ジャンボニンニクの栽培  2008年9月1日〜2009年8月1日まで
食品の毒物混入事件や偽装事件が度々起きると、自分自身で食事を作ることが多くなりますが、材料を国産で揃えようとすると値段が張るものがあることに気が付きます。ニンニクはその代表と言ってもよい野菜です。

中国産は幾つか入った一袋が300円に対し、国産は一つ300円が相場です。「これは高い!!」、ならば自分自身でニンニクを育ててみようと考えますが、一般的なニンニクは病害虫の影響でなかなかうまく出来ないことが多いものです。そこで今回は初めての方でも比較的簡単に栽培収穫出来る、ジャンボニンニクをご紹介致します。
栽培圃場 ジャンボニンニクの種 堆肥と元肥 耕起後 定植間隔
(1)栽培圃場 (2)種鱗片 (3)堆肥と元肥 (4)耕起後 (5)定植間隔
植え深さ 植え付け 終了
 (6)植え深さ (7)植え付け (8)終了    
<基本条件>
栽培可能地域:日本全国。耐寒性は十分あるので、北海道でも栽培可能。
栽培適地:暖地。暖かい条件の方が大玉になり易い。寒冷地の場合ハウスの方が良く育つ。路地ではポリマルチを敷き少しでも地温が高くなるように努める。

(1)畑は日当たりと、水はけの良い場所が適する。しかし、ジャンボニンニクは性質が丈夫なことから水はけの悪い畑でも高畝にすることで十分栽培、収穫することが出来る。また、以前ジャンボニンニクを作ったことのある場所でも問題無い。ジャンボニンニクは連作が可能です。

(2)種鱗片の購入。今は多くの種苗会社で扱っているので手に入れ易くなった。値段は500gで1,500円〜3,000円。個数単位で販売していることもある。一片が大きいものほど収穫時大きなニンニクになる。

写真は自家採取もの。現在種鱗片販売中。大手種苗会社より安くしています。詳しくは「売店」ページ→「その他の植物の販売」ページへ。お断り:大量販売はありません。

土作り:

例1,初めて野菜を作る畑:
堆肥を1u当たり2〜3kg。又は、5坪当たり40リットル。苦土石灰を1u当たり50〜100g、野菜用化成肥料を同50〜100g散布し、深さ15〜30cm耕起して地表を均す。

例2,何年も野菜を作っている畑:
(a)堆肥同上、BM溶燐1u当たり50〜100g、苦土石灰1u当たり50〜100g、
(b)堆肥無し、BM溶燐1u当たり50〜100g、苦土石灰1u当たり50〜100g、
(c)堆肥を同上のみ、
(d)全く元肥無しの何れか。耕起等は同上。

※各土壌改良材、及び肥料の量は土壌状態によって加減する。

(3)(4)写真の場所は以前にいろいろ栽培したことがあるため、例2の(a)で、あえて窒素系肥料は投入していない。

窒素控えめで燐酸と石灰主体がポイント。また、堆肥等有機物を多めに施用しふかふかの土にした方が収穫が楽になる。

定植時期:9月から10月。夏の暑さが一段落した時点で植えて差し支えない。冬季寒さの厳しい地域は早めに植える。本格的な寒さが来る前に十分根を張らしておかないと、枯らしたり、鱗片が十分肥大しないことがある。

(5)定植間隔は25cm位。(6)(7)植え深さは種鱗片の2倍位が目安。(種鱗片の上にその鱗片と同じ高さに土がかぶる程度。)寒冷地で浅植えでは寒さの影響を受けやすくなる。逆に深植えでは収穫に苦労する。

(8)再び土を均して終了。雑草、乾燥防止で籾殻、藁、落ち葉等でマルチングを行っても良い。
<定植後の状態、及び管理>
涼しくなってくると地表に芽を出し始める。冬期間は葉を3枚くらい展開している。

翌年4月頃、とう立ちし(上に伸び始め)、つぼみを伸ばし後にピンク色の球状花を咲かせ、地下では鱗片を肥大させる。

収穫時期:
6月から7月。暖地ほど早く寒冷地は遅い。寒さが厳しい地域になればなるほど、畑の占有期間が長くなる傾向はある。その割に玉(鱗片)が大きくならない。

作業:草取り。

病害虫:害虫は茎を食い荒らす虫。及びヨトウムシ。病気はウイルス病。実際には防除、駆除のために薬剤散布は行っていない。

その他:種鱗片や、土壌の消毒は行っていない。

2008年10月1日・・・発芽
発芽の様子 解説:定植から3週間程度経過してから地上部に芽を伸ばし始めた。今年は8月中旬以降比較的涼しかったため、芽の動きも速かった。今はまだまっすぐ上に伸びているが、しばらくすると水平方向に葉を展開する。冬期間は葉を2〜3枚出した状態で越冬する。

時間の都合で地植えのもののみ掲載しているが、今後プランター栽培も掲載予定。 
発芽の様子
 

2008年11月1日・・・生育初期
全体の様子 害虫 ニューホワイト六片種 解説:(1)今年の秋は比較的高温傾向で推移したため芽の伸びが良い。すでに6〜7枚葉が出ている。(この場所はハウス内のため、冬期間でも成長している。)

(2)ジャンボニンニクは比較的病害虫には強いが、この様に害虫が付き葉を食害する。対処法は農薬散布が手っ取り早いがここでは安全第一に考えるため、手で取ることにした。

(3)は10月1日に植え付けた商品名「ニューホワイト六片種」です。(以下、一般種と呼ぶ)
(1)全体の様子 (2)害虫 (3)一般種
ジャンボニンニクとは異なり、草姿が貧弱に見える。以前のホワイト六片種と何が違うのか未確認ですが、比較のため参考に植えたものです。つまり、ジャンボニンニクは良くできても一般種は病害虫に弱いと言うことをです。

ただ初めて植える場所なので良く出来てしまうかもしれません。
<管理他>
状態:ゆっくり成長する。

作業:草取り。

その他:害虫駆除。

2008年12月1日・・・生育初期 
全体の様子 一般種 解説:(1)草丈は50〜70cm。葉は9〜10枚出ている。今後低日照、と低温で成長は停滞気味になる。害虫による食害は一息ついたようだ。春にも同じ害虫が付き、葉や茎を食い荒らす。

(2)こちらは草丈30〜40cm。葉は5枚位。ジャンボニンニクほど大きくはない。一部の株で赤さび病が出始めた。やはり、一般種は病気の影響を受けやすい。
(1)全体の様子 (2)一般種
<管理他>
状態:ゆっくり成長する。路地では停滞気味になる。

作業:草取り。

その他:病害虫防除、駆除。実際には放任

2009年1月1日・・・生育初期 
全体の様子 一般種 赤さび病 解説:(1)先月からはやや葉が伸びた程度。新しい葉が伸びたことから、食害の跡が目立たなくなった。こちらは順調。

(2)こちらは赤さび病が広がり始めた。ここまで来る前に薬剤散布を行っておけば良いのだが、ここではジャンボニンニクと比べるために放任で様子を見る。 
(1)全体の様子 (2)一般種 (3)赤さび病
<管理他>
状態:ゆっくり成長する。路地では停滞気味になる。

作業:草取り。

2009年2月1日・・・生育初期 
全体の様子 一般種 赤さび病の様子 解説:(1)この環境はハウス内なので、冬期間も休まず生育しています。草丈は平均60cm、葉の数は13〜14枚です。発芽初期より株元が太くなってきている。ジャンボニンニクには赤さび病は発症していない。

(2)(3)こちらは育ってはいるものの赤さび病の進行が進んでいる。夜間空気中の水蒸気量が多くなることが影響していると思われる。草丈は40〜50cm、葉数は5〜7枚。
(1)全体の様子 (2)一般種 (3)赤さび病
<管理他>
状態:ゆっくり成長する。路地では停滞気味になる。

作業:草取り。

その他:一般種は赤さび病は出ているものの薬剤散布は行っていない。このままで行けば、収穫できても小さなものしかできない。

2009年3月1日・・・生育中期 
全体の様子 株元 解説:現在の草丈は90〜100cm。2月から気温が高くなったことから生育が早まっている。株元は生育と共に太くなり、直径は3cmを超えている。

肥料は元肥意外には施していない。今後も与えない。また、隣で育てているホワイト六片種の赤さび病が移ることはないので、薬剤散布は行っていない。
(1)全体の様子 (2)株元
一般種
全体の様子 株元の様子 解説:草丈は50cm。葉数も増えてはいるものの、赤さび病の影響で下葉は枯れている。
(3)全体の様子 (4)株元  
<管理他>
状態:気温の上昇で成長を早める。主な変化は株元が太くなる。葉幅が広がる。後に薹立ちする。

作業:草取り。

その他:一般種は赤さび病は出ているものの薬剤散布は行っていない。このままで行けば、収穫できても小さなものしかできない。

2009年4月1日・・・生育後期 
全体の様子 株元 葉先 解説:草丈:100cm、葉数:17枚〜18枚。初期に出た数枚は枯れている。写真では分かりにくいが、株元はかなり太くなっている。

今月から薹立ちしピンク色の花を咲かせる。花を咲かせると鱗片の肥大が悪くなるので、実際にはつぼみの段階で摘み取る。こちらは病害虫の被害はない。 
(1)全体の様子 (2)株元 (3)芽先
一般種
全体の様子 赤さび病 害虫被害の様子 ヨトウムシ 解説:草丈:70〜80cm、葉数:10枚〜14枚。
相変わらず赤さび病は出ている。このところの高温乾燥で、範囲は広がっていない。

それ以外にヨトウムシが付いた。これは気が付いた時点で捕殺すればよい。
(4)全体の様子 (5)赤さび病 (6)害虫被害 (7)ヨトウムシ
<管理他>
状態:気温の上昇で成長を早めている。草丈が高くなった。間もなく薹立ちする。

肥料:追肥は与えていない。元肥だけで収穫まで与えない。

作業:草取り。

その他:薬剤散布は行っていない。このまま収穫まで管理するつもり。

2009年5月1日・・・生育後期 
全体の様子 株元 つぼみ 手で折る 害虫 株元
(1)全体の様子 (2)株元 (3)つぼみ (4)手で折る (5)害虫 (6)株元
解説:(1)草丈は170センチ位。(2)株元の茎はかなり太くなっている。下葉枯れが見られるが、この程度であれば収量に影響しない。(3)早い株はつぼみを伸ばしている。

つぼみが見えたら早めに摘み取る。株に付けたままで花を咲かせると、鱗片の肥大が悪くなる。その際、刃物は使わずに手で折るようにする。理由はウイルス病感染予防のため。鋏を使って切った場合、ウイルスを多くの株に感染させてしまう危険性が高まる。

葉全体に緑色の濃淡が斑状に現れていて、生育が悪い株はウイルス病が疑われる。この様な株を発見した場合は、抜き取って処分した方が良い。

※上記症状の株は玉が大きくならない(収量が少なくなるため)ウイルス病に感染したと見ています。

(5)は秋に付いた害虫と同じで、春にも発生する。茎に穴を開けたり葉を食害するもの。無農薬栽培のため、気が付いたとき指でつぶせばよい。

(6)草体は大きく育っているが、鱗片は大きくなっていない。それでも掘ってみると基部が少し膨らみ始めている。
一般種
全体の様子 赤さび病 解説:(7)草丈は1mまで伸びている。(8)相変わらず赤さび病は出ているが全体には広がっていない。 
(7)全体の様子 (8)赤さび病
<管理他>
状態:急速に茎が伸び、つぼみを伸ばす。そのままにしておけばピンク色の花を咲かせる。まだこの時期は鱗片の肥大は見られない。今後の二ヶ月で大きく肥大する。

肥料:追肥は与えていない。元肥だけで収穫まで与えない。

作業:草取り。

その他:つぼみは早めにつみ取る。害虫が付いたものの、薬剤散布は行わずに手で取る。

2009年6月1日・・・肥大期 
全体の様子 株元 花の様子 解説:地上部の変化はありません。今鱗片が肥大している時期になります。

そのためにつぼみの段階で摘み取りましたが、咲かせると花は(3)の様に結構きれい。この見覚えのある花はアリウムです。

今月中旬から収穫期に入る。 
(1)全体の様子 (2)株元 (3)花の様子
一般種
全体の様子 株元 薹立ち 解説:赤さび病が蔓延しています。その割には緑色の葉が残っている。

(6)この種でも薹立ちする。しかしこれが開花することは無いことと、病気が出ていることからつみ取りも行わないで放置した。
一般的には摘み取る。
(4)全体の様子 (5)株元 (6)薹立ち
<管理他>
状態:茎の伸びや葉の展開は無い。先月からこの時期にかけて鱗片の肥大が見られる。今月中旬以降葉が黄変し収穫期を迎える。

肥料:与えない。

作業:草取り。

その他:害虫が付いたものの、薬剤散布は行わずに手で取る。 

2009年6月16日・・・収穫期 
全体の様子 掘り上げた様子 花の様子 解説:(1)(2)まだ緑色の葉が目立つものの下葉がだいぶ枯れてきたので、思い切って掘り上げました。

大きさは平年並みです。大きいものでリンゴ大。小さいもので成人男性の握り拳大。写真では分かりづらいがかなり大きい。

(3)花は今満開です。花用のアリウムとほとんど変わらない。大きさはグレープフルーツ大。
(1)全体の様子 (2)掘上げた様子 (3)花の様子
一般種
全体の様子 掘り上げた様子 大きさの比較 解説:(1)(2)こちらの方が早く枯れてしまいました。赤さび病の影響があったようです。

一応にんにくの形は呈しているが、若干小ぶり。一球が六片ではなく五片以下のものが多い。かろうじて来年用の種にはなりそうな大きさ。

(6)左がジャンボ、右が一般種。ジャンボ種の一片が一般種の一球位の大きさ。
(4)全体の様子 (5)掘上げた様子  (6)比較
<管理他>
状態:下葉から徐々に黄変し、枯れ上がる。この時点で鱗片の肥大は終わっている。後に全ての葉、茎が枯れる。堀り上げは下葉が枯れ始め、残っている葉も色が薄くなってきたときに行う。上記(1)写真参照。

収穫:鱗片を傷つけないように掘り上げる。茎を持って引っ張っても抜けないときはスコップで掘り上げる。

掘り上げたニンニクの管理:日に当てない様に乾かす。食用にする場合、明るい場所へ吊しておくと緑色に変わってしまい、食感も変わってしまうので、暗い場所で乾燥、保存することが望ましい。種用にするものは日に当たっても問題無い。

その他:出荷する場合は、根を切り落とすが、自家消費用であればそのままで良い。 

2009年7月1日・・・保存期間 
ジャンボ種 (1)の花 ホワイト種 解説:(1)先月中旬に収穫した各種は乾燥が進み葉が枯れたことから茎を切り落とした。今は発泡スチロール箱に入れてある。

(2)(1)の花は終わって色褪せてきた。この様に花を咲かせると葉がしばらく緑色で枯れるのが遅れる。これは花を咲かせると小さな玉になると言うことを示すために一株だけ咲かせている。
(1)ジャンボ種 (2)(1)の花 (3)一般種
<管理他>
状態:休眠期。夏の盛りを過ぎて涼しくなるまでは動きはない。

掘り上げたニンニクの管理:乾燥した暗所で保管。後に完全に乾いたら鱗片をばらして大きさ別(大中小)に選別する。その中で一番大きいものを種球とし、中以下の大きさのものを食用に回す。食用にも向かないほど小さなものは植えて将来の種として育てる。

その他:掘り上げてから青カビが生えたり、腐敗臭を伴って傷んでしまうのは肥料過多のため。適正施肥条件下では、収穫後吊して干さなくても傷んだりしない。上記(1)の通り。燐酸やカルシウムは多めでも悪影響は少ないが、窒素成分は収穫時期にはほとんど肥切れ状態の施肥設計で栽培したい。

2009年8月1日・・・保存期間 
仕分け 球状球 腐敗球 花後 大きさの比較
(1)仕分け (2)球状球 (3)腐敗球 (4)花後 (5)大きさの比較
解説:(1)収穫、乾燥後鱗片をばらして大きさ別に分けた。一株(一球)のニンニクをばらすと、大きさの異なる鱗片が付いていることが確認できる。左から大・中・小・木子(仮名称)とした。この中から食用と種用とを分ける。大きな鱗片を植えると大きなニンニクが収穫出来て、小さな鱗片を植えると小さなニンニクになる。

よって、大と木子を種用として必要数取っておいて、中と小を食用にする。又は、中と木子を種用として、大と小を食用にしてもよい。

中以上の鱗片を植えれば大きなニンニクを収穫することが出来る。木子は3〜4年育てれば、大きなニンニクを収穫できるまでになる。小も2年くらい育てると大きなニンニクを収穫できるようになる。

肝心の食味は一般的なニンニクより香りが控えめ。レンジで加熱するとほくほくした食感が楽しめる。栄養に関しては未確認。それよりも無農薬栽培であるため、安全、安心。

(2)多く栽培していると全く分球せずにタマネギのように一株一球のニンニクが出てくる。大きさは大から小まで。これを播くと花が咲かない(薹が立たない。)のでそれと判断できる。毎年、播いて→収穫を繰り返していると小ぶりのタマネギほどになるが、それを播くと分球するニンニクに変わることがある。尚、食味は変わらない。

(3)乾燥、保管中に腐敗したもの。これは種用には使えない。

(4)(5)一株だけ花を咲かせていた株のその後。葉は全て枯れ茎だけになった。花の跡で茶色の箇所は枯れていて、緑色の箇所は種子が付いているように見えるが、発芽能力があるかは未確認。

鱗片は大きくなっていない。(5)左は小さめの一般種。ほとんど差がないことから、つぼみを摘み取ることが如何に重要かがよく分かる。

大きなニンニクが無農薬で比較的簡単に収穫できることから、作る喜びも大きい。
<管理他>
状態:休眠期。夏の盛りを過ぎて涼しくなるまでは動きはない。

掘り上げたニンニクの管理:乾燥した暗所で保管。

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