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極楽鳥花植物園 Strelitzia Botanical Garden

園長のガーデニング・ハエトリグサの栽培 このページでは園長による趣味のガーデニングを取り上げています。

鉢植え栽培

このページではハエトリグサの苗から、成株になるまでの栽培を取り上げる予定です。

ハエトリグサはハエトリソウやハエジゴクとも呼ばれ、食虫植物に縁の無い人でも一度は見たことがある植物ではないでしょうか。

葉の形や動きが食虫植物の中で最も食虫のイメージに近い。最近では夏場ホームセンター、デパートの屋上、園芸店で売られることも多い。

しかし、良い状態で育てるとなると難しい面もある。どのような植物なのか下記に紹介する。

2007年5月1日~

(1)ビッグマウス

(2)一般種

(3)株の様子

(4)葉の様子

(5)花茎

解説:(1)は通販で購入した‘ビッグマウス’と言う品種。捕虫葉が大きくなるとのこと。

私は今までビッグマウスな人は幾人も見てきて、中身、又は結果が伴わなった印象が強いので、どの様な結果になるかに注目している。 鉢は6cmポットに、水苔植えになっていて、今年はこのまま育てても良さそうである。

今の捕虫葉の大きさはまだ小さく、小蠅を何とか捕らえられるかどうか位です。

(2)~(5)は一般種。購入した時点ですでに花芽が伸びていた。捕虫葉も(1)より大きく、文字通り銀蠅でも捕らえられそうである。

現在、気温が低いため室内窓辺に置いていて、今後気温が上がってきたら置き場所を移動するつもりです。

今の管理は、数日に1回水を与えています。

    基本管理
  • 株の状態:夏場生育して、冬期間は生育休止期。
  • 置き場:暖地では年中屋外。その他地域では夏場は屋外で、冬期間は室内、又は加温ハウス内。日照条件の良い場所が望ましいが、夏場は遮光しないと葉やけを起こすことがある。
  • 温度:一般的には自然条件。寒冷地でも屋外で越冬するかは未確認。
  • 水やり:一般的には腰水栽培。
  • 肥料:与えない。
  • 鉢:大体何でも可。各種プラ鉢、ポリポット等。
  • 土:水苔、ピートモス、細粒の砂、パーライト等の混合。
  • 増殖:株分け、実生、葉挿し等。
  • 病害虫:特に無し。ただし、根腐れは要注意。

2014年5月3日

(1)ビッグマウス

(2)一般種

(3)捕虫葉

(4)捕獲後

(5)つぼみ

解説:まだ環境に慣れていないのか、気温が低いからなのか、先月から大きな変化はありません。それでも悪い方向へは向かっていない印象です。

(1)ビッグマウスは相変わらずスモールマウス状態です。ただ、ゆっくりではありますが、育ってはいます。

(2)それに対し一般種は赤く大きな捕虫葉が印象的です。これだけ大きければ、はえ、とりそう・・・?!な感じがします。

(3)捕虫葉の内部には片側に3本の毛が生えていて、2回接触刺激で閉じると言われています。

(4)捕虫後は葉は閉じて、後にぴたっとくっつく様になり、獲物を消化します。

(5)つぼみは大きな変化は見られません。

現在の管理は、無加温ハウス内日向に置いていて、数日に1回水を与えています。

2014年6月1日

(1)全体の様子

(2)花の様子

解説:購入時付いていたつぼみは当初期待していなかったが、5月下旬になって開花した。

これでこの植物の生命を維持するのに必要な条件は十分とは言えないまでも、最低限は整っていると言えるかもしれません。

この株に余力があるならば種子を実らせてくれたらなあ~と言うのが今の思いです。

現時点でこの場所が栽培適地がどうか判断が付かないため、もし、日照不足なら移動させるつもりです。

葉が閉じているのは小昆虫が自然に捕らわれたものです。

(1)写真左のビッグマウスは相変わらずゆっくりと小さな葉を展開しています。

現在の管理は、無加温ハウス内日向に置いていて、数日に1回水を与えています。

2014年7月1日

(1)全体の様子

(2)花後の様子

解説:(1)写真右の捕虫葉内側が赤っぽいものがビッグマウスで、その他2株は一般種です。

ビッグマウスを購入した直後は、「口ほどでも無い。」と思っていましたが、ここへ来て一般種を上回る捕虫葉を展開しました。今後、どの程度まで大きくなるか、注目しています。

(2)現在一般種の開花は終わっています。先月開花してその都度交配していてうまく種子が実っているか気がかりです。

現在の管理は、無加温ハウス内日向に受け皿を置いて、そこにモウセンゴケと一緒に置いています。(写真の通り)

モウセンゴケは粘液の付いた葉に留まった時点で捕虫になりますが、ハエトリグサは捕虫葉内に行かなければ捕虫になりません。

よって、多くの虫はハエトリグサにたどり着く前にモウセンゴケの餌食になってしまうため、ハエトリグサの捕虫葉はほとんど開いたままです。

その他水やりは、腰水では無く、数日に1回用土に与えています。

2014年7月12日

(1)結実の様子

(2)種子の様子

解説:(1)6月に開花が始まってから気が付いたときは受粉を行って、その後子房が膨らんできて7月に入って熟しました。

(2)はその種子で、黒ごまを小さくした様な形です。

この後、播いて様子を見ています。

現在の管理は、無加温ハウス内日向に置いていて、数日に1回水を与えています。

2014年8月3日

全体の様子

解説:写真左側二つが一般主で、そのうち黒っぽい茎が立っているのが種子を採った株になります。物の本によると種子を実らすと株が弱って枯れてしまうこともあるそうですが、この株はいたって元気そのものです。

右側の捕虫葉が赤いのがビッグマウスです。何れも意図的に虫を与えたことはありません。たまに蚊の様な小さな虫が捕まって、後に開いた葉の中に干物の様になっているところは見かけます。まさにカトリソウ?!

現在の管理は、無加温ハウス内日向に置いていて、数日に1回水を与えています。水遣りの時に水の勢いで葉が閉じてしまうこともありますが、それで草勢が弱った感じもありません。

2014年9月1日

(1)全体の様子

(2)発芽

(3)現在の様子

解説:(1)写真奥二つが一般種で、手前がビッグマウスです。一般種右が葉数を減らしたのは、実験を行ったからです。調子自体は悪くなく、その後新しい葉が幾つも出てきています。

ビッグマウスの方は天候不順が続いていたとき、一日だけ晴れて急に気温が上がった日があって、それで葉を枯らした可能性があります。このままだめになってしまうかもしれません。

(2)7月に播いた種子は8月に入って(一ヶ月くらい経って)から発芽が始まりました。自家受粉だったので、採れた種子がしいなではないかと心配しましたが、発芽率は高いです。よって、実った種子は充実していたようです。尚、播種前に低温処理や薬品処理等は行っていません。

(3)細長い双葉が出て、その後1枚本葉が出たところです。まだ、双葉に先に種皮を付けているものもあります。その本葉の先には小さな捕虫葉が付いていて、ミジンコなら捕らえられそうなくらいの大きさです。

現在の管理は、無加温ハウス内日向に置いていて、数日に1回水を与えています。捕虫の方はたまに蚊を捕らえるくらいです。当地方の虫はハエトリグサとは初対面のはずですが、さすがに危険を冒さないと言うか、興味が無いのか、面白いことは起こりません。それでも調子が良いことは、感心させられます。

2014年10月14日

(1)全体の様子

(2)ビッグマウス

(3)一般種

(4)実生苗

解説:(1)(2)最初にビッグマウスはやはりだめそうです。一般種と同じ場所に置いていて、一般種の方は元気そのものであるにもかかわらずこの不調ぶりは勘弁してもらいたいものです。口ほどでもない・・・?!。

(3)一般種は一時期の旺盛さはなくなりましたが、新しい葉が展開し続けています。(4)実生苗は順調に葉数を増やしています。すでに捕虫葉は赤っぽい。

注意深く見てみると、一株モウセンゴケが生えてきました。(写真左上部)どの品種がこのポットへ入ったのか、花が咲くまで分かりません。

現在の管理は、無加温ハウス内日向に置いていて、数日に1回水を与えています。

2016年5月9日

(1)全体の様子

(2)一般種

(3)一般種

(4)一般種

(5)実生苗

解説:(1)今年も無事越冬し、4月に植え替えたところです。用土は無調整ピートモス100%です。何故ピートモスかと言いますと、「そこにあったから」です。そこにとはサラセニアの植え替え用に買って余っていたということです。

よく、越冬に関しては耐寒性が強いので屋外越冬可と紹介されていますが、暖地の屋外と寒冷地の屋外では厳しさが全く異なるので、我が家では室内で越冬させました。

(2)~(4)一般種は鉢から抜いた時に自然に分かれたので、二鉢に植えて全部で三株になりました。

冬季、葉先枯れがあったので、現在はまだきれいな捕虫葉は付いていません。

(5)実生苗も植え替え済みです。まだ、一株、一鉢に植えるほど育っていないため、一鉢に数株植えにしています。実生からだと気の遠くなる様な話です。

ビッグマウスも枯死は免れて越冬し、同様に植え替え済みですが、現状プチマウスです。

現在の管理は、屋外日向に置いていて、毎日気が付いたときに水を与えています。

2016年6月2日

(1)一般種

(2)一般種

(3)一般種

(4)実生苗

解説:今年は桜が咲いた時期に一回霜が降りたくらいで、比較的温暖傾向だったので、生育も早いです。

(1)一般種は大きな捕虫葉と花芽が出てきています。大きいと言ってもこの種にとって想定の範囲内ですが、写真に撮ると余計に大きく見えます。

(2)こちらは(1)を株分けしたつもりでしたが、葉の櫛の目が細かい様に見えます。元々複数の株が寄せ植えだったか・・・。

(3)は昔からある葉が長く伸びて立ち上がるタイプです。草勢が強く、手持ちの中では最も旺盛に育っています。

以上、全体的に調子は良く、植え替えの効果と思わせます。今回の「植え替え→その後の生育」でこの植物にコツをつかんだ気がしています。

(4)実生苗の方も順調ですが、大きくなるのに時間が掛かっています。捕虫葉は出ていますが、まだギンバエを捕らえるほどではありません。ちなみに白い粒はパーライトで、水やりで減った用土を増し土したものです。

現在の管理は、屋外日向に置いていて、毎日1~2回上から水を与えています。腰水にはしていません。

2016年6月9日 購入株の立て直し

(1)赤色系市販株

(2)根鉢の様子

(3)根の様子

(4)株元の様子

(5)腐敗

(6)調整後

(7)植え付け後

(8)同(7)

解説:ここでは市販株の立て直しについて取り上げます。

(1)は赤色系市販株で通信販売で購入したものです。見た瞬間悪い予感がしたものの、通販では基本的に選べないのでこれを何とかする方向に舵を切ることにした。

(2)鉢から抜いて見ると予想通り植え込み材料は腐敗が進んでいて、どぶの臭いが鼻を突いた。

(3)それでも何とかなるかもしれないと思わせたのは、根先は生き生きとしていたからです。(矢印)

(4)株元の植え込み材料を取り除いて見ると、かなり深植えになっていて、やはり腐敗が進行していた。

(5)ひどいものは、すでに枯死していた。(矢印)

(6)そこで植え込み材料は全て取り除き一芽ずつ分けて、簡単に取れる範囲で腐敗した葉を取り除いた。

(7)(8)この後、水洗いし、新しいピートモスでそれぞれ浅く植え直して最後に水を与えて用土を落ち着かせた。

この後、やや薄日のところへ置いて葉焼けを防いだ。

腐敗が問題の無い葉へ波及することを防ぐために水やりは頻繁にならない様にした。

1~2週間程度様子を見て、新芽が動き始めたことを確認し、日当たりの良い場所へ移動させた。

2016年7月16日

(1)全体の様子

(2)回復した株

(3)回復した株

(4)枯死

(5)その他購入株

(6)一般種

(7)ジャイアントフォーム

(8)実生苗

(9)一般種花

解説:通販購入株の立て直しの続きです。

(1)植え替え直後の不安は、徐々に解消していきました。枯れる葉は枯れて、残る葉は残ったと言った感じです。

(2)(3)回復の早い株はロゼットを形成し始めています。遅い株でも新しい葉を出し始めています。ただし、小さい葉ですけれど・・・。

(4)やはりだめな株もありまして、芽を吹かなかった。それでも、あの悪い状態から多くの枯死を予想したものの、現状1つだけでしたので、良しと考えます。

(5)今年今回の株とは別のところで購入してやはり植え替えた株です。

(6)は品種名、系統名無しの一般に出回っているものです。

(7)はジャイアントフォームと呼ばれているものです。

両種共に到着した状態は悪くなかったので、植え替え後も作落ちはありません。ただ、開花もありませんでした。

(8)は以前から取り上げている実生苗の様子です。春と比べるとかなり大きな葉を出す様になりました。それでもまだギンバエを捕らえるほどではありません。

(9)以前から育てている一般種は現在開花中です。状態が良く以前より大きな花を咲かせています。

現在の管理は、日に1回の水やりのみです。尚、腰水にはしていません。

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