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極楽鳥花植物園 Strelitzia Botanical Garden

園長のガーデニング・カンガルーポー このページでは園長による趣味のガーデニングを取り上げています。

カンガルーポーの栽培 2010年5月6日~

鉢植え栽培

(1)種子の様子

(2)播種5日後

(3)発芽の様子

このページではカンガルーポーの播種から開花までを取り上げています。

カンガルーポーと言えば、枝分かれした花茎の先に細長い筒状の花を数輪ずつ咲かせる変わった形の花です。その表面には細かい毛が生えていてまるでフェルトで出来た造花の様にも見える。日本に入ったのが比較的新しいことや一般的には切り花で出回ることが多いため、その生体はあまり知られていない。そこで今月から実生から開花まで紹介する。

(1)は種子の様子。

(2)は播種後5日、水を与えたところ。播種方法は草花の一般的な方法で特別な事はありませんので、省略します。その後の管理はトンネル内で電熱線によって加温しています。(3)は最初の発芽の様子。(緑色の糸状の芽)

混み合ってくるまではしばらく鉢で育てる。

    基本管理他  
  • 基礎データ:ハエモドルム科、多年生。オーストラリア南西部原産。
  • 栽培条件:日当たりの良い場所。
  • 置き場:日当たりの良い場所。
  • 気温:最高気温は自然条件。
  • 土:水はけと水持ちの良いものなら大体何でも可。上の用土は無肥培土に完熟堆肥を0.5~1割程度混ぜたもの。
  • 肥料:しばらく与えない。
  • 水やり:年間を通して鉢土の表面が乾いたら、鉢土全体が湿る様に与えている。夏は1~2日に1回。冬期間は2週間~3週間に1回。春と秋は数日に1回。
  • 病害虫:しばらく心配ない。
  • 開花予定日:数年後。(2~3年)
  • 増殖:実生。

2012年6月1日発芽、生育進む。

(1)発芽

(2)実生苗

解説:(1)播種から1ヶ月以上経過しだいぶ発芽数が増えてきていて、現在でも遅れて発芽しているものもあります。

この様子を見て以前見たことがある様な気がしてと思い返していたら、ネギの発芽とほぼ同じと言うことに気が付いた。湾曲した緑色で糸状の芽先に黒い種子の皮を付けて出てくる様です。

異なるのはその後次の葉が出てV字に展開していくことです。葉数が増えてくれば一安心です。

現在の管理は土の表面が乾いた時点で水を与えています。肥料は与えていません。置き場所は日当たりの良い場所。まだ、最低気温が10℃位なので、夜間は加温しています。今後もう少し大きくなったら、鉢上げ等考えます。

2012年7月1日生育進む。

(1)全体の様子

(2)個々の様子

解説:後から発芽してくるものはなくなりました。発芽後の生育は早く草姿はアヤメやひおうぎのようです。

それほど混み合っていないので、今後肥料を与えてしばらくこの状態で育てます。

ちなみに(1)は5号駄温鉢、(2)は10.5cmポットです。こちらの苗の草丈は6.5cm位です。

現在の管理は無加温ハウス内で日に当てるようにしています。最近は気温の上昇と育ってきたことで土の乾きが早くなっています。それでもユーカリ(別ページ掲載)の様に水切れで枯らした苗は今のところ一つもありません。

同じ原産地の植物でも若干育てやすさを感じます。

2012年8月1日生育進む。

(1)全体の様子

(2)葉縁の様子

解説:先月に1回液体肥料を与えてあります。それで良く育っているものもあります。

発芽後、ある程度育ってからは蒸れることが悪条件の一つだと気づかされました。

それは、葉先が黒く腐ってしまうものがでたからです。その後風通しを良くしてからは問題無く育っています。

本当は一株ずつ鉢上げすればもっと良く育つんですけどね~・・・。

現在の管理は土の表面が乾いてきたときに水を与えています。肥料はまた液体肥料を与える予定です。置き場所はビニールハウス内で、日中は強い日光が当たっています。

ここまで来たら今年はこのまま植え替えないで管理する予定です。

2012年9月1日生育進む。

(1)全体の様子

(2)葉縁の様子

解説:(1)先月より全体的に育っていることが確認できます。液体肥料の効果です。

ただ、手前の一鉢だけは調子悪そうで、どうしようかと思わせます。

現在3種類ありますが、育ち方に差があることが分かります。

(2)これは赤い花を付けるはずの品種ですが、葉の縁に細かい毛が生えているのが確認できます。その他どれも同じ様な草姿かと思っていたらそうでもなくて、葉幅の広いものと細いものもあって興味深い。

現在の管理は、土の表面が乾いたら水を与えています。今年の夏は晴天が続いているので水切れしやすくて、気が抜けない毎日です。肥料は一旦やめています。

2012年10月14日生育鈍る。

(1)全体の様子

(2)赤/緑花種

(3)赤花種

(4)緑花種

解説:(1)秋になって落ち着きました。

一時は土の色が乾いても白っぽくならなくて、水やりのタイミングが分かりにくく、過乾燥で生育にブレーキをかけてしまったこともありましたが、何とか夏を乗り切ったので、今後は越冬のことを考えることになります。

(2)最も生育が良い赤と緑色の花を付ける種類です。アヤメのような葉を長く伸ばしています。

(3)は赤色系の種類で葉の縁に鋸歯があります。葉幅が細く横に広がりながら育っています。

(4)は緑色系種類で一時期の不調から徐々に回復してきています。この種が最も葉が細い。

現在の管理は水やりのみです。幸いなことに病害虫発生はありません。

2012年11月1日生育止まる。

(1)全体の様子

(2)赤/緑花種

(3)赤花種

(4)緑花種

解説:気温と日照時間の低下で先月からほとんど育っていません。

それでも当初はひょろっとしていた苗ですが、現在では株元が太くなり、脇芽が伸び始めた苗もあります。

現在はまだ無加温ハウス内ですが、今後、氷点下に冷え込みになる前に加温ハウスへ移動させます。

その他、土の表面が乾いた時点で水やりを行っています。病害虫発生はありません。

2012年12月1日収容

(1)赤/緑花種

(2)赤花種

(3)緑花種

解説:11月下旬までに2回、氷点下0℃台の寒さに遭わせてしまっています。その後、加温ハウスへ移動しました。

数日後、葉が株元で倒れている苗があったので、凍害でやられてしまったのかと思わせた。

しかし、三種類あって一つだけやられるのはおかしい・・・。

良く見てみると土が乾き気味なことに気が付いた。もしかして・・・と思いすぐに水を与えて次の日行って見たらしゃきっとしていて一安心です。それが(1)です。

その他は現状維持です。

2013年1月1日冷え込み強まって。

(1)赤/緑花種

(2)赤花種

(3)緑花種

解説:冬になってあまり高温ではない加温ハウスに入れた後良く見られることとして、カビが生えたり、黒く腐ったりするものですが、今のところ各苗は現状維持で推移しています。

尚、殺菌剤や他農薬は散布していません。

それでも何となく(1)は調子悪そうなのが気がかりです。

冬は夏場と違って水やりの手間が省けるので、楽なんですが、うっかりしていると過乾燥に陥ってしまうので最低限の観察は必要です。

現在の管理は数週間に1回の水やりのみです。

2013年2月1日大寒を過ぎて。

全体の様子

解説:冬至を過ぎて冷え込みが厳しくなってから、赤/緑花種がぐったりしている様に見えたが、その後は何とか持ちこたえている様な印象です。

その他の種は先月と変わりません。

心配された腐敗や下部の発生は今のところ見られません。

現在の管理は数週間に1回の水やりのみです。

2013年3月1日啓蟄近づく。

全体の様子

解説:結局冬期間は、調子を悪くしたかな・・・と思い、もしかしてと水を与えて、後で見てみると回復している。この繰り返しでした。

それで下葉を枯らした種類もありましたが、全体的には問題無く越冬したようです。今後は1株ずつ鉢上げ、又は、地植えする予定です。

現在の管理は数日に1回の水やりのみです。

2013年6月1日 梅雨近づく。

(1)全体の様子

(2)花の様子

解説:春から初花にかけて忙しかったことから、他の植物を見回りながらちらっと様子を見て葉が垂れてから水を与えていましたが、ある時期から何となく視界に赤っぽいものが入ることに気が付いた。

最初は気にも止めなかったものの、茎の上にその赤い物体があることが分かり、もしかしてと良く見てみたら花を付けていた。

人間で例えればまだ子供だと思っていたので、「何ということじゃ~」と驚いたとさっ・・・。

と言うことで、「何で育てる前に咲くかな~・・・」とあきれている今日この頃です。

ちなみに現在の管理は数日に1回の水やりのみです。早く植え替えなければ・・・

2014年4月7日 鉢上げ完了。

全体の様子

解説:昨年は忙しくて何も出来ませんしたが、株は関係無しに育って、鉢植えでは水やりが間に合わないほどになったので、今年3月に鉢上げしました。

あまり細かいことは考えずに一株ずつばらして植えました。鉢の大きさは9~12cmポットです。用土は赤玉土と鹿沼土を1:1に混合し、それに完熟堆肥を目分量で1~2割混合したものです。

鉢上げ直後から日当たりに置いておきましたが、雑草的強さで乗り切ったようです。

今まで混み合っていたのでそれぞれは小さいのですが、左手前は花を咲かせそうな雰囲気です。

2014年5月10日 開花。

(1)全体の様子

(2)花の様子

解説:先月開花しそうな・・・と予想していた株が開花したので取り上げます。

この品種は、‘manglesii’で本来大型で赤と緑の花が特徴です。私のところでは小さな鉢で放任に近い管理だったので、小さな花を付けました。それでもこの植物特有のフェルト細工の様な特徴を見せています。

今年は植え替えたので来年以降、どれほど大きな花を付けるかに期待しています。

その他品種でも花芽が出ている株がありますが、同じ理由で今年の花は期待するほどではありません。

(1)元々播種の時に一つの鉢に複数播いて育てて、今年3月の鉢上げ時、混み合っているところは無理矢理一株ずつばらした影響もあって、枯れた株も一つか二つ出ました。それでも全体の印象としてはかなり強い草です。大体、これから開花すると言う時点で乱暴に植え替えたら普通の植物は開花しませんから・・・。

2014年7月1日生育旺盛気になって。

全体の様子

解説:先月期待されていた赤色種の開花は、野良猫の影響で見られずじまいでした。株の上が野良猫の寝床にされてしまって、多くの葉が株元で折れてしまい、株の生育が振り出しに戻った感じです。

自衛策として、かごトレーを伏せて針金で固定しました。これで若干日照の影響はあるものの、枯死は避けられる状態になりました。

現在の管理は土の表面が乾いたら水を与えています。その他、今期1回有機質肥料を与えています。

2016年5月29日 開花。

(1)全体の様子

(2)赤花

(3)個々の様子

(4)赤花別株

(5)花の様子

(6)緑花の様子

解説:(1)5月下旬になって今年の開花が始まりました。

(2)~(5)は赤花種です。(2)(3)は明るい感じの赤で、(4)(5)は地の薄緑色が目立ちます。猫害から立ち直ってよく咲いたものです。欲を言えば、もう少し濃い赤色だったら良かったのですが・・・。

(6)は緑花種です。葉の色とほとんど同じで目立ちません。草原で咲いていたら誰も気が付かないと思わせます。

以前あった、緑/赤花種は枯死しました。

水持ち重視の土に植えてしまったため、水やり管理が難しくなってしまったのが原因です。猫は関係ありません・・・たぶん。

現在の管理は日当たりの良い場所に置いていて、土の表面が乾いてから水を与えています。

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