2016年4月24日
今日のレギネー種
盛りは過ぎて・・・
解説:一時期大量に咲いていた花はほぼ終わり、今は後から出た花が咲いている状態です。
このところ気温が上がってきたことから花持ちは短くなっています。それで良い状態で見られるのは限られています。
ゴールドでもオレンジでも全ての株に交配を行っているのではなく、数株のみです。交配が成功した花は、鞘が膨らんでいるものもあります。
それで選抜から洩れた株は、株分け、鉢上げして販売することもあります。
余談ですが、冬から植え替えを行っていて苗に関しては終えていて、今は開花株の植え替えを行っています。
開花株の植え替えとは鉢植えだったものを、株分け、鉢上げするものと、地植えだったものを掘り上げてそのまま植え直す(場所変え)ものと、株分け、鉢上げするものとがあります。
苗の植え替えは訳無いのですが、開花株は手間暇かかってはかどらず、いったい何日やっているのかと言った感じです。
次の開花期を考えた場合、タイムリミットは今月一杯なので、優先してやっています。
それで、販売ページやブログが疎かになっています。
ジャンセア小型株
開花期終盤
解説:(1)この株は手持ちジャンセアの中で草姿が小型で花立ちの良い個体の一つです。花は花首と仏炎苞先端が赤くなるタイプです。
(2)冬に咲き始めてから交配を繰り返してきて、最初の頃の鞘が膨らんできています。
今の場所へ植え替えて二年目で株の状態を心配しましたが、一花茎当たりの花数が多いのでまあまあと言ったところ。
あとは、発芽能力を持った良い種子が収穫できるかどうかです。
そもそもこの株はジャンセアの中に小型系があって、その中から選抜したのではなく、手持ちの全てのジャンセアの中から小型の個体を選抜したと言う意味です。
※今花立ちが多くないのは植え替えの影響です。
ニコライ
開花進む
解説:(1)(2)4月中旬から小型株も開花が始まりました。現在は、仏炎苞の一段目が二輪開花状態です。
こちらもまめに管理してきたので、仏炎苞が黒っぽくて良い感じです。
後ろに置いてあるのは黄花系中間種ですが、それらより大きな鉢に植わっているにもかかわらず、低い位置で咲いていることでその草丈を推察していただけると思います。
この株にはもう一本花芽が見えているのですが、すぐに咲きそうな雰囲気ではありません。
(3)(4)は大きく育て過ぎた株の続報です。
花は、一段目、二段目共に咲き続けています。気温が上がってきたことから開花の進み具合が早まっています。
この株はもう一本花芽が出ていて、一段目の仏炎苞が傾いてきたところです。よって来月になれば咲き始めそうです。
(5)(6)ニコライの開花期待株は他にもあってこの春、三株目が花芽を付けました。
ただ、肥培管理が良くなかった影響で仏炎苞は一段止まりかもしれません。
草丈は小型株よりは大きく、育て過ぎた株よりは小さい位です。
今の状態なら間もなく開花が見られそうです。
その他、開花期待株は上記以外に二株ありますが、そちらは今期の開花はありません。
シリーズ新種
花弁の変異
解説:(1)前回は花弁の縁がひらひらしている個体を紹介しましたが、今回は左右非対称の個体です。
花弁の片方が長いのが特徴です。
これはこの株から出た他の花芽でも同様に見られます。
よって、このことはこの株にとって特別なことでは無いようです。
このことから変わり咲きの新種と言ってもよいかもしれませんが、前回同様どうでもよい新種であることに間違いありません。
まだ前回の咲き方の方が面白い。
栽培の中でもこの程度の変異が見られることから、自生地調査を行えばもっと面白い花が見つかるかもしれません。
(2)は相変わらず色の変異です。当ハウスでは珍しくなくなりました。
※(1)この株は初代ゴールドクレストの中の一株です。(2)はオレンジプリンス。
最近気になること
鞘の色
解説:(1)今期花が咲くようになってから、気になる花には交配を行ってきて、うまくいったものは鞘が膨らんでくるのですが、その中で茶色の鞘があることに気が付いた。
この花はゴールドクレストで、「品種」ページの優良花の紹介で「2015年に咲いた最も良い花」として掲載しているものです。
今まで色々交配してきてここまで色の付いた鞘は無かった様な気がしています。
それで他の花を確認してみました。
(2)は黄花原種Bで鞘の色は薄緑色です。ちょうど蚕豆の様な色です。該当株の仏炎苞は緑色なので鞘の色と同じ傾向です。
(3)は極細葉系中間種の優良花ですが、鞘の色は緑色の地にやや茶色がかっています。やはり仏炎苞の色と鞘の色は比例する傾向がありそうです。
他の植物で赤や濃い色の花の茎が赤っぽかったり茶色っぽかったり、白や黄色の花は緑色だったりすることと似ている様な気がします。
ただこの鞘の色はその株の特徴であって、中の種子から出た株も高い確率で優良花になるとまで言い切れないと考えます。
それでもこの様に今まで無かった変化があることは、何か期待させるものがあります。結果は如何に・・・。
※レギネー在来系統の鞘も薄緑色です。
一番花?
一番花、二番か・・・?。
解説:そろそろ全ての無茎種の開花期は終わりに近づいてきましたが、この開花期の中で最も印象に残った花はどれかと言いますと、この花です。
上でも取り上げたゴールドクレストも良い花だったんですが、想定内の優良花と言うことで二番目以降になります。
この株は以前「黄花中間種苗」として販売していた中から咲いた橙色花の中間種です。
黄花では無かったので外れ株なんですが、単に橙色花として見た時、「ああ、出た。」と言った感じです。
何が出たのかと言いますと、私自身としては無茎種の優良花中の優良花は、「形態」ページの「レギネー分類」中の「手持ちの中でこのあたりが最も良花か」と紹介している花で、それ以来出ていなかったのでそれが出たかもしれないと言うことです。
写真ではよく分からないかもしれませんが、仏炎苞全体が赤くて、更に花首を覆っている表皮が赤茶色っぽく色づいていることが、この株の生まれ持った性質で良い発色を示す根拠と考えます。
今までは、黄花が出るかどうかだけに注目して適当に管理していたので、草姿、花共に貧弱ですが、真面目に育てればかなりの花を咲かせるのではないかと予感があります。
来シーズン良い花を咲かせることを確認したらまた掲載します。
おまけ
赤橙色花のサンゴアロエ
解説:アロエなんかどれでも同じ花を咲かせるんだろと思われるかもしれませんが、サンゴアロエは花色の幅が広くて花で揃えることが難しい植物です。
どの様な色があるのかと言いますと、基本は橙色ですが、その中で黄色が強いもの、ピンクが強いもの、赤が強いもの等があり、何か固定しようと交配しても意図通りに行っていない気がしてなりません。
写真は例年より遅れて開花した通常の橙色よりやや赤色の強いタイプの個体です。
期待としては、外れでもこの程度の赤っぽさで揃えられたら良いのですが、実際にはもっと薄い橙色が出ているのが現状です。
今は咲いた中から趣味の個体を選抜することが最も確実な方法です。