましたが、なかなか種子が取れなかったため、掲載出来ないでおりました。この度運良く種子入り果実を収穫することが出来たため、下記に紹介します。

(1)はおよそ13ヶ月掛けてようやく成熟した自家採取の果実、表皮を取り除いた様子。この段階ではまだどこに種子があるのか分からない。(私には分かるが・・・)

(2)少し果肉を取り除く。緑色の種子が確認出来る。

(3)更に果肉を取り除く。種子は果肉に包まれている。

(4)取り出した種子。大きさは小さめの枝豆位。色は薄緑色。この果実一つから、計22粒の種子を取ることが出来ました。全く種子のない果実もあるので、これは非常に多く取れた方です。

(5)は別の果実で、熟したため果柄から落ちたもの。表皮は所々剥がれ落ちて種子が飛び出している。(矢印)

2,用意するもの

(1)自家採取種子

(2)用土とポット

(3)オートヒーター

現在冬期間にて、加温して播種します。

モンステラは取り蒔きが最も良い。よって、現在冬期間ではありますが、すぐに撒くことにします。用意するものは種子以外に、ポリポット、用土はピートモス(pH調整していないもの)又は水苔、その他、温度を保つために、熱帯魚用の水槽とオートヒーターを使用します。

オートヒーターは出力が30Wのものです。

3,播種

(1)用土を入れる

(2)蒔いたところ

(3)覆土

手順:最初にピートモスを水で十分湿らせておきます。そして、ポリポットに8分目位入れる。(1)

種子は少し間隔を空けて蒔く。12cmポットで10粒位。(2)

最後に1~2cmピートモスで覆う。これで完了。ストレリチアの播種と要領は同じです。

4,その後の管理

水槽にセット

どの様にセットしているかと言いますと、水は底から7cm位入れ、オートヒーターを沈めコンセントに差し込み、鉢が水没しないように上げ底にしています。

水槽の大きさは、359×220×262(mm)で2,000円以下で購入したものです。この方法は少量種子を蒔く時に都合がよい。

今後はピートモスが乾かないように水を与える。常に湿っていて問題ない。種子に問題なければ発芽は早い。また、水槽の水も減ったら補充する。

種子の発芽には20~25℃位欲しい。よって、熱帯魚用水槽とオートヒーターで加温しています。オートヒーターは自動で25℃位に水温を保ってくれますので、好都合。写真は撮影のため、上を空けていますが、実際には蓋をして気温が下がらないようにします。

5,発芽 2006年3月1日

(1)播種半月後

(2)播種1ヶ月後

(3)発芽の様子

モンステラはストレリチアと異なり反応が早い。(1)適当な条件下で比較的早く発芽し、その後の生育も良い。モンステラの種子は胚が二つあるため、一つの種子から2本芽が出る事もあるが、それはよほど大きく充実した種子の場合で、多くは、1本出るだけである。

モンステラは単子葉植物なので、双葉は出ない。(2)最初からハート型の葉を付ける。それはポトスや、オキシカルジュームを思わせる。肥料は与えていないが、葉は緑色をしている。

(3)は発芽初期の様子だが、果実から取り出した時にすでに根が伸びる箇所が膨らんでいる。よって、適当な条件下で間もなく発根を始め、やがて葉を伸ばす。

6,生育初期 2006年4月1日

出揃った苗

写真は播種後約2ヶ月の様子です。多くの芽は一枚目の葉が展開した。肥料は全く与えていないが、葉は緑色を呈している。そして茎が地表に伸び始めている。太さはまだ竹串位です。

今後、次の葉が出て、茎が伸びて、また葉が出て・・・を繰り返し大きくなっていきます。葉は新しく出るものが以前のものより徐々に大きくなる。

7,生育初期、その後 2006年5月1日

(1)全体の様子

(2)草姿

(1)多くの株で二枚目の葉が伸びて水槽の上に顔を出した。(2)は一つ取り出したところ。

これ以上加温していると間延びするため、水槽から出し徐々に外の環境に慣れさせる。

まだ屋外は寒いため、しばらくは室内で様子を見ます。本当は一つ一つ鉢上げをした方が良い。モンステラは自分自身では立っていられないので、出来るだけ間延びさせたくない。

先月、6,生育初期の写真で白い葉の株は斑入りです。そのまま茶色になって枯れてしまうことを心配しましたが、二枚目の葉が出てきてほっとしました。

まだ水のみを与えています。肥料は鉢上げしてからになります。

8,生育初期、その後 2006年6月1日

(1)全体の様子

(2)株元の様子

(1)草姿は先月からあまり変化はない。軟弱だった印象からやや引き締まった感じになった。

(2)は気根を伸ばし始めている株もある。

5月になり急速に気温が上昇したため、水槽から出しハウスへ移動しました。急激に環境が変わったため、葉が萎れたり葉焼けを心配しましたが、無事外の環境に慣れたようです。

今後は一株ごとに鉢上げし養成する予定です。

まだ水しか与えていませんが生育は問題無い。

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